【鑑賞レポ】新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』(2019年)

新国立劇場バレエ団の2019年最初の公演『ニューイヤー・バレエ』が2019年1月12日(土)、新国立劇場 オペラパレスにて開幕しました。

バレエ・リュスの作品、バレエ・リュスと関係のある作品によるトリプル・ビルです。

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』(2018/2019シーズン)鑑賞レポート

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』は、20世紀初頭に突如として登場し、その後のバレエに大きな影響を与えた「バレエ・リュス」に関係のある作品によるトリプル・ビルです。

『レ・シルフィード』

ショパンの曲にフォーキンが振り付けた作品で、ロマンチック・チュチュを身にまとったシルフィード(空気の精)たちが詩人と叙情的に舞うフォーメーションが美しいバレエです。

もとは『ショピニアーナ』という作品でしたが、改訂を経て1909年に『レ・シルフィード』として上演されました。

現在でもロシアでは『ショピニアーナ』と呼ばれることもあるそうです。

なお、この演目にはストーリーがありません。

しかし、なんとなく見たことがあるような気がする作品でした。

バレエ鑑賞経験が少ない初心者の方が観たら、『ジゼル』の一場面だと間違ってもおかしくないと感じました!

出演者が、詩人以外はすべて白いロマンチック・チュチュを着た女性で、森の奥深くを思わせる舞台装置がそのように感じさせるのではないでしょうか。

正直なところ、鑑賞時、睡魔に襲われていた筆者は、『ジゼル』かと思いました!

修行不足ですね。(^_^;)

新国立劇場バレエ団では、1999年6月に上演して以来の登場ではないでしょうか。

公演チラシやリーフレットの写真は、1996年上演時に出演された酒井はなさんと小嶋直也さんではないかと思います。

『火の鳥』(中村恩恵振付/新制作)

ストラヴィンスキーの曲に中村恩恵さんが振り付けた新作です。

バレエ・リュスによるオリジナル作品はフォーキンが振り付けています。

フォーキンの作品は、いくつかのロシア民話をつなぎ合わせて作られていますが、中村版は全く異なるオリジナル・ストーリーの作品です。

手に入れた者は強大な力を手に入れることができる「火の鳥の羽」をめぐって繰り広げられるストーリーでした。

公演リーフレットには「あらすじ」が書かれていますが、目の悪い筆者には「あらすじ」と舞台の内容が一致しているようには見えませんでした。

筆者のような未熟者の理解力をはるかに超えている作品のようです。

まったく理解できずにポツンと置いてけぼりにされた気分になりました。(ToT)

あらためて修行不足ですね。(^_^;)

新国立劇場バレエ団では、2010年10月にフォーキン版『火の鳥』が上演され、2013年11月に再演されています。

中村恩恵さんの新作とは内容が全く異なるために比較はできませんが、初演時には小野絢子さん、エリーシャ・ウィリスさん(バーミンガム・ロイヤルバレエ団プリンシパル)、川村真樹さんが火の鳥を踊っています。

再演時に火の鳥を踊ったのは小野さんと米沢 唯さんです。

下の映像は、2013年11月に『バレエ・リュス ストラヴィンスキー・イブニング』と題して上演されたトリプル・ビルのプロモーション映像です。

『火の鳥』の映像は2010年に小野さんが火の鳥役で出演したものだと思われます。

この公演では、フォーキン『火の鳥』、バランシン『アポロ』、ニジンスカ『結婚』が上演されました。

新国立劇場バレエ団、 最高の布陣でお贈りする「バレエ・リュス」

新国立劇場バレエ団、 最高の布陣でお贈りする「バレエ・リュス」

(YouTube / 新国立劇場 New National Theatre Tokyo 公式チャンネル)

『ペトルーシュカ』

おがくずの詰まった人形であるペトルーシュカ、バレリーナ、ムーア人が巻き起こす騒動で、悲しい結末の舞台でした。

奥村康祐さんは哀感漂う見事な演技でペトルーシュカを演じ、ペトルーシュカとムーア人に恋されるバレリーナを池田理沙子さんがほんとうに愛らしく演じ、乱暴者(?)のムーア人を中家正博さんが荒々しく好演していました。

「『ニューイヤー・バレエ』と題するのであれば、新年を寿ぐような気分が明るくなる華やかな舞台を観たかったな」と思ったのは筆者だけでしょうか?( ゚д゚)

新国立劇場バレエ団での上演は、『レ・シルフィード』と同じく1999年6月の上演以来のようです。

そのときには、根岸正信 さん(ペトルーシュカ)、宮内真理子さん(バレリーナ)、佐藤崇有貴さん(ムーア人)が出演されています。

2019/2020シーズン ラインアップ発表について

新国立劇場バレエ団の2019/2020シーズン ラインアップが2019年1月17日(木)に新国立劇場の公式サイトにて発表されます!

どんなラインアップになるのか予想しながら楽しみに待ちましょう!(´▽`)

「ラインアップ当てクイズ(景品付)」なんて企画があったら楽しいと思いませんか?

2019/2020シーズンラインアップ発表

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』(2018/2019シーズン)公演概要

■日程:
1月12日(土)14:00開演
1月12日(日)14:00開演
1月12日(月・祝)14:00開演

■会場:新国立劇場 オペラパレス(東京・初台)

■プログラム
【レ・シルフィード Les Sylphides】
音楽:フレデリック・ショパン
編曲:ロイ・ダグラス
振付:ミハイル・フォーキン

【火の鳥 The Firebird】
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付:中村恩恵

【ペトルーシュカ Petrouchka】
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付:ミハイル・フォーキン

■上演時間(3日とも)
『レ・シルフィード』14:00~14:35
休憩(25分)
『火の鳥』15:00~15:35分
休憩(25分)
『ペトルーシュカ』16:00~16:35

■出演者
【レ・シルフィード】
ノクターン:
小野絢子、寺田亜沙子、細田千晶、井澤 駿(12日、14日)
木村優里、寺田亜沙子、細田千晶、渡邊峻郁(13日)
増田裕子、廣田奈々
飯野萌子、川口 藍、玉井るい、中田実里、広瀬 碧、若生 愛、朝枝尚子、今村美由起、加藤朋子、北村香菜恵、木村優子、小村美沙、関 晶帆、原田舞子、土方萌花、廣川みくり、山田歌子、横山柊子
ワルツ:寺田亜沙子
マズルカ:細田千晶
マズルカ:井澤 駿(12日、14日)、渡邊峻郁(13日)
プレリュード:小野絢子(12日、14日)、木村優里(13日)
パ・ド・ドゥ:小野絢子/井澤 駿(12日、14日)、木村優里/渡邊峻郁(13日)
華麗なる大円舞曲:全員

【火の鳥】
火の鳥:木下嘉人
娘:米沢 唯(12日、14日)、五月女 遥(13日)
リーダー(指導者):福岡雄大
王子:井澤 駿
黒衣:渡邊峻郁、趙 載範、福田紘矢
反乱軍:福田圭吾、宇賀大将、小野寺 雄、髙橋一輝、佐野和輝、中島瑞生、渡邊拓朗

【ペトルーシュカ】
ペトルーシュカ:奥村康祐
バレリーナ:池田理沙子
ムーア人:中家正博
見世物小屋の親方:貝川鐵夫
街の踊り子:奥田花純、柴山紗帆
若い商人:小柴富久修
2人のジプシー:渡辺与布、横山柊子
乳母:寺井七海
赤井綾乃、稲村志穂里、菊地飛和、北村香菜恵、木村優子、清水理那、関 優奈、守屋朋子
皇室の御者:中島駿野
4人の御者:大田寛仁、小川尚宏、樋口 響、渡邊拓朗
2人の馬丁:井澤 諒、渡部義紀
悪魔の仮装:速水渉悟
日本ジュニアバレヱ(交代出演:大熊美里、新貝美咲子、立川祥南、浪崎杏樹)