【TV】チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』(NHK BS プレミアムシアター 2020年12月20日)

2019年12月20日(日)のNHK BS プレミアムシアターでチューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』が放送されます。

チューリヒ・バレエの芸術監督兼振付家のクリスティアン・シュプックが、E.T.A.ホフマンの原作を忠実に演出して話題となった舞台です。

(注)『くるみ割り人形とねずみの王様』の放送時間は、12月21日(月)01:46:30~03:40:00です。ご注意ください。

チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』(全2幕)

チューリヒ・バレエの『くるみ割り人形とねずみの王様』を振り付けたクリスティアン・シュプックは、ジョン・クランコ・バレエ・スクールを卒業しシュツットガルト・バレエなどでダンサー、コレオグラファーとしてキャリアを積み、2012/13シーズンからハインツ・シュペルリの後任としてチューリヒ・バレエの芸術監督に就任しています。

チューリッヒ・バレエには、『ロメオとジュリエット』や『くるみ割り人形とねずみの王様』『Winterreise』などを振り付けています。

バレエ『くるみ割り人形』には様々な改訂版が存在しますが、クリスティアン・シュプックは、E.T.A.ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』をできるだけ忠実に再現していることが大きな特徴で、2017年10月14日に初演され、高く評価されています。

日本では、2018年、2019年の12月に「NHK BS プレミアムシアター」で放送されて大きな反響を呼びました。

今年(2020年)も12月に放送されることになり、3年連続しての放送です。

原作であるE.T.A.ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』の翻訳を読んだことがある人は意外と少ないかと思いますが、マリウス・プティパの『くるみ割り人形』やその改訂版のバレエから受ける印象とは異なり、かなりシュールな印象を受けます。

どちらが良い悪いという訳ではなく、できるだけホフマンの原作を忠実に再現することを試みたクリスティアン・シュプックのは『くるみ割り人形とねずみの王様』は見慣れたバレエ『くるみ割り人形』とは異なる魅力を持った作品です。

「バレエ『くるみ割り人形』はこうあるべきだ」という先入観を横に置いて、クリスティアン・シュプックとチューリヒ・バレエが作り上げた『くるみ割り人形とねずみの王様』の世界を是非楽しんでください!

主な出演者

ドロッセルマイヤーを演じるドミニク・スラウコフスキーは、スロバキア出身のダンサーでブラチスラバのスロバキア国立劇場バレエで活躍後、2014/15シーズンからチューリヒ・バレエに移籍しています。

クリスティアン・シュプックの作品では、今回放送される『くるみ割り人形とねずみの王様』のドロッセルマイヤーのほかに『ヴォイツェック』のタイトルロールなどの重要な役を踊り、また、ジョージ・バランシンやウヴェ・ショルツ、アレクセイ・ラトマンスキー、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイス、ハンス・ファン・マーネン、ナチョ・ドゥアト、マルコ・ゲッケなど、現代を代表する振付家の作品に出演しています。

マリー役のミシェル・ウィレムスは、フランス出身のダンサーで、ボリショイ・バレエ・アカデミー、アトリエ・ルードラ・べジャール・ローザンヌで学び、チューリヒ・ジュニア・バレエを経て2016/17シーズンからチューリヒ・バレエに入団しています。

クリスティアン・シュプック作品のほか、ウィリアム・フォーサイス、イリ・キリアン、マルコ・ゲッケ、クリスタル・パイトらの作品に出演しています。

くるみ割り人形/王子/ドロッセルマイヤーのおいの3役を演じるウィリアム・ムーアは、英国出身で英国ロイヤル・バレエ・スクールで学び、2005年にシュツットガルト・バレエに入団し2010年にプリンシパルに昇格しています。

シュツットガルト・バレエでは、ジョン・クランコ作品のジークフリート(『白鳥の湖』)、レンスキー(『オネーギン』)、ルーセンショー(『じゃじゃ馬ならし』)などのほか、アルマン(ジョン・ノイマイヤー『椿姫))、レオンス(クリスティアン・シュプック『レオンスとレーナ』)、コーラス(フレデリック・アシュトン『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』)などを踊り、2012/13シーズンからはチューリヒ・バレエにファースト・ソリスト(最高位)として移籍しています。

主要な役としてクリスティアン・シュプック『ロミオとジュリエット』のロミオ、『アンナ・カレーニナ』のヴロンスキーなどを踊り、エドワード・クラッグ、マルコ・ゲッケ、ウェイン・マクレガー、ソル・レオン&ポール・ライトフット、ダグラス・リー、イリ・キリアンらの作品にも出演しています。

クリスティアン・シュプックが芸術監督に就任したのと同じく2012/13シーズンからチューリヒ・バレエに移籍しており、シュプックにとっては非常に重要なダンサーであることは間違いなさそうです。

くるみ割り人形役のときに踊る人形振りは、他のバレエ作品で見る人形振りとも異なりロボット・ダンスっぽくてとても楽しく、ウィリアム・ムーアのテクニックにも感心して見入ってしまう素晴らしさです!

チューリヒ・バレエには日本人ダンサーの前田明里(まえだ・めいり)さんが所属しており、今回放送される舞台ではマリーの友人役などで出演しています。

前田さんは『くるみ割り人形とねずみの王様』のマリー役もレパートリーとしており、フォーサイスやラトマンスキー、クリスタル・パイト、イリ・キリアン作品にも出演しています。

現代を代表する振付家の作品を多数レパートリーとして持ち、独特の存在感を放つクリスティアン・シュプック率いるチューリヒ・バレエが日本でももう少し注目されたら嬉しいですね!

予告編映像(トレーラー)

Trailer – Nussknacker und Mausekönig – Ballett Zürich

NHK BS プレミアムシアター
2020年12月20日(日)放送概要

概要

■日程:2020年11月20日(日)午後11:00(23:20)~午前3:40(03:40)
■チャンネル:NHK BS プレミアム
■放送内容:
◇本日の番組紹介(23:00:00~23:03:30)
◇サイモン・ラトル指揮
 ロンドン交響楽団演奏会(23:03:30~00:18:30)
◇アンドリス・ネルソンス指揮
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会(00:19:00~01:43:30)
◇チューリヒ・バレエ
 『くるみ割り人形とねずみの王様』【再放送】(01:46:30~03:40:00)

チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』
キャスト・スタッフ

■原作:E.T.A.ホフマン
■振付:クリスティアン・シュプック
■音楽:チャイコフスキー

■キャスト:
ドロッセルマイヤー:ドミニク・スラウコフスキー
マリー:ミシェル・ウィレムス
フリッツ:ダニエル・マリガン
くるみ割り人形/王子/ドロッセルマイヤーのおい:ウィリアム・ムーア
ピエロ:イェン・ハン、マシュー・ナイト
ピエロ(アコーデオン):イナ・カレハス
ピルリパート姫:ジュリア・トネッリ
マウゼリンクス夫人:メリッサ・リグルゴ
ねずみの王様:コーエン・エイチサン・デュガス
雪の女王:エレナ・ヴォストロティナ
雪の王:ヤン・カシェ
金平糖の精:ヴィクトリナ・カピトノワ
花のワルツ(ソロ):アンナ・ハジムナ、アレグザンダー・ジョンズ ほか
チューリヒ・バレエ
チューリヒ・ジュニア・バレエ

合唱:チューリヒ歌劇場女声合唱団、チューリヒ歌劇場児童合唱団
管弦楽:フィルハーモニア・チューリヒ
指揮:ポール・コネリー

【収録】2018年4月13・15日 チューリヒ歌劇場(スイス)