2017年11月18日(土)と19日(日)に新国立劇場バレエ研修所の発表公演『オータム・コンサート2017』が開催されました。
両日、鑑賞した感想です。
新国立劇場バレエ研修所の発表公演『オータム・コンサート2017』の感想
当初、18日(土)のみのチケットを取っていましたが、実際に舞台を拝見するとその素晴らしさに感激しました。
思わず、翌19日(日)の公演のチケットを急ぎ購入、両日ともに鑑賞しました。
バレエ団関係者からみれば、まだまだということになるのかもしれませんが、素人からしたらプロと言われても全く分からないくらいの素晴らしい舞台だったのではないでしょうか。
多少はバレエの経験があり、舞台鑑賞もそれなりにこなしている者からみても、どのダンサーも素晴らしい出来映えでした。
字数の関係で一人だけ挙げれば、とくに魅了されたのは、髙井惠利さんの音楽性溢れる踊りです。
ひとつひとつの小さな動きでも音楽と身体とが見事に絡み合い、踊りの根源的な楽しさを再認識させられたとでも言いましょうか・・・私は一体何を言いたいのでしょうか?
私の表現力が彼女の踊りの前では無力と化し、何とも言い表せません。
ただ、はっきり言えるのは、私がバレエを始めた頃に感じた「バレエ独特の体の使い方の何とも言えない楽しさ」を思い起こさせてくれたということです。
第14期生の抱負
カーテンコールの後には今年入所した第14期生の6人が舞台上に残り、ひとりずつ抱負を語りました。
岡田百音(おかだ・もね)さん 埼玉
怪我のため出番が少なかったそうです。まずは怪我を治して次回こそはしっかり観ていただきたいという内容のことを言っていました。
焦る気持ちもあるかと思います。
しかし、無理をしてはいけません。
急がば回れ。怪我を抱えながらもできることもあります。できることに全力で取り組んでいただきたいと思います。
髙井惠里(たかい・えり)さん 埼玉
予科生時代はとにかく踊ることが楽しかったそうです。
研修生となってからは、プロのダンサーというものをより現実的に考えるようになったのでしょうか、観に行きたいと思ってもらえるダンサーになれるよう、表現力を磨き、人間的にも成長できるよう精進したい、という内容のメッセージでした。
すでにこの人の踊りを観たいと思い、実際に観に行った人がここにいます。
努力の方向性は間違えていない結果だと思います。精進の先には輝く未来が待っています!
多田そのか(ただ・そのか)さん 東京
14期生は予科出身者が4人いらっしゃいますが、多田さんも予科出身者です。
バランスの取れたダンサーではないでしょうか。
パーキンソン赤城 季亜楽(パーキンソン・アカギ・キアラ) オーストラリア
キャラクターを躍らせてもらえたことが嬉しかったようです。
名前からしてキラキラしています。
山根くるみ(やまね・くるみ)さん 大阪
大阪出身者らしくない(?)印象を受けました。
落ち着いた雰囲気で芯が強そうなダンサーです。
中村啓(なかむら・さとし)さん 埼玉
予科生時代に病気で入院していたこともあるそうです。
今回の舞台ではスタミナのなさを痛感したとのことです。長身でスラリとしたダンサーです。
来年、2018年3月には『エトワールへの道程2018 新国立劇場バレエ研修所の成果』が開催されます。
今回は、第13期生のことには触れられませんでしたが、13期生にとっては卒業公演となります。
約4か月後に皆さんの成長した姿を観られることを期待しています!
『オータム・コンサート2017』公演概要
新国立劇場バレエ研修所
第13期生・第14期生 発表公演
オータム・コンサート2017
新国立劇場 中劇場PLAYHOUSE
2017年11月18日(土)、19日(日)(両日とも15:00開演)
第1部
『海と真珠』
山根くるみ(18日)、中島春菜(19日)、多田そのか、仲村 啓
『ジゼル』より ペザントのパ・ド・ドゥ
伊東真梨乃/荒木研史朗(18日)
長澤マリーヤ/佐藤 鴻(19日)
『海賊』より オダリスクの踊り
Va.1 多田そのか、Va.2 髙井惠里、Va.3 パーキンソン赤城 季亜楽(18日)
Va.1 阿部純花、Va.2 山内優奈、Va.3 山根くるみ(19日)
『ガイーヌ』より バラの娘たちの踊り
原 衣梨佳
阿部純花 加藤里佳 服部由依 吉田朱里
キャラクター・ダンス レッスン(ピアノ演奏:吉田育英)
研修生・第8期予科生
第2部
『くるみ割り人形』第2幕より
金平糖の精:中島春菜(18日)、髙井惠里(19日)
王子:芳賀 望(ゲスト)
スペイン:パーキンソン赤城 季亜楽(18日)、原 衣梨佳(19日)、仲村 啓
中国:長澤マリーヤ、佐藤 鴻(18日)、伊東真梨乃、荒木研史朗(19日)
棒キャンディ:阿部純花(18日)、山内優奈(18日)、加藤里佳(19日)、服部由依(19日)、吉田朱里
フィナーレ:岡田百音、髙井惠里(19日)、多田そのか、パーキンソン赤城季亜楽(19日)、山根くるみ