NHK BSプレミアムシアターでは、2018年5月21日(月)【5月20日深夜(日)深夜】午前0時00分~午前3時55分にマリインスキー・バレエ『バフチサライの泉』と『エトワール・ガラ2016』(再放送)を放送します。
世界5大バレエ団のひとつと言われるマリインスキー・バレエはですが、今回放送される演目の『バフチサライの泉』については、ほとんどなじみがありません。
二つの公演のうち『バフチサライの泉』について、放送に先立ち、少し予習してみたいと思います。
『バフチサライの泉』
バレエファンのなかでも『バフチサライの泉』という演目を知っている人は少ないのではないでしょうか。
ましてや、鑑賞したことがある方はかなり少ないと思います。
調べてみると、この演目の知名度が低いのは、演目自体の質が低い訳ではなく、この演目をレパートリーとしているバレエ団が少ないことがありそうです。
少ない理由として、この演目の魅力を引き出すことが容易ではないことが挙げられるかもしれません。
岩田守弘さんのオフィシャルブログでも「このバレエの映画を観て度肝を抜かれていつか生でこのバレエを見てみたいと願っていた」と演目の魅力を記しながらも、その後には、ボリショイでの上演にこぎつけた苦労話が続いています。
日本のバレエ団でレパートリーとして持っているのは、小林恭バレエ団、法村友井バレエ団です。
2000年代以降の上演記録では、小林恭バレエ団(2000年6月、2007年10月)、法村友井バレエ団(2002年9月)、(社)日本バレエ協会 関東支部 神奈川ブロック 第23回自主公演(2006年1月)と決して多いとは言えません。
今回の放送は非常に貴重な機会となりそうです。
【2018年5月18日追加】
その後、佐々木美智子バレエ団、大阪バレエカンパニーでも上演していることが分かりました。 佐々木美智子バレエ団では、今年の8月16日(木)に八尾市プリズムホール(大阪府八尾市)で上演することが決まっています。 |
『バフチサライの泉』の概要
『バフチサイライの泉』(The Fountain of Bakhchisarai)
振付 ロスチスラフ・ザハロフ
音楽 ボリス・アサフィエフ
台本 ニコライ・ヴォルコフ(ロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンの詩に基づく)
美術 ヴァレンチン・ホダセヴィチ
初演 国立オペラ・バレエ・アカデミー(現マリインスキー)劇場(1934年9月28日)
あらすじ
舞台はポーランドのお城。公爵の娘マリアの誕生日会。マリアは婚約者のヴァーツラフと踊る。そこへタタール人が襲撃し宴は戦場となる。ヴァーツラフはマリアを守ろうとするが殺されてしまう。タタールのギレイ汗はマリアの顔からヴェールを取るとあまりの美しさに呆然とする。
マリアは囚われ、ギレイ汗の宮殿に連れてこられる。ハーレムではギレイ汗の帰還を迎える。ギレイ汗の寵愛を一身に受けていたザレマだが、ギレイ汗の愛を失ったことを知る。
ギレイ汗はマリアの寝室を訪れて求愛する。マリアは恋人、友人、家族を殺したギレイ汗に恐れ拒絶し、ギレイ汗は立ち去る。
深夜、今度はザレマがやってきてギレイ汗への情熱的な愛を説き、嫉妬に襲われマリアを刺し殺す。
マリアを殺したザレマは死刑となる。
もはや誰にもギレイ汗を奮い立たせることはできない。
マリアを失ったギレイ汗は「涙の泉」のほとりに腰掛け、美しいマリアの幻影を思い起こし、さまざまな思いが胸中を巡る。
みどころ
三人の主要人物、マリア、ギレイ、ザレマがそれぞれの性格・存在感を際立たせた心理描写をいかに表現するのか。ドラマティック・バレエとして、役の解釈と演技が大きなポイントとなるようです。
宮殿のハーレムでのザレマの踊り、寝室でのマリアの悲しみに満ちたソロのほか、タタール兵の群舞も非常に見応えがあるそうです。
また、マリインスキー・バレエには、日本人ダンサーの石井久美子さんも所属しています。
マリインスキー・バレエの公式サイトによると、石井さんは2013年にワガノワ・アカデミーを卒業し、マリインスキー・バレエに入団しています。
彼女のレパートリーには『バフチサライの泉』もあり、役は「Polish Noblewoman」(ポーランドの貴婦人と訳すのでしょうか?)とあります。
収録日が2017年5月ということですので、出演されている可能性もあります。
「Polish Noblewoman」にも注目しましょう!( ´ ▽ ` )
放送概要
マリインスキー・バレエ「バフチサライの泉」(全4幕)(0:03:00~1:56:30)
振付:ロスチスラフ・ザハロフ
音楽:ボリス・アサフィエフ
出演:
・アダム公爵:アンドレイ・ヤコブレフ
・マリア:アナスタシア・マトヴィエンコ
・ヴァーツラフ:ザンダー・パリッシュ
・ギレイ:ロマン・ベルヤコフ
・ザレマ:ヴィクトリア・テリョーシキナ
・ヌラリ:グリゴーリ・ポポフ
収録:2017年5月27・28日 マリインスキー劇場(サンクトペテルブルク)
なお、『バフチサライの泉』の後には、『エトワール・ガラ2016』(再放送)が放送されますので、こちらもお楽しみに。
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