【TV】オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(NHK BS プレミアムシアター 2020年1月20日(月)【1月19日(日)深夜】)

2020年1月20日(月)【1月19日(日)深夜】のNHK BS プレミアムシアターでは、オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』を放送します。
フランツ・レハールのオペレッタをオーストラリア・バレエが
バレエ化した演目で、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)やヒューストン・バレエなどもレパートリーに持つ人気作品です。

莫大な遺産を持ちパリで豪遊する未亡人ハンナ・グラヴァリとポンデヴェドロ(架空の国)の在仏公使館に勤務し、お国の財政を救うために奮闘する書記官ダニロ・ダニロヴィチ伯爵の関係を軸に、1905年パリの華やかな社交界を舞台にストーリーが展開します。
エンディングは幸福感に包まれたワルツで幕が降り、観る人を幸せな気分にさせてくれるバレエです。

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕)
NHK BS プレミアムシアター

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕)について

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕)は、フランツ・レハール作曲のオペレッタ『メリー・ウィドウ』をバレエ化した演目で1975年にオーストラリア・バレエにより初演されました。(オペレッタでは『メリー・ウィドウ』という表記が一般的のようです)
日本ではなじみのない演目ですが、米国のアメリカン・バレエ・シアター(ABT)やヒューストン・バレエなどもレパートリーに取り入れていて、
ヒューストン・バレエ プリンシパルの加治屋百合子さんもヴァランシエンヌ役(今回の放送ではリアン・ストイメノフが演じている)をレパートリーに持っています。
放送される公演ではオーストラリア・バレエの元プリンシパルで現在は芸術監督を務めるデーヴィッド・マカリスターもニェーグシュ役で出演しています。

オペレッタはオペラと比べてセリフ部分が多く、内容も分かりやすくコミカルで楽しい作品がほとんどですが、オペレッタ『メリー・ウィドウ』も非常に人気が高い作品です。
オペレッタの内容は少し込み入っているようですが、そのままではセリフのないバレエにするのは非常に困難で、内容は簡略化されているようです。

編曲は、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ、英国ロイヤル・バレエ、オーストラリア・バレエ、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)などで活躍したジョン・ランチベリーが担当しています。

音楽は、バーミンガム・ロイヤル・バレエの首席指揮者で英国ロイヤル・バレエやニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)、日本の新国立劇場バレエでも指揮しているポール・マーフィーがオペラ・オーストラリア交響楽団を指揮しています。

あらすじ

舞台は1905年のパリ。

【第1幕】
ポンデヴェドロ(架空の国)の在仏公使館の広間ではパーティーが催されています。
ミルコ・ツェータ男爵は、ヴァランシエンヌと結婚しています。
しかし、ヴァランシエンヌは、カミーユ・ド・ロシヨンを愛しています。
ハンナ・グラヴァリは、最近、未亡人となった莫大な遺産を持つポンテヴェドロ人で、新たな夫を探しています。
ミルコ・ツェータ男爵はハンナをパーティーに招待し、ダニロ・ダニロヴィチ伯爵と引き合わせて結婚させることにより、ポンデヴェドロを財政危機から救うことを試みます。
10年前、ダニロとハンナは愛し合っていましたが、貴族のダニロは両親の反対により平民であるハンナとの関係に終止符を打っていました。
二人は今でも相手のことを愛していましたが、ダニロはハンナの財産が目当てで近づいてきたのだろうと思っています。

【第2幕】
ハナは別荘でパーティーを開催します。

カミーユとヴァランシエンヌは密会しますが、ニェーグシュに見られていました。
ミルコ・ツェータ男爵が出てくることを命じると、驚いたことにカミーユはハンナとともに出てきて二人が婚約したことを発表します。
ハンナはヴァランシエンヌと入れ替わり、窮地を救おうとしたのです。

ダニロは逆上し、去り際に彼女の足元にハンカチを投げ捨てます。
そのハンカチは10年前に二人が別れたときにハンナがダニロにプレゼントしたものです。
ハンナはダニロの様子を見て、
本当はダニロはまだハンナのことを愛していることを知ります。

【第3幕】
「マキシム」風の飾り付けがなされたハンナの邸宅では、ポンテヴェドロ人はお国の未来を嘆き悲しみに暮れています。
ダニロとヴァランシエンヌは、ハンナとカミーユとの婚約が策略であることに気づいていません。
嫉妬にかられたダニロはカミーユに決闘を申し込みますが、全てが明かされます。
ミルコ・ツェータ男爵は、彼の若い妻であるヴァランシエンヌがカミーユを愛していることを悟り、そのことを受け入れます。
皆が去った後、ダニロは一人わびしく立つハンナを見つけて抱き締め、幸福感に溢れたワルツを踊ります。

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕)関連映像
(YouTube /  公式チャンネル)

テレビ放送視聴の予習となり、バレエ『メリー・ウィドー』の雰囲気を知ることができる動画を3本紹介します。

The Story of The Merry Widow

The Story of The Merry Widow

The Australian Ballet presents The Merry Widow
2018年に新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』に客演したこともあるエイミー・ハリス(Amy Harris)が作品を紹介しています。

The Australian Ballet presents The Merry Widow

Costumes of The Merry Widow
デズモンド・ヒーリーによる華やかな衣装が紹介されています。

Costumes of The Merry Widow

主要キャストのプロフィール

アンバー・スコット Amber Scott(ハンナ・グラヴァリ)
プリンシパル・アーティスト(最高位)
11歳のときにオーストラリア・バレエ・スクールに入学
2001年 同校を首席で卒業し、オーストラリア・バレエに入団
2003年 デンマーク・ロイヤル・バレエ(Royal Danish Ballet)で4か月間過ごし、ブルノンヴィル・テクニックを直接学ぶ。
2011年 プリンシパル・アーティストに昇格
2016年には、デヴィッド・ホールバーグ(David Hallberg)が約2年半振りに怪我から復帰した際、復帰後初となった舞台『コッペリア』で共演しています。

アダム・ブル Adam Bull(ダニロ・ダニロヴィチ伯爵)
プリンシパル・アーティスト(最高位)
1981年生まれ
オーストラリア・バレエ・スクール出身
2002年 オーストラリア・バレエに入団
2008年 プリンシパル・アーティストに昇格
ジョージ・バランシン(George Balanchine)、ケネス・マクミラン(Sir Kenneth MacMillan)、グレアム・マーフィー(Graeme Murphy)、アレクセイ・ラトマンスキー(Alexei Ratmansky)、クリストファー・ウィールドン(Christopher Wheeldon)、ウェイン・マクレガー(Wayne McGregor)らの作品がお気に入りとのこと。
余談ですが、2009年には生涯の夢であった南極大陸に訪れたそうです。
オーストラリアの著名な探検家ダグラス・モーソン(Douglas Mawson)と同じ場所に上陸し、畏敬の念を抱き、人生を変えるほどの経験だったそうです。

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕) 放送概要

NHK BS プレミアムシアター 2020年1月20日(月)【1月19日(日)深夜】放送概要

■放送日時:2020年1月20日(月)【1月19日(日)深夜】00:00~
■放送チャンネル:NHK BS プレミアム
■放送内容:
◇本日の番組紹介(0:00:00~0:04:30)
◇ミラノ・スカラ座2019/20開幕公演 歌劇『トスカ』(0:04:30~2:25:30)
◇オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(2:28:00~4:07:00)

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕) 放送概要

オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕)
THE AUSTRALIAN BALLET / The Merry Widow

■台本:ロバート・ヘルプマン Robert Helpmann、ロナルド・ハインド Ronald Hynd
(ヴィクトル・レオン Victor Léon、レオ・シュタイン Leo Steinによるオペラッタに基づく)
■振付:ロナルド・ハインド Ronald Hynd
■音楽:フランツ・レハール Franz Lehár
■編曲:ジョン・ランチベリー John Lanchbery
■舞台美術・衣装:デズモンド・ヒーリー Desmond Heeley
■照明:フランシス・クローゼ Francis Croese

■出演:
ハンナ・グラヴァリ Hanna:アンバー・スコット Amber Scott
ダニロ・ダニロヴィチ伯爵 Count Danilo:アダム・ブル Adam Bull
ヴァランシエンヌ Valencienne:リアン・ストイメノフ Leanne Stojmenov
カミーユ・ド・ロシヨン Camille:アンドリュー・キリアン Andrew Killian
ミルコ・ツェータ男爵 Baron Zeta:スティーヴン・ヒースコート Steven Heathcote
ニェーグシュ Njegus:デーヴィッド・マカリスター David McAllister
ほか
オーストラリア・バレエ団

■管弦楽:オペラ・オーストラリア交響楽団
■指揮:ポール・マーフィー Paul Murphy

■収録:2018年5月9日 シドニー・オペラ・ハウス ジョーン・サザーランド劇場(オーストラリア)