2018年6月29日、新国立劇場バレエ団は、「2018/2019シーズンのダンサー昇格と移行および退団」を発表しました。
ダンサー昇格と移行および退団の内容
新国立劇場バレエ団シーズン終了のこの時期恒例、ダンサーのプロモーションに関する発表です。
いつものことですが、昇格の嬉しいニュースもあれば、退団される方もいらっしゃいます。
2018/2019シーズンから昇格するダンサー ※ランクは、昇格後のものです。
<ソリスト>
(契約ダンサー)原 健太(はら・けんた)
<ファースト・アーティスト>
(契約ダンサー)宇賀大将(うか・ひろゆき)
小野寺 雄(おのでら・ゆう)
髙橋一輝(たかはし・かずき)
浜崎恵二朗(はまさき・けいじろう)
2018/2019シーズンより契約ダンサーから登録ダンサーへ移行するダンサー
<アーティスト>
(契約ダンサー)
杉山澄華(すぎやま・すみか)
柴田知世(しばた・ともよ)
2017/2018シーズンをもって登録を終了するダンサー
(登録ダンサー)
マイレン・トレウバエフ
江本 拓(えもと・たく)
原田有希(はらだ・ゆき)
新国立劇場公式サイトから引用
いかがでしょうか。
個人的には、ファースト・ソリストへの昇格者がいることを予想していたのですが、見事に外れました!(>_<)
昇格者
2018/2019シーズンの昇格者は、ソリストが1名、ファースト・アーティストが4名でした。
前シーズン(2017/2018シーズン)の主な配役をもとに活躍状況を振り返ってみたいと思います。
ソリスト
◆ 原 健太さん
- 『くるみ割り人形』:青年、騎兵隊長、花のワルツ
- 『ホフマン物語』:ホフマンの友人ルーサー
- 『白鳥の湖』:ナポリの踊り
- 『眠れる森の美女』:カヴァリエ、長靴を履いた猫、ゴールド
2017/2018シーズンでの配役を見ると、バレエ団の中核を担うダンサーとして活躍されたことが分かります。
派手で目立つタイプではありませんが、とても丁寧な踊りで安定感のあるダンサーではないでしょうか。
ソリストに昇格され、ますますの活躍が期待されます。
ファースト・アーティスト
◆宇賀大将さん
- 『白鳥の湖』:ハンガリーの踊り
- 『眠れる森の美女』:長靴を履いた猫
宇賀さんは、新国立劇場バレエ研修所の第6期生です。
今までは主だった役を踊ることが少なかったように感じますが、2017/2018シーズンのとくに後半から目立つ配役が増えだしてきたように思います。
『白鳥の湖』のハンガリーを踊られたときは、こうしてじっくり観る機会は今までなかったな、と思いながら拝見しましたが、踊りからはとても高貴な印象を受けました。
◆小野寺 雄さん
- 『シンデレラ』:義理の姉、ナポレオン
- 『ホフマン物語』:スパランザーニの召使い、ホフマンの友人ナサーニエル
- 『白鳥の湖』:道化、ナポリの踊り
- 『眠れる森の美女』:ゴールド
小野寺さんは、研修所第7期生です。
『白鳥』の道化などテクニックが求められる役と、『シンデレラ』の義理の姉、ナポレオン等、コミカルな演技力が求められる役への起用が定番化しているように思います。
◆髙橋一輝さん
- 『シンデレラ』:義理の姉、ナポレオン
- 『ホフマン物語』:スパランザーニの召使い
- 『眠れる森の美女』:親指トム
髙橋さんは、研修所第5期生です。
とても出番が多いような印象を持っていたので、ファーストアーティストへの昇格は遅かったように思います。
コミカルな演技力は非常に魅力的ですが、2017/2018シーズンは『眠る森の美女』でテクニシャンが配役される親指トムに起用され、これからも踊り・演技の幅が広がることが期待されます。
また、『DANCE to the Future』でも作品を発表されておられ、振付家としての活躍も期待されます。
一時お休みしていた『DANCE to the Future』ですが、2018/2019シーズンには復活し、『DANCE to the Future 2019』が上演されますので、髙橋さんも気合いが入っているのではないでしょうか。
◆浜崎恵二朗さん
- 『くるみ割り人形』:花のワルツ
- 『眠れる森の美女』:カヴァリエ、4人の王子(イタリア)
浜崎さんは高身長のダンサーということもあり、すぐに浜崎さんだと分かる存在感があります。
王子や王子の友人など高貴な配役が多く、『眠り』ではカヴァリエにも配役され、男性ダンサーの大きな見せ場で活躍されていました。
踊れる高身長ダンサーはとても貴重です。
昇格された皆様の今後のご活躍を期待しています。
退団者
マイレン・トレウバエフさん、江本 拓さん、原田有希さんの3名が退団されることも発表されました。
2002年にソリストとして入団されたマイレン・トレウバエフさん、2003年にソリストとして入団された江本 拓さんが新国立劇場バレエ団を去られます。
二人とも長年、新国立劇場バレエ団を支えてこられたダンサーで、新国ファンにとってはとても馴染みのあるダンサーでした。
登録ダンサーとして残られていましたが、完全に退団されることになり、お二人の雄姿を新国立劇場で拝見することができなくなります。
一つの時代が終わったように感じると言えば大げさかもしれませんが、非常に残念な発表です。
また、原田有希さんの退団も発表されました。
『DANCE to the Future 2016』では、原田さんが振り付けた『如月』という作品を発表されました。
自ら出演されたほか、五月女 遥さん、玉井るいさん、柴田知世さん、盆子原美奈さん、益田裕子さん、山田歌子さんといった、そうそうたるダンサーが原田さんの作品を踊られています。
新国では多くの男性ダンサーが振り付けにも才能を発揮されていますが、女性では稀有な存在でしたので、これからのご活躍を楽しみにしていたこともあり残念です。
新国立劇場バレエ団を去られる3名に感謝するとともに、これからのご活躍をお祈りしています。
柴田知世さんの近況
柴田知世さんは2018/2019シーズンより契約ダンサーから登録ダンサーへ移行します。
『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』と柴田さんをお見かけしなかったのでどうされたのかと思っておりました。
その理由が明らかになりました。
「おめでた」だそうです!( ´ ▽ ` )
柴田さんは新国立劇場バレエ研修所の第3期生ですが、同期の今村美由紀さんのブログで報告されていますので、公表しても良いのだと思います。
今村さんのブログ ⇒ Smile × Smile(2018年7月2日「仲間」)
ちなみに柴田さんの旦那様は、ファースト・アーティストに昇格が決まった宇賀大将さんです。
おめでた続きですね!