【TV】英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』高田茜&フェデリコ・ボネッリ主演(プレミアムシアター/2021年5月23日)

2021年5月23日(日)午後11時20分(23:20)からのNHK BS プレミアムシアターでは、英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』が放送されます。

プリンシパルの高田茜さんがオデット/オディールを演じ、同じくプリンシパルのフェデリコ・ボネッリさんがジークフリート王子を演じたリアム・スカーレット版です。

今回は、英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』について紹介します。

この記事では、マリインスキー劇場公演 歌劇『マゼッパ』については触れていません。

NHK BS プレミアムシアター
2021年5月23日(日)放送概要

■日程:2021年5月23日(日)午後11時20分~午前4時43分
■チャンネル:NHK BS プレミアム
■放送内容:
 ◇本日の番組紹介(23:20:00~23:23:30)
 ◇英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』(23:23:30~1:44:30)
 マリインスキー劇場公演 歌劇『マゼッパ』【再放送】(1:46:30~4:43:00)
■公式サイト:https://www4.nhk.or.jp/premium/

英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』

英国ロイヤル・バレエでは長らくアンソニー・ダウエル版の『白鳥の湖』が上演されてきましたが、2018年にはリアム・スカーレットによる新しいプロダクションが誕生しました。

リアム・スカーレットは、英国ロイヤル・バレエスクール在学中に、振付のケネス・マクミラン賞とアーシュラ・モートン賞を受賞し、ド・ヴァロワ財団振付家賞の最初の受賞者となるなど、若くして振り付けの才能を発揮しています。

英国ロイヤル・バレエに入団しダンサーとして活躍しますが、2012年には26歳の若さで英国ロイヤル・バレエのアーティスト・イン・レジデンスに就任した期待の若手振付家でした。

舞台美術・衣装を担当したジョン・マクファーレンは、1985年にピーター・ライト版『ジゼル』の舞台美術と衣装を手がけて以来、英国ロイヤル・オペラ・ハウスに素晴らしい作品を提供しているスコットランドのデザイナーで、スカーレットの作品では『アスフォデル・メドウ』『不安の時代』『フランケンシュタイン』などにおいてデザインを担当しています。

スカーレット版『白鳥の湖』は、マリウス・プティパ、レフ・イワノフの原振付やアンソニー・ダウエルの作品に敬意を払いながらも、おとぎ話の世界に真実味を持たせた描写が特徴的です。

王位継承や花嫁選びなどを憂うジークフリート王子の心情に深く迫る演出で、女王の側近として宮中に入り込んだロットバルトや王子に寄り添う友人ベンノらとの関係が、王子の苦悩をより一層際立たせ、ジョン・マクファーレンによる豪華で重厚な舞台美術や衣装が登場人物の心情をより豊かに表現しています。

今回プレミアム・シアターで放送される映像は、2020年スプリング・シーズンに高田茜さんとフェデリコ・ボネッリさんが主演した舞台をNHKが8K HDR/22.2サラウンドで収録した公演をハイビジョン/5.1サラウンドに変換して特別に放送されるものです。

英国を拠点に活動している高田茜さんの舞台を日本で見る機会は限られており、このように主演したステージを放送してくれることはとても有り難いですね。

リアム・スカーレットはこれからの活躍が期待されましたが、2021年4月に35歳で死去されました。

『白鳥の湖』の新演出が高い評価を得て、続く2019/20シーズンにも新作の上演が予定されていましたが、英国ロイヤル・バレエ・スクールの生徒に対するセクハラの疑惑が出て上演はキャンセルされ、契約も終了されていました。

セクハラの疑惑の真相は分からず、死因も公表されていませんが、英国ロイヤル・バレエの公式サイトではケヴィン・オヘア芸術監督による早すぎる死を悼むコメントが発表されています。

スタッフ・キャスト

原振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ
追加振付:フレデリック・アシュトン
改訂振付:リアム・スカーレット
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

オデット/オディール:高田 茜
ジークフリート王子:フェデリコ・ボネッリ
ロットバルト:トーマス・ホワイトヘッド
ベンノ:ジェームズ・ヘイ   ほか
英国ロイヤル・バレエ
英国ロイヤル・バレエ学校
管弦楽:英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセルス

収録:2020年3月6・10日 ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン)

(参考1)英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』のDVD&Blu-ray

今回のプレミアム・シアターを視聴した方の参考になりそうなDVD&Blu-rayとして、リアム・スカーレット版とそれ以前に上演されていたアンソニー・ダウエル版の『白鳥の湖』を紹介します。

また、今回放送された『白鳥の湖』でオデット/オディールを演じた高田 茜さんが主演している英国ロイヤル・バレエ『ドン・キホーテ』も紹介します。

スカーレット版『白鳥の湖』(ヌニェス&ムンタギロフ主演)

リアム・スカーレット版『白鳥の湖』で、マリアネラ・ヌニェスさんとワディム・ムンタギロフさんが主演した舞台を収録した映像です。
ジークフリート王子の妹として高田 茜さんとフランチェスカ・ヘイワードさんが出演し、ベンノ役のアレクサンダー・キャンベルさんとパ・ド・トロワを披露するなど贅沢なキャスティングです。

ダウエル版『白鳥の湖』(オシポワ&ゴールディング主演)

こちらは、スカーレット版以前に上演されていたアンソニー・ダウエル版です。
ナタリア・オシポワさんとマシュー・ゴールディングさんが主演し、2015年に収録された映像です。
デザインはヨランダ・ソンナベンドさんが手がけており、白鳥たちの衣装はチュチュではありません。

英国ロイヤル・バレエ『ドン・キホーテ』(高田茜&キャンベル主演)

高田茜さんとアレクサンダー・キャンベルさんが主演し2019年に収録された英国ロイヤル・バレエ『ドン・キホーテ』です。
また、金子扶生さんがドリアードの女王役で、崔由姫さんがキトリの友人役で出演しています。
高田茜さんのファンは絶対に見逃せない作品です!

(参考2)高田 茜さんの日本での出演情報

NBAバレエ団『ドラキュラ』
平野亮一 & 高田 茜 主演

『ドラキュラ』は、アイルランド人の小説家ブラム・ストーカー原作による『吸血鬼ドラキュラ』の出版100周年を記念して、1996年にノーザンバレエシアターの副芸術監督マイケル・ピンク(現ミルウォーキー・バレエ芸術監督)がバレエ化した作品です。
日本では、NBAバレエ団が2014年に初演し、芸術監督の久保紘一さんが第69回文化庁芸術祭舞踊部門新人賞を受賞しています。
英国を拠点に活動している高田茜さんが出演する舞台を日本で鑑賞する機会は多くありません。
この機会を是非お見逃しなく!

■日程(全4公演):
・2021年8月7日(土)14:00開演(平野亮一&高田 茜)
・2021年8月7日(土)18:00開演(未定)
・2021年8月8日(日)12:00開演(平野亮一&高田 茜)
・2021年8月8日(日)16:00開演(未定)
■会場:新国立劇場 中劇場(京王新線「初台駅」中央口直結)

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