英国ロイヤル・バレエのプリンシパル、アレクサンダー・キャンベルが引退し、2024年4月から英国のロンドンに本部を置く国際的なバレエ教育組織であるロイヤル・アカデミー・オブ・ダンス(RAD)のアーティスティック・ディレクターに就任します。
2024年3月8日、マノン役のフランチェスカ・ヘイワードを相手にデ・グリューを演じた英国ロイヤル・バレエ『マノン』が最後の舞台となりました。
アレクサンダー・キャンベル
Alexander Campbell
アレクサンダー・キャンベル(Alexander Campbell)は、オーストラリアのシドニーに生まれ、地元シドニーでバレエを始め、英国ロイヤル・バレエ・スクール留学を経て、2005年にバーミンガム・ロイヤル・バレエ入団しました。
2011年、英国ロイヤル・バレエにソリストとして入団し、2012年にファースト・ソリスト、2016年にプリンシパルに昇格しました。
アレクサンダー・キャンベルはRADとも関わりが深く、RADが実施しているバレエ検定試験の Advanced 2 まで終了し、2003年にはRADが主催するアデリン・ジェニー国際バレエコンクールで銀メダルを獲得しています。
なお、アデリーン・ジェニー国際バレエコンクールの名称は現在、伝説のバレリーナでありRADの総裁を務めたこともあるマーゴ・フォンテインの名を冠してマーゴ・フォンテイン国際バレエコンクール(The Margot Fonteyn International Ballet Competition)と改称されています。
ちなみに、2004年のアデリン・ジェニー国際バレエコンクールで金メダルを獲得したのは、新国立劇場バレエ団プリンシパルの小野絢子さんです。
ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンス
Royal Academy of Dance(RAD)
ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンスは、1920年に英国のロンドンで設立された世界で最も影響力のあるダンス教育組織の一つで、36の海外支部のネットワークにより85カ国に展開されています。
RADの理念・評価基準に基づいた段階別バレエ検定試験が実施されており、例年、約250,000人の生徒が試験を受けています。
プレジデントは元英国ロイヤル・バレエのプリンシパル、ダーシー・バッセルが務め、ヴァイス・プレジデントには、デヴィッド・ビントレー、モニカ・メイスン、デヴィッド・マカリスター、ウェイン・スリープ、ピーター・ライトらが名を連ねています。
日本には海外支部の一つとしてRADジャパンが設置され、小林紀子バレエ・シアターを主宰する小林紀子さんが代表を務めています。
(参考)英国ロイヤル・バレエ『マノン』(英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24)
2024年4月5日(金)から公開される「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24」の英国ロイヤル・バレエ『マノン』では、アレクサンダー・キャンベルが主演ではありませんが、主要な役のレスコー役で出演しています。