2018年12月24日(月)【12月23日(日)深夜】放送の「NHK BSプレミアムシアター」では、チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』を放送します。
チューリヒ・バレエ芸術監督のクリスティアン・シュプック振付により2017年10月に初演されたばかりの作品がはやくもプレミアムシアターに登場します。
チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』(プレミアムシアター)放送概要
プレミアムシアター放送概要
■日程 2018年12月24日(月)【12月23日(日)深夜】午前0時00分~
■チャンネル NHK BS プレミアム
■番組内容
◇本日の番組紹介(0:00:00~0:03:00)
◇チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』(0:03:00~1:56:00)
◇『クリスマス・ソング 知られざる物語』(2017年 カナダ)(1:57:00~2:49:30)
◇映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズ名曲コンサート(2:50:30~4:25:00)
チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』(プレミアムシアター)放送概要
チューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』(全2幕)
■振付:クリスティアン・シュプック
■作曲:チャイコフスキー
■出演
ドロッセルマイヤー:ドミニク・スロウコフスキー
マリー:ミシェル・ウィレンス
くるみ割り人形/王子/ドロッセルマイヤーのおい:ウィリアム・ムーア
ピルリパート姫:ジュリア・トネッリ
■合唱:チューリヒ歌劇場女声合唱団/チューリヒ歌劇場児童合唱団
■管弦楽:フィルハーモニア・チューリヒ
■指揮:ポール・コネリー
■収録:2018年4月13・15日 チューリヒ歌劇場(スイス)
チューリッヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』について
クリスティアン・シュプック版『くるみ割り人形とねずみの王様』
プレミアムシアターで放送されるチューリヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』は、同カンパニー芸術監督のクリスティアン・シュプックが振り付け、2017年10月に初演されました。
日本においてはチューリヒ・バレエに関する情報が乏しく詳しいことは分かりませんが、タイトルに「ねずみの王様」をあえて入れていることを考えると「ねずみの王様」に特別な役割を与えているのかもしれません。
ご存知のとおり、バレエ『くるみ割り人形』はE.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様(原題(独語):Nußknacker und Mausekönig)』が元になっています。
一般的に知られているバレエの演目名からは「ねずみの王様」が省かれてしまったわけですが、チューリヒ・バレエのクリスティアン・シュプックは、これを原題に戻したわけですね。
同様の動きはクリスティアン・シュプック以外にも見られます。ウエイン・イーグリングが同じく原題に戻しています。
奇しくも新国立劇場バレエ団は、チューリッヒ・バレエと同じ2017年に『くるみ割り人形』を新制作し、ウエイン・イーグリングが振り付け、「ねずみの王様」は従来よりも存在感のあるキャラクターに仕立てています。
新国立劇場バレエ団の『くるみ割り人形』は日本語表記こそ「ねずみの王様」が入っていませんが、日本語タイトルに併記してある英語表記では『THE NUTCRACKER AND THE MOUSE KING』となっています。
クリスティアン・シュプックが「ねずみの王様」をタイトルに復活させた意図についても注目して放送を観たいですね。
また、男性主役ダンサーが「くるみ割り人形、王子、ドロッセルマイヤーのおい」の三役を一人で演じることもウエイン・イーグリング版と共通します。
肝心の踊りですが、チューリヒ・バレエがコンテンポラリーやネオ・クラシックを得意としていることからも想像できるように、予告編映像ではコンテンポラリー的な動きが見受けられました。
また、マリー役らしき女性ダンサーがお転婆な動きをしていることから、マリーの扱い方も大きく異なるのかもしれません。
我々が知る一般的な『くるみ割り人形』とは異なる印象になっていることは確かなようです!
Trailer – Nussknacker und Mausekönig – Ballett Zürich
(YouTube / Opernhaus Zürich 公式チャンネル)
なお、2017年初演時のデジタルプログラムが公開されています。
ドイツ語ですが…(^o^;)
”Nussknacker und Mausekönig”
Programmbuch 2017/18 Published on Oct 14, 2017(Opernhaus Zürich)
チューリッヒ・バレエについて
チューリッヒ・バレエについて
チューリッヒ・バレエは、1996年から2012年の期間、スイス人の元ダンサー、コレオグラファーであるHeinz Spoerliが芸術監督に就任し、欧州でも有数のカンパニーに育て上げました。
2012/13シーズンからは、芸術監督の後任としてドイツ人振付家のクリスティアン・シュプック(Christian Spuck)が就任しています。
また、チューリッヒ・バレエは次のような世界的に著名な振付家が多数存在します。(常任振付家なのかは不明)
Patrice Bart
Marco Goecke(マルコ・ゲッケ)
Jiří Kylián(イリ・キリアン)
Sol León/Paul Lightfoot
Goyo Montero
Crystal Pite(クリスタル・パイト)
Filipe Portugal
Christian Spuck(クリスティアン・シュプック)
Louis Stiens
芸術監督・振付家 クリスティアン・シュプックについて
チューリッヒ・バレエ芸術監督・振付家クリスティアン・シュプックは、ジョン・クランコ・スクール卒業後、シュツットガルト・バレエなどでダンサー、コレオグラファーとしてキャリアを積み、2012/13シーズンから現職に就任しています。
チューリッヒ・バレエには、『ロメオとジュリエット』『くるみ割り人形とねずみの王様』『Winterreise』などを振り付けています。
チューリッヒ・バレエと日本人ダンサー
現在(2018/19シーズン)、チューリッヒ・バレエには日本人ダンサーとして前田明里(まえだ・めいり)さんが所属しています。
前田さんは、Nobuko Okamoto Ballet Academy(大阪府茨木市)出身で、キーロフ・アカデミー・オブ・バレエ(米国ワシントンDC)、モナコ・プリンセスグレース・アカデミーへの留学を経て、2016/17シーズンからチューリヒ・バレエに入団しました。
前田さんの階級はドイツ語で「Gruppe mit Solo」です。
英語に直訳すれば「Group with solo」ですが、どのような階級なのか分かりません。(^o^;)
なお、2018年12月から2019年1月に本拠地チューリヒで上演される『くるみ割り人形とねずみの王様』で、前田さんはマリー役にキャスティングされています。
また、ファッショニスタとしても注目される米国ヒューストン・バレエの飯島望未さんも、コンテンポラリーダンスやネオクラシックに活動の場を求めて、2016年秋から、一時期チューリッヒ・バレエに在籍したことがありますね。
しかし、カンパニーのスタイルに合わなかったようで、現在は古巣であるヒューストン・バレエに戻り、飯島さんらしさを取り戻して(?)活躍されているようです。
最後に
今回は、2018年12月にプレミアムシアターで放送されるチューリッヒ・バレエ『くるみ割り人形とねずみの王様』を紹介してきました。
日本では、チューリッヒ・バレエに関する情報が限定的ですが、調べてみると興味が湧いてきませんか?
名門ジョン・クランコ・スクールで学びシュツットガルト・バレエなどで活躍したチューリッヒ・バレエ芸術監督・振付家クリスティアン・シュプック振付による『くるみ割り人形とねずみの王様』がどのような舞台なのか、とても楽しみですね。
タイトルに「ねずみの王様」を入れた意図にも注意して鑑賞してみたいと思います。
また、放送される舞台は2018年4月収録ですので、前田明里さんは入団2シーズンめに当たり、この舞台にも出演しているかもしれません。
前田さんの活躍にも注目です。
【2018/12/20追記】 前田さんはマリーの友人役などで出演されているそうです! |
放送は、2018年12月24日(月)【12月23日(日)深夜】午前0時00分からですので、お間違いのないようにご注意ください!