2018年9月16日(日)、17日(月・祝)の二日間、新国立劇場オペラ研修所は「オペラ研修所開所20周年」を記念した若手オペラ歌手によるガラコンサートを開催しました。
このうち、9月16日の公演を鑑賞させていただく機会を得ました。
バレエとは関係ありませんが、「バレエ村住民の異文化見聞録(´▽`)」として会場の様子や感想を交えて記録したいと思います。
世界若手オペラ歌手ガラコンサート『LE PROMESSE レ・プロメッセ2018』の感想
世界若手オペラ歌手ガラコンサート『LE PROMESSE レ・プロメッセ2018』とは
「LE PROMESSE(レ・プロメッセ)」とは、イタリア語で「約束された者たち」のことを意味する言葉です。
新国立劇場オペラ研修所研修生、国内外で活躍する修了生4名、ミラノ・スカラ座アカデミー、ミュンヘン・バイエルン州立歌劇場付属オペラ研修所、ロンドン・ジェッテパーカーヤングアーティストプログラムから6名の研修生を招待し、世界の若手オペラ歌手によるガラコンサートが開催されました。
新国立劇場オペラ研修所の20周年を記念する公演でもあります!
「LE PROMESSE(レ・プロメッセ)」については知識を持ち合わせておらず、私にとってなじみ深い新国立劇場バレエ研修所と比較して考えてみると、バレエ研修所「バレエ・アステラス」のような位置づけなのではないかと感じました。
「バレエ・アステラス」は海外で活躍する日本人ダンサーを迎えて開催する公演ですが、パートナーが外国人ダンサーであることがほとんどですので国際色豊かですし、また、海外のバレエ・スクールも招聘します。
出演対象者は異なりますが、グローバルな交流の機会となり、また、新国立劇場の研修生のモチベーションアップには非常に有効であろうことは共通するものだと思います。
そのような理由から「バレエ・アステラス」との相似性を感じました。
全日本空輸株式会社様のご支援により、新国立劇場バレエ研修所では今年から「ANAスカラシップ」が創設されましたが、オペラ研修所では一足早く2016年に創設されています。
今回の『LE PROMESSEレ・プロメッセ2018』も全日本空輸株式会社様が協賛されています。
芸術に対する国の支援が細るなか、このような民間企業による支援は非常に心強く感じます。
舞台芸術を愛する者として、全日本空輸株式会社様に感謝いたします。(´▽`)
世界若手オペラ歌手ガラコンサート『LE PROMESSE レ・プロメッセ2018』の感想
さて、肝心の公演の感想です。
今回の公演は、ガラ公演ということでオーケストラピットは使用せず、その分まで舞台を拡張し、オーケストラも舞台上で演奏する形式でした。
オーケストラの奥には合唱団用のひな壇が用意されています。
舞台の両袖と通常のオケピと客席の境界線にも花が飾られ華やかに彩られていました。
開幕を華やかに飾ったのは(幕は最初から開いていましたが〈笑〉)、R.ワーグナー『タンホイザー』より合唱「この聖なる殿堂には」でした。
新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇合唱部、現役研修生の総勢約40名が出演する迫力のある幕開きでした!
歌手ごとに拍手や声援など、観客の反応には違いがありましたが、その違いが何なのか、正直、門外漢の私には全く分かりませんでした。
このように各オペラ歌手、個別のプログラムについて全くコメントできないくらいオペラのど素人ですが、それでも見分を広める良い機会となりました。
オーケストラが舞台上で演奏する状況のため、どの楽器がどの音を奏でているのか、確認することができました。
音楽について疎い私にとって、これはとても良い機会だと思います。
バレエ鑑賞時に感じる出演者ごとの体型の相違についても全く異なる印象でした。
普段、圧倒的に鑑賞する機会の多いバレエ鑑賞では、舞台上の出演者は踊るために作り上げられた、一見ほっそりとした身体を持っています。
しかし、今回の公演で舞台上に出演しているオペラ歌手の方々はほとんどの方がとてもふくよかです。
この体型の違いには、全く異なる生物ではないか、と思うほどの強烈なインパクトがありました!( ゚Д゚)
求められるスキルの違いにより、表現するために必要とされる道具(ここでは身体)も異なるんですね!
当たり前のことなのでしょうが、あらためて思い知りました。
なんてことを感じながらプログラムを見ていると、興味深い事実を発見しました!( ゚Д゚)
それは、なんと、オペラ研修所の研修内容にも「クラシカル・バレエ」が含まれていることです!!!
あの体重でバレエのレッスンを受けたら危険ですらないのか?!
そこは講師が配慮して安全にレッスンを受けられるようにするのでしょうが、この事実にも驚きを隠せませんでした。
今回はガラ公演でしたので、舞台上ではあまり大きな身振りはしませんが、よくよく考えてみれば、オペラの舞台でも踊ったり演技をしたりする訳ですから、バレエの基礎を習得する必要もありますね。
ちなみにクラシカル・バレエの講師は、新国立劇場バレエ団の登録ファースト・ソリストであり、バレエ研修所の講師でもある西川貴子さんと元新国立劇場バレエ団ファースト・ソリストの西山裕子さんです。
オペラについては何も分からず、出演者の皆さまにも申し訳ない気持ちですが、これからも機会を作り理解を深める努力をしたいと思います。
世界若手オペラ歌手ガラコンサート『LE PROMESSE レ・プロメッセ2018』公演概要
世界若手オペラ歌手ガラコンサート『LE PROMESSE レ・プロメッセ2018』
【日時】
2018年9月16日(日)17:00開演
2018年9月17日(月・祝)14:00開演
【会場】 新国立劇場 オペラパレス
【上演時間】 約2時間30分(休憩含む)
【指揮】 ダグラス・ボストック(飯守泰次郎さんは健康上の理由により降板されました)
【管弦楽】 藝大フィルハーモニア管弦楽団
【合唱】 新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部
新国立劇場 オペラ 今後の上演予定
新国立劇場オペラ研修所
【内容】新国立劇場オペラエ研修所 修了公演
【日時】 2019年3月8日(金)、9日(土)、10日(日)(時間未定)
【演目】 W.A.モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』
文化庁委託事業『平成30年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業』
新国立劇場オペラ
新国立劇場オペラの2018/2019シーズンは、10月3日(水)にモーツァルト『魔笛』(新制作)で開幕します。
新国立劇場オペラ 2018/2019シーズンラインアップ
魔笛(新制作) 2018年10月3日(水)~10月14日(日)
カルメン 2018年11月23日(金・祝)~12月4日(火)
ファルスタッフ 2018年12月6日(木)~12月15日(土)
タンホイザー 2019年1月27日(日)~2月9日(土)
紫苑物語(新制作) 2019年2月17日(日)~2月24日(日)
ウェルテル 2019年3月19日(火)~3月26日(火)
フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ(新制作) 2019年4月7日(日)~4月17日(水)
ドン・ジョヴァンニ 2019年5月17日(金)~5月26日(日)
蝶々夫人 2019年6月1日(土)~6月9日(日)
トゥーランドット(新制作) 2019年7月18日(木)~7月22日(月)