新国立劇場 オペラ『エウゲニ・オネーギン』で2019/2020シーズン開幕/10月1日(火)から

大野和士オペラ芸術監督の2年目となる「新国立劇場 オペラ 2019/2020シーズン」が、ロシア・オペラ チャイコフスキーの名作『エウゲニ・オネーギン』(新制作)で10月1日(火)に開幕します。

大野和士芸術監督が掲げる2019/2020シーズンの三本の柱の一つであるロシア・オペラを新国立劇場の定番にするための第1作として、ロシアが世界に誇るピョートル・チャイコフスキーの名作『エウゲニ・オネーギン』を上演します。

新国立劇場 オペラ
ピョートル・チャイコフスキー『エウゲニ・オネーギン』(新制作)

新国立劇場 オペラ 2019/2020シーズン 開幕

大野和士さんが新国立劇場オペラの芸術監督に就任し、新国立劇場プログラムの充実を図るために諸施策を進めています。
2019/2020シーズンは、バロック・オペラ、ロシア・オペラ、そしてベルカントという3本の柱を掲げていますが、シーズン開幕をかざるのはロシア・オペラを定番にするための第1作としてチャイコフスキーの名作『エウゲニ・オネーギン』を
モスクワ・ヘリコン・オペラの総支配人ドミトリー・ベルトマン演出による新制作で上演します。

舞台稽古見学会/9月29日(日)

開幕を目前に控えた9月29日(日)には舞台稽古見学会が開催され、順調な仕上がりぶりを披露しました。
斬新な手法で新風を吹かせるドミトリー・ベルトマンによる演出とのことでしたが、奇をてらわず、上品な印象を持ちました。
ドミトリー・ベルトマンは『エウゲニ・オネーギン』を7回演出したことがあるそうですが、ストックホルムでは舞台設定をイケアにしたこともあったと知り、少し身構えてしまいましたが杞憂に終わりました。
ステージセット、背景の描写が非常に美しかったことが印象的です。
素晴らしい出演者が揃い、なかでもタチヤーナ役のエフゲニア・ムラーヴェワの歌声とグレーミン公爵役のアレクセイ・ティホミーロフの存在感は圧巻でした!

ピョートル・チャイコフスキー『エウゲニ・オネーギン』(新制作) 公演概要

■日程:2019年
10月1日(火)18:30
10月3日(木)14:00
10月6日(日)14:00(バックステージツアー実施日)
10月9日(水)18:30
10月12日(土)14:00
■上演時間:約3時間(休憩含む)
■会場:新国立劇場 オペラパレス(京王新線・都営新宿線「初台駅」中央口〈新国立劇場口〉直結)

■スタッフ:
指揮:アンドリー・ユルケヴィチ Andriy YURKEVYCH
演出:ドミトリー・ベルトマン Dmitry BERTMAN

美術:イゴール・ネジニー Igor NEZHNY
衣裳:タチアーナ・トゥルビエワ Tatiana TULUBIEVA
照明:デニス・エニュコフ Denis ENYUKOV
振付:エドワルド・スミルノフ Edvald SMIRNOV
演出助手:ガリーナ・ティマコーワ Galina TIMAKOVA
舞台監督:髙橋尚史 TAKAHASHI Naohito

■キャスト:
タチヤーナ Tatyana:エフゲニア・ムラーヴェワ Evgenia MURAVEVA
オネーギン Eugene (Yevgeny) Onegin:ワシリー・ラデューク Vasily LADYUK

レンスキー Vladimir Lensky:パーヴェル・コルガーティン Pavel KOLGATIN
オリガ Olga:鳥木弥生 TORIKI Yayoi
グレーミン公爵 Prince Gremin:アレクセイ・ティホミーロフ Alexey TIKHOMIROV
ラーリナ Madama Larina:森山京子 MORIYAMA Kyoko
フィリッピエヴナ Filipyevna:竹本節子 TAKEMOTO Setsuko
ザレツキー Zaretsky:成田博之 NARITA Hiroyuki
トリケ Monsieur Triquet:升島唯博 MASUJIMA Tadahiro
隊長 A Captain:細岡雅哉 HOSOOKA Masaya
合唱指揮:三澤洋史 MISAWA Hirofumi
合唱:新国立劇場合唱団 New National Theatre Chorus
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra

■芸術監督:大野和士 ONO Kazushi

■公式サイト:新国立劇場 オペラ『エウゲニ・オネーギン』

オペラ『エウゲニ・オネーギン』リハーサル映像

オペラ『エウゲニ・オネーギン』リハーサル映像

(YouTube / 新国立劇場 New National Theatre Tokyo 公式チャンネル)

オペラ『エウゲニ・オネーギン』とバレエ『オネーギン』について

『オネーギン』といえば、バレエファンにとってはジョン・クランコ振付の『オネーギン』がドラマティック・バレエの大傑作としてなじみがあります。
オペラ『エウゲニ・オネーギン』とバレエ『オネーギン』は、同じロシアの国民的詩人アレクサンドル・プーシキンの韻文小説を原作としている点、チャイコフスキーの音楽を使用している点において非常に近い関係にある作品ですが、その中身は大きく異ことなりなります。

オペラ『エウゲニ・オネーギン』は、チャイコフスキー自らも台本に関わり、音楽はこの作品のために作曲しています。
それに対して、バレエ『オネーギン』は、ジョン・クランコによる台本・振付であり、音楽はオペラ『エウゲニ・オネーギン』からは使用せず、チャイコフスキーの楽曲の中からクルト=ハインツ・シュトルツェが編曲していることが特筆されます。

同じ原作を基にしたオペラ作品とバレエ作品ですが、かなり印象の異なる作品になっているのではないでしょうか。
オペラファンにもバレエファンにも両作品に触れ、見比べていただきたいと思います。

バレエ『オネーギン』は本家シュツットガルト・バレエ団が2018年に日本公演で上演したばかりです。
『オネーギン』をレパートリーに持つバレエ団はあまり多くはなく、次の上演機会は2020年2月のパリ・オペラ座バレエ団による日本公演です。
シュツットガルト・バレエ団の『オネーギン』はBlu-rayも発売されていますので、是非ご覧ください。
DVDはないようです(>_<)

『オネーギン』 ~シュツットガルト・バレエ団2018年日本公演

『オネーギン』 ~シュツットガルト・バレエ団2018年日本公演

(YouTube / NBS/日本舞台芸術振興会 公式チャンネル)

【参考】新国立劇場 オペラ 2019/2020シーズン ラインアップ

■エウゲニ・オネーギン(新制作)/ピョートル・チャイコフスキー
Eugene Onegin / Pyotr TCHAIKOVSKY
全3幕(ロシア語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約3時間(休憩含む)
2019年10月1日(火)、3日(木)、6日(日)、9日(水)、12日(土)

■ドン・パスクワーレ(新制作)/ガエターノ・ドニゼッティ
Don Pasquale/ Gaetano DONIZETTI
全3幕(イタリア語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約2時間25分(休憩含む)
2019年11月9日(土)、11日(月)、13日(水)、16日(土)、17日(日)

■椿姫/ジュゼッペ・ヴェルディ
La Traviata / Giuseppe VERDI
全3幕(イタリア語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約2時間40分(休憩含む)
2019年11月28日(木)、12月1日(日)、3日(火)、5日(木)、7日(土)

■ラ・ボエーム/ジャコモ・プッチーニ
La Bohème / Giacomo PUCCINI
全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
上演時間:約2時間50分(休憩含む)
2020年1月24日(金)、26日(日)、28日(火)、31日(金)、2月2日(日)

■セビリアの理髪師/ジョアキーノ・ロッシーニ
Il Barbiere di Siviglia / Gioachino ROSSINI
全2幕(イタリア語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約3時間10分(休憩含む)
2020年2月6日(木)、8日(土)、11日(火・祝)、14日(金)、16日(日)

■コジ・ファン・トゥッテ/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Così fan tutte / Wolfgang Amadeus MOZART
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
上演時間:約3時間25分(休憩含む)
2020年3月18日(水)、20日(金・祝)、22日(日)、24日(火)

■ジュリオ・チェーザレ(新制作)/ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
Giulio Cesare / Georg Friedrich HÄNDEL
全3幕(イタリア語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約4時間15分(休憩含む)
2020年4月7日(火)、11日(土)、12日(日)

■ホフマン物語/ジャック・オッフェンバック
Les Contes d’Hoffmann / Jacques OFFENBACH
全5幕(フランス語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約3時間40分(休憩含む)
2020年4月19日(日)、21日(火)、23日(木)、25日(土)

■サロメ/リヒャルト・シュトラウス
Salome/Richard STRAUSS
全1幕(ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約1時間40分(休憩なし)
2020年5月17日(日)、20日(水)、5月23日(土)、26日(火)

【オペラ夏の祭典 2019-20 Japan↔Tokyo↔World】
東京文化会館と新国立劇場が、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に合わせて日本を代表する各地の劇場と連携して2年に渡り展開する国際的なオペラプロジェクトです。
2019年は「トゥーランドット」(プッチーニ)、2020年は「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ワーグナー)を上演します。

■トゥーランドット/ジャコモ・プッチーニ ※フランコ・アルファーノ補筆
Turandot / Giacomo PUCCINI
全3幕(イタリア語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約2時間55分
2019年7月18日(木)、20日(土)、21日(日)、22日(月)

■ニュルンベルクのマイスタージンガー(新制作)/リヒャルト・ワーグナー
Die Meistersinger von Nürnberg / Richard WAGNER
全3幕(ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付)
上演時間:約5時間50分(休憩含む)
2020年6月21日(日)、24日(水)、27日(土)、30日(火)