【鑑賞レポ】「エトワールへの道程2021 新国立劇場バレエ研修所の成果」(2021年3月)

「エトワールへの道程(みち)2021 新国立劇場バレエ研修所の成果」が、2021年3月20日(土・祝)・21日(日)に新国立劇場 中劇場にて上演されました。

新国立劇場バレエ研修所が春に開催する定期公演で、第16期生の7名にとってはこの公演が修了公演となり、研修所での成果を披露する機会です。

今回は、21日(日)の公演を鑑賞した感想を交えてレポートします。

「エトワールへの道程2021 新国立劇場バレエ研修所の成果」

新国立劇場バレエ研修所は、国内唯一の劇場付属バレエ研修機関として、プロフェッショナルのバレエダンサーを目指す若いダンサーの育成を行なっています。

例年、3月に上演される「エトワールへの道程 新国立劇場バレエ研修所の成果」は、最上級生にとり研修生として最後の公演、修了公演です。

昨年、2020年3月に上演が予定されていた「エトワールへの道程2020」は、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となってしまい、修了公演となるはずであった第15期生はとくに悔しい思いをしたことと思います。

そういった経緯もあり今年の公演開催も危惧されていましたが、席数こそ制限されてはいたものの無事に上演されました。

研修所からは、第16期生、第17期生、予科生が出演し、ゲストには第11期修了で牧阿佐美バレヱ団に所属している阿部裕恵さんなどの新国立劇場バレエ研修所修了生を含むプロのバレエダンサーも出演し、華やかな舞台となりました。

研修所の所長である牧 阿佐美先生が振り付け、代々の研修生が踊ってきた『ワルツ』で幕が開き、コロンビーヌとアルカンとのコミカルな演技が魅力の『ハルレキナーダ』より パ・ド・ドゥ、女性2人が真珠に扮し男性が海の役を踊るパ・ド・トロワの『海と真珠』は研修生のみで踊られ、有名な『海賊』第2幕より パ・ド・ドゥを狩俣瑠風さんと新国立劇場バレエ団の趙 載範さんが踊りました。

演目の間には、研修の様子をまとめた映像上映されました。

全日本空輸株式会社(ANA)の支援による「ANAスカラシップ」は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったそうです。

例年は、最上級生にはロシアのワガノワ・バレエ・アカデミーで研修を受ける機会が用意されていましたが、第16期生は貴重な機会を逃し、残念でした。

研修所ではバレエの実技以外にもさまざまな研修が行われていることも紹介されましたが、福田一雄先生による「バレエと音楽」の研修風景が印象に残りました。

休憩前には、プティパが『眠れる森の美女』の前年に振り付けたという『タリスマン』を第11期修了生で牧阿佐美バレヱ団の阿部裕恵さんと研修生の石山 蓮さんの他、第17期生・予科生が抜粋で踊りました。

第2部では、『ライモンダ』第3幕より グラン・パ・クラシックを上演し、ライモンダを服部由依さんが、ジャン・ド・ブリエンヌを石田亮一さんが踊りました。

なお、前日の20日(土)はライモンダを吉田朱里さんが踊り、ジャン・ド・ブリエンヌを中島瑞生さんが踊っています。

公演の最後には、今春、研修所を修了する第16期生からの挨拶がありました。

今回の公演で「『海賊』第2幕より パ・ド・ドゥ」などを踊られた狩俣瑠風さんは、なんと、研修所に入るまでパ・ド・ドゥを踊ったことがなかったそうです。

そんなことを微塵も感じさせないほどの成長した姿を披露されて嬉しく思いました。

21日(日)の公演でライモンダを演じた服部由依さんは、新国立劇場バレエ団 オフィシャル DVD BOOKSの『ライモンダ』を見て新国立劇場バレエ研修所への入所を志したそうです。

「『ハルレキナーダ』より パ・ド・ドゥ」を演じた加藤里佳さんも小学生の頃に鑑賞した研修所公演の先輩方の輝く姿を見て憧れたそうです。

第16期生の7人は国内最高峰のバレエ研修期間で充実した時間を過ごし、新国立劇場バレエ研修所から巣立っていきます。

これからのバレエ人生においてはいろいろな出来事が起こるかと思いますが、研修所で学んだ誇りを胸にそれぞれの道を切り開いて欲しいと思います。

公演記録

文化庁委託事業「令和2年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
「エトワールへの道程2021 新国立劇場バレエ研修所の成果」

■日程:
 2021年3月20日(土・祝)・3月21日(日)15:00開演(両日)
■上演時間:約2時間(休憩1回含)
■会場:新国立劇場 中劇場

プログラム・出演
【第1部】
『ワルツ』
 研修生・予科生
『ハルレキナーダ』より パ・ド・ドゥ
 加藤里佳、小野寺 雄
『海と真珠』
【20日】安達美苑、根本真菜美、青木恵吾
【21日】福田天音、山本菜月、土屋文太
『海賊』第2幕より パ・ド・ドゥ
 狩俣瑠風、趙 載範
<映像 ~研修所の日々~>
『タリスマン』より
 阿部裕恵、石山 蓮 他、第17期生・予科生
【第2部】
『ライモンダ』第3幕より グラン・パ・クラシック
 ライモンダ:吉田朱里(20日)、服部由依(21日)
 ジャン・ド・ブリエンヌ:中島瑞生(20日)、石田亮一(21日)
 グラン・パ・クラシック: 加藤里佳、狩俣瑠風、青山悠希、安達美苑、菅沼咲希、根本真菜美
 石田亮一(20日)、中島瑞生(21日)、近藤悠歩、仲村 啓
 青木恵吾、石山 蓮、土屋文太
 ヴァリエーション: 吉田朱里(21日)、菅沼咲希(20日)
 パ・ド・カトル: 青木恵吾、石山 蓮、土屋文太、髙橋隼世(21日)、竹花治樹(20日)
 パ・ド・トロワ: 加藤里佳(21日)、服部由依(20日)、青山悠希
 (縄田花怜さんは体調不良により休演)

新国立劇場バレエ研修所 今後の予定

「バレエ・アステラス2021 〜海外で活躍する日本人ダンサーを迎えて〜」

■日程:2021年8月28日(土)・8月29日(日)14:00開演予定(両日)
■会場:新国立劇場 オペラパレス

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「バレエ・オータムコンサート2021」

■日程:2021年10月16日(土)・10月117日(日)
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「エトワールへの道程2022 新国立劇場バレエ研修所の成果」

■日程:2022年3月5日(土)・3月6日(日)
■会場:新国立劇場 中劇場

新国立劇場バレエ研修所
研修生・予科生の募集

日本で唯一の国立の劇場付属バレエ研修機関である新国立劇場バレエ研修所は、例年、9月頃に募集概要が告知され、10⽉初旬から願書の受付が始まります。

対象となる年齢は研修生と予科性とにより異なり、入所時点で、研修生が17歳以上19歳以下、予科性は15歳または16歳です。(例年の実績)

若い年齢から入所可能で、また、提携している通信制高校があり、バレエの研修のみならず、学業との両立も可能です。

実際に研修所に通いながら通信制高校を卒業し、プロのバレエダンサーになった先輩方も少なくありません。

今回の公演を鑑賞して舞台上で輝く研修生・予科生の姿に憧れた方も少なくないのではないかと思います。

進路の選択肢に一つとして考え、ご家族やバレエ教室の先生方などともよく相談してみてはいかがでしょうか。

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