2023年3月19日(日)の午後11時20分から放送されるNHK BS プレミアムシアターでは、ビゴンゼッティがカフカの同名小説を基に振り付けたチェコ国立バレエ カフカ『審判』、古代ローマの圧政に立ち向かった奴隷反乱を描いたオーストラリア・バレエ『スパルタクス』、クリスタル・パイトが共同体における確執と絆を描いたというパリ・オペラ座バレエ『ボディ・アンド・ソウル』の3作品を放送します。
プレミアムシアター
2023年3月19日(日)の放送内容
■日程:2023年3月19日(日)午後11時20分~20日(月)午前4時13分
◇本日の番組紹介(午後11時20分~11時23分30秒)
◇チェコ国立バレエ カフカ『審判』(午後11時23分30秒~午前0時51分)
◇オーストラリア・バレエ『スパルタクス』【再放送】(午前0時53分~2時48分30秒)
◇パリ・オペラ座バレエ『ボディ・アンド・ソウル』【再放送】(午前2時50分~4時13分)
チェコ国立バレエ カフカ『審判』
バレエ「カフカ『審判』」は、チェコ出身で実存主義文学の先駆者、不条理文学の小説家等と評されるフランツ・カフカの小説を基にイタリア出身の著名な振付家マウロ・ビゴンゼッティが振り付け、2019年6月にチェコ国立バレエが初演した作品です。
主人公ヨーゼフ・Kが、30歳の誕生日の朝に目を覚ますと、ベッドの傍らにいた警察官に理解できない理由で逮捕され、状況が理解できないまま「審判(裁判)」に引きずり込まれる不条理を描いています。
目覚めると巨大な虫になっていた主人公を描いたカフカの代表作『変身』にも通じますが、こういった「不条理」というものをバレエでいかに表現するのか、マウロ・ビゴンゼッティの手腕に注目です。
マウロ・ビゴンゼッティといえば、ローザンヌ国際バレエコンクールにおけるコンテンポラリーのバリエーションの’Rossini Cards’や’Furia Corporis’を通して知っている方も多いかと思います。
ミラノスカラ座バレエやシュツットガルト・バレエ、イングリッシュ・ナショナル・バレエ、ニューヨーク・シティ・バレエなどに作品を提供し、世界的に活躍している振付家の割には日本で見る機会が少ないので、この機会にぜひ楽しんでいただきたいと思います。
【関連動画】Kafka: Proces Baletu Národního divadla – trailer(YouTube「Balet Národního divadla / Czech National Ballet」チャンネル)
チェコ国立バレエ Czech National Ballet カフカ『審判』 Kafka: The Trial |
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■原作:フランツ・カフカ ■振付:マウロ・ビゴンゼッティ ■音楽: アントニオ・ブロンチーニ ディートリヒ・ブクステフーデ ヘンリク・グレツキ カルロ・ジェズアルド タールキニオ・メールラ クラウディオ・モンテヴェルディ モデスト・ムソルグスキー ■出演:チェコ国立バレエ ■収録:2022年2月26日 エステート劇場(チェコ・プラハ) |
オーストラリア・バレエ『スパルタクス』
バレエ『スパルタクス』は、古代ローマの圧政に立ち向かった奴隷反乱の史実をもとに旧ソビエト連邦の作曲家・指揮者アラム・ハチャトゥリヤンの音楽に振り付けられた作品で、ヤコブソン版やコフトゥン版、グリゴローヴィチ版などがあります。
今回放送されるのは、元オーストラリア・バレエのダンサーで、世界的な演劇人養成の専門機関であるオーストラリア国立演劇学院(NIDA)で学んだルーカス・ジャーヴィスが、プリンシパルのケヴィン・ジャクソンをイメージして振り付け、2018年に世界初演された作品です。
スパルタクスを演じる鍛え抜かれた肉体を持つケヴィン・ジャクソンをはじめ男性ダンサーによる勇壮な見せ場やドラマティックな展開に引き込まれること間違いない大作です。
【関連動画】The Australian Ballet presents Spartacus(YouTube「The Australian Ballet」チャンネル)
主役のスパルタクスを演じるケヴィン・ジャクソンが『スパルタクス』を紹介しています。
【関連動画】Spartacus Trailer(YouTube「The Australian Ballet」チャンネル)
予告編映像で、テルトゥラ役を演じるエイミー・ハリスが作品について語っています。
【関連動画】SPARTACUS: THE CHOREOGRAPHY(YouTube「The Australian Ballet」チャンネル)
リハーサル映像も交え、振付のルーカス・ジャーヴィスが作品について語っています。
オーストラリア・バレエ Australian Ballet 『スパルタクス』(全3幕) Spartacus |
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■振付:ルーカス・ジャーヴィス ■音楽:アラム・ハチャトゥリヤン ■舞台美術・衣装:ジェローム・カプラン ■照明:ベンジャミン・シスターネ ■台本:イマラ・サベージ ■ファイト・ディレクター:ナイジェル・ポルトン ■出演: スパルタクス:ケヴィン・ジャクソン フラヴィア(スパルタクスの妻):ロビン・ヘンドリックス クラッスス(ローマの執政官):タイ・キング・ウォール テルトゥラ(クラッススの妻):エイミー・ハリス ほか オーストラリア・バレエ ■指揮:ニコレット・フレイロン ■管弦楽:ヴィクトリア交響楽団 ■収録:2018年9月28日 ヴィクトリア・アート・センター(オーストラリア・メルボルン) |
パリ・オペラ座バレエ『ボディ・アンド・ソウル』
『ボディ・アンド・ソウル』は、世界的に活躍しているカナダ人振付家クリスタル・パイトが、パリ・オペラ座バレエに振り付けた3部構成の作品で、共同体における様々な確執と絆を描き、2019年に初演されました。
クリスタル・パイトは、カナダ西海岸のバンクーバー出身で、ウィリアム・フォーサイスの元でダンサーとして活躍し、ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)在籍時から振付を始め、パリ・オペラ座バレエには、2016年にシーズン開幕で初演された『シーズンズ・カノン』も振り付けており、ダンス界のアカデミー賞と称されるブノワ賞(2017年/振付家部門)を受賞しています。
また、戦乱から逃れる難民たちの姿を描き2017年に初演された英国ロイヤル・バレエ『フライト・パターン』でローレンス・オリヴィエ賞(2018年)を受賞するなど、現在、最も注目されている振付家の一人です。
【関連動画】[TRAILER] BODY AND SOUL by Crystal Pite(YouTube「Opéra national de Paris」チャンネル)
『ボディ・アンド・ソウル』の予告編映像です。
【関連動画】Body and Soul by Crystal Pite (Hugo Marchand)(YouTube「Opéra national de Paris」チャンネル)
ユーゴ・マルシャンのソロです。
【関連動画】Body and Soul by Crystal Pite (Léonore Baulac & Hugo Marchand)(YouTube「Opéra national de Paris」チャンネル)
レオノール・ボラックとユーゴ・マルシャンによるパ・ド・ドゥです。
パリ・オペラ座バレエ Opéra national de Paris 『ボディ・アンド・ソウル』 Body and Soul |
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■振付:クリスタル・パイト ■オリジナル音楽:オーウェン・ベルトン ■追加音楽:フレデリック・ショパン、テディ・ガイガー ■美術:ジェイ・ゴーワー・テイラー ■衣装:ナンシー・ブライアント ■照明:トム・ヴィサー ■出演 レオノール・ボラック リュドミラ・パリエロ ユーゴ・マルシャン ほか パリ・オペラ座バレエ ■収録:2019年11月20・22日 パリ・オペラ座 ガルニエ宮(フランス) |