タマラ・ロホ芸術監督率いるイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)は、2020年10月15日に、タマラ・ロホが演出・振付を手がける『ライモンダ』で開幕する2020-21 シーズンのプログラムを発表しています。
【7/14追記】
イングリッシュ・ナショナル・バレエ日本公演(2021年)について追記しました。
【9/9追記】
2020-21シーズンに初演が予定されていたアクラム・カーン振付『クリーチャー』とタマラ・ロホ改訂振付『ライモンダ』の初演延期について追記しました。
イングリッシュ・ナショナル・バレ 2020-21 シーズン
English National Ballet 2020-21 Season
1950年にロンドン・フェスティバル・バレエとして設立され、2020年に創立70周年を迎えたイングリッシュ・ナショナル・バレエ 2020-21 シーズンのラインナップが発表されました。
最大の注目は、芸術監督兼リード・プリンシパル としてカンパニーを牽引するタマラ・ロホが満を持して発表する彼女自身の演出・振付作『ライモンダ』ではないでしょうか。
また、日本人ダンサーとして高橋絵里奈さん、加瀬 栞さん、猿橋 賢さん、金原里奈さん、康 千里さん、鈴木絵美里さんらが所属し、主要な役を任せられているので、皆さんの活躍も楽しみです。
今回はイングリッシュ・ナショナル・バレエ 2020-21 シーズンについて紹介します。
イングリッシュ・ナショナル・バレエ 2020-21 シーズン 予告編映像
イングリッシュ・ナショナル・バレ 2020-21 シーズン
■『ライモンダ』RAYMONDA
■『クリーチャー』CREATURE
■『くるみ割り人形』NUTCRACKER
■『マイ・ファースト・バレエ:白鳥の湖』MY FIRST BALLET : SWAN LAKE
■『ザ・フォーサイス・イブニング』THE FORSYTHE EVENING
【参考】
日本公演(2021年6月下旬〜7月初旬)
ルドルフ・ヌレエフ振付『ロミオとジュリエット』
アクラム・カーン振付『ジゼル 』
各演目紹介
【延期】ライモンダ RAYMONDA
【9/9追記】
タマラ・ロホ改訂振付による『ライモンダ』は、劇場閉鎖およびロックダウン状況下において当初計画通りに新制作を進めることが困難なために上演が延期されることになりました。
なお、上演時期についてはあらためて発表される予定です。
■日程:2020年10月15日〜17日
■会場:マンチェスター・パレス・シアター(Manchester Palace Theatre)
■日程:2020年10月21日〜24日
■会場:メイフラワー・シアター(サウサンプトン)(Mayflower Theatre, Southampton)
■日程:2020年10月28日〜31日
■会場:ミルトン・ケインズ・シアター(Milton Keynes Theatre)
■日程:2021年1月7日〜16日
■会場:ロンドン・コロシアム(London Coliseum)
イングリッシュ・ナショナル・バレエは、古典バレエの名作『ライモンダ』(全3幕)の新版を制作します。
英国において『ライモンダ』の全幕をレパートリーに持つカンパニーはないそうです。
この新制作により、タマラ・ロホ芸術監督が、演出・振付にも活躍の場を広げまることになります。
改訂版は、マリウス・プティパの原振付とアレクサンドル・グラズノフの原曲を尊重しつつ、19世紀中期のクリミア戦争に従軍したナイチンゲールら看護師にインスピレーションを得て、新しくドラマティックな物語に生まれ変わります。
タマラ・ロホ版『ライモンダ』は舞台をクリミア戦争に設定し、ライモンダを看護師を志す若い女性としてキャスティングします。
なお、2020年はナイチンゲールの生誕200周年にあたります。
(フィンランド国立バレエとの共同制作)
クレジット
【演出・振付】タマラ・ロホ(Tamara Rojo)(マリウス・プティパ原振付に基づく)
【音楽】アレクサンドル・グラズノフ(Alexander Glazunov)
【編曲】ギャヴィン・サザーランド(Gavin Sutherland)
【編曲】ラーズ・ペイン(Lars Payne)
【舞台美術】アントニー・マクドナルド(Antony McDonald)
【照明】マーク・ヘンダーソン(Mark Henderson)
【延期】クリーチャー CREATURE
【9/9追記】
アクラム・カーン 振付による『クリーチャー』は、劇場閉鎖およびロックダウン状況下において当初計画通りに新制作を進めることが困難なために上演が延期され、2021年9月にサドラーズ・ウェルズで初演されることになりました。
■日程:2020年11月11日〜15日
■会場:サドラーズ・ウェルズ(ロンドン)(Sadler’s Wells, London)
■日程:2020年11月18日〜21日
■会場:ブリストル・ヒポドローム(Bristol Hippodrome)
【海外ツアー】
■日程:2021年3月18日〜20日
■会場:ハリス・シアター(米国シカゴ)(Harris Theater, Chicago)
『クリーチャー CREATURE』は、『ダスト Dust』『ジゼル Giselle』に続き、イングリッシュ・ナショナル・バレエとアクラム・カーンによる3度目のコラボレーション作品です。
『クリーチャー』は、ドイツの表現主義作家、ゲオルク・ビューヒナーによる未完の戯曲『ヴォイツェック(Woyzeck)』やイギリスの小説家、メアリー・シェリーによるゴシック小説『フランケンシュタイン』からの影響を受け、見捨てられること、孤独、心のもろさをテーマとして描かれています。
『ジゼル』でも衣装を担当したアカデミー賞受賞デザイナーのティム・イップら素晴らしい制作チームとタッグを組んでいます。
クレジット
【演出・振付】アクラム・カーン(Akram Khan)
【音楽・サウンドデザイン】ヴィンチェンツォ・ラマーニャ(Vincenzo Lamagna)
【ヴィジュアル・衣装】ティム・イップ(Tim Yip)
【照明】マイケル・ハルズ(Michael Hulls)
【ドラマトゥルギー】ルス・リトル(Ruth Little)
くるみ割り人形 NUTCRACKER
■日程:2020年12月10日〜2021年1月3日
■会場:ロンドン・コロシアム(London Coliseum)
■上演時間:約2時間(休憩1回)
イングリッシュ・ナショナル・バレエの『くるみ割り人形』は、ウエイン・イーグリングのコンセプト・振付作品です。
日本の新国立劇場バレエ団がレパートリーとしているイーグリング版と基本的には同じようですが、美術はピーター・ファーマーが担当しています。
老若男女を問わず、クリスマスを彩るイベントとしてすっかり定着しており、2017年、2018年、2019年にはチケットが完売するほど好評を博しています。
クレジット
【コンセプト・振付】ウエイン・イーグリング(Wayne Eagling)
【コンセプト】トゥール・ヴァン・シャイク(Toer van Schayk)
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
【美術】ピーター・ファーマー(Peter Farmer)
【照明】デヴィッド・リチャードソン(David Richardson)
『くるみ割り人形』のリハーサルをする金原里奈さん。
マイ・ファースト・バレエ:白鳥の湖
MY FIRST BALLET : SWAN LAKE
■日程:2021年4月7日〜4月17日
■会場:ピーコック・シアター(ロンドン)(The Peacock, London)
■日程:2021年5月15日〜5月16日
■会場:ウィカム・スワン(Wycombe Swan)
■上演時間:約1時間30分(休憩1回)
子供のバレエ鑑賞デビューにふさわしく、3歳以上向けにアレンジされた『白鳥の湖』です。
イングリッシュ・ナショナル・バレエのバレエ・マスター/レペティトゥールのアントニオ・カスティーラが振り付けました。
物語の理解を手助けするためのナレーションがあり、上演時間も本公演に比べて短くしてあるので、家族みんなで楽しむことができます。
マイ・ファースト・バレエ・シリーズは、2012年に始めてから32万人を超える人々が楽しんでいます。
クレジット
【振付】アントニオ・カスティーラ(Antonio Castilla)
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
【編曲】ギャヴィン・サザーランド(Gavin Sutherland)
【舞台装置・衣装】ピーター・ファーマー(Peter Farmer)
【ドラマトゥルギー】ルー・コープ(Lou Cope)
ザ・フォーサイス・イブニング
THE FORSYTHE EVENING
■日程:2021年4月15日〜24日
■会場:サドラーズ・ウェルズ(ロンドン)(Sadler’s Wells, London)
■上演時間:約2時間5分(休憩2回)
ウィリアム・フォーサイス作品によるトリプル・ビルです。
『Blake Works I』は、イギリスの若手ミュージシャン、ジェイムス・ブレイクのアルバム『ザ・カラー・イン・エニシング The Colour in Anything』から7曲に振り付けられ、21名のダンサーが出演します。
2018年に『Playlist (Track 1, 2)』として初演された作品が、2021年に『Playlist (EP)』として6つの楽曲に30名程のダンサーが出演する拡張された作品となって戻ってきます。
『Approximate Sonata 2016』は、元は1996年に振り付けられた作品をパリ・オペラ座バレエのために作り直しました。
クレジット
Blake Works I
【振付・舞台デザイン】ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)
【照明】ターニャ・ルール(Tanja Rühl)、ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)
【衣装】(Dorothee Merg)、ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)
【音楽】ジェイムス・ブレイク(James Blake) – The Colour in Anything
Playlist (EP)
【振付・舞台デザイン・衣装】ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)
【照明】ターニャ・ルール(Tanja Rühl)
【音楽】
Peven Everett – Surely Shorty
Abra – Vegas
Lion Babe – Impossible (Jax Jones remix)
Khalid – Location
Barry White – Sha La La Means I love You
Nathalie Cole – This Will Be (An Everlasting Love)
Approximate Sonata 2016
【振付・舞台デザイン・照明】ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)
【衣装】ステファン・ギャロウェイ(Stephen Galloway)
【参考】日本公演
6~7月に来日を予定していたイングリッシュ・ナショナル・バレエの日本公演は、新型コロナウイルス感染症の影響により、見合わされることになりました。
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2021/02/-2021.html
■日程:2021年6月下旬〜7月初旬
■演目(2演目)
・ルドルフ・ヌレエフ振付『ロミオとジュリエット』
・アクラム・カーン振付『ジゼル 』