2024年4月のNHKプレミアムシアターに、ミラノ・スカラ座バレエ「コッペリア」とモナコ公国モンテカルロ・バレエ「コッペリア COPPEL-I.A.」が登場します。
バレエ「コッペリア」は、人形作り職人のコッペリウスが作ったからくり人形(自動人形)のコッペリアを巡り、村娘スワニルダと青年フランツのカップルがコッペリウスと繰り広げる騒動を描いたバレエで、1870年にアルチュール・サン・レオン版が初演されて以来、多くの派生版が登場しています。
今回のプレミアムシアターでは、古典作品の改訂を得意とするアレクセイ・ラトマンスキーと古典作品を斬新な解釈で演出することが得意なジャン・クリストフ・マイヨーという対照的な二人の振付家による作品がともに放送されます。
この機会に趣の異なる作品を見比べてみて、バレエ「コッペリア」の魅力を改めて感じてみてはいかがでしょうか。
放送日程
(注)BSP4KとBSとでは放送日時が異なります。
放送日程 |
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【NHK BSP4K】 ■日程:2024年4月14日(日)午後11時20分~午前2時35分 ■内容: ◇ミラノ・スカラ座バレエ「コッペリア」 (午後11時20分30秒~午前1時08分30秒) ◇モナコ公国モンテカルロ・バレエ「コッペリア COPPEL-I.A.」 (午前1時10分30秒~午前2時35分00秒) → 公式サイト(BSP4K) |
【NHK BS】 ■日程:2024年4月22日(月)午前1時35分~午前4時50分 ■内容: ◇ミラノ・スカラ座バレエ「コッペリア」 (午前1時35分30秒~午前3時23分30秒) ◇モナコ公国モンテカルロ・バレエ「コッペリア COPPEL-I.A.」 (午前3時25分30秒~午前4時50分00秒) → 公式サイト(BS) |
ミラノ・スカラ座バレエ
「コッペリア」
長い歴史を持つミラノ・スカラ座バレエでは、いくつかの版の「コッペリア」をレパートリーとして持っていますが、今回、プレミアムシアターで放送されるのは、現代で最も重要な振付家の一人であるアレクセイ・ラトマンスキー改訂振付により、2023年に初演されたばかりの新制作版です。
アレクセイ・ラトマンスキーは、ボリショイ・バレエ・スクールで学び、ウクライナ国立バレエやロイヤル・ウィニペグ・バレエ、デンマーク・ロイヤル・バレエ等でプリンシパルとして活躍し、2004年から2008年まではボリショイ・バレエの芸術監督を務め、振付家としてはマリインスキー・バレエ、ボリショイ・バレエ、ニューヨーク・シティ・バレエ、サンフランシスコ・バレエをはじめとした世界の有力なバレエ団に作品を振り付けており、アメリカン・バレエ・シアターの常任振付家を経て、2023年からはニューヨーク・シティ・バレエの常任振付家を務めています。
スワニルダ役を務めるニコレッタ・マンニは、ミラノ・スカラ座バレエ学校を卒業し、2009年にウラジーミル・マラーホフ率いるベルリン国立バレエに入団し、2013年にミラノ・スカラ座バレエに入団しています。
2014年にはプリンシパルに任命され、2023年にはロベルト・ボッレを相手にジョン・クランコ振付『オネーギン』でタチヤーナを演じ、エトワールに任命された、看板ダンサーです。
フランツ役を演じるティモフェイ・アンドリヤシェンコは、ジョン・ノイマイヤーに認められて「椿姫」でアルマン役に抜擢された後、2018年にプリンシパルに任命され、また、英国ロイヤル・バレエに客演し「ロミオとジュリエット」に主演する等、これからの活躍がますます期待されるダンサーです。
【動画】Coppélia – Trailer(YouTube「Teatro alla Scala」チャンネル)
予告編映像です。
【動画】Alexei Ratmansky’s new choreography of Delibes’s Coppélia stuns at La Scala(YouTube「medici.tv」チャンネル)
ニコレッタ・マンニ演じるスワニルダとクリスティアン・ファゲッティ演じるコッペリウスの映像です。
ミラノ・スカラ座バレエ 「コッペリア」 |
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■振付:アレクセイ・ラトマンスキー ■音楽:レオ・ドリーブ ■出演: スワニルダ:ニコレッタ・マンニ フランツ:ティモフェイ・アンドリヤシェンコ コッペリウス:クリスティアン・ファゲッティ ほか ミラノ・スカラ座バレエ ■演奏: 指揮:ポール・コネリー 管弦楽:ミラノ・スカラ座管弦楽団 ■収録:2023年12月15・17日 ミラノ・スカラ座(イタリア) |
モナコ公国モンテカルロ・バレエ
「コッペリア COPPEL-I.A.」
バレエ「コッペリア」を基にジャン・クリストフ・マイヨーが新たに演出・振付を行い、2019年12月に初演された作品です。
ジャン・クリストフ・マイヨーは、ジョン・ノイマイヤー率いるハンブルク・バレエでダンサーとして活躍していたものの怪我によりダンサーを引退し、その後、振付家としての才能を開花させ、1993年からはモナコ公国モンテカルロ・バレエの芸術監督・振付家として意欲的に新作を発表しています。
マイヨー版の「コッペリア COPPEL-I.A.」では、素朴な機械仕掛けの人形のコッペリアが人工知能を搭載した近未来的なアンドロイドとして描かれており、古典作品を独自に解釈し直した作品で高い評価を得てきたマイヨーらしい斬新な作品となっています。
また、小池ミモザさんがスワニルダの母役で出演しています。
【参考動画】“Coppél-i.A.” – Jean-Christophe Maillot(YouTube「Les Ballets de Monte-Carlo」チャンネル)
予告編映像です。
【参考動画】“Coppél-i.A.” Premiere Teaser(YouTube「Les Ballets de Monte-Carlo」チャンネル)
2019年初演時のティザーです。
モナコ公国モンテカルロ・バレエ 「コッペリア COPPEL-I.A.」 |
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■振付:ジャン・クリストフ・マイヨー ■音楽:ベルトラン・マイヨー(一部 原曲レオ・ドリーブ) ■出演: コッペリア COPPEL-I.A.:ルー・ベイン コッペリウス:マテイユ・ウルバン スワニルダ:アンナ・ブラックウェル フランツ:シモーネ・トリブーナ スワニルダの母:小池ミモザ レナート(スワニルダの親友):レナート・ラドケ ほか モンテカルロ・バレエ ■収録:2022年6月4・5日 グリマルディ・フォーラム(モナコ) |