2016/2017シーズンの新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』が閉幕してから、すでに2週間が過ぎてしまいました。(^▽^;)
今さら感はありますが、少し振り返っておきたいと思います。
◆ウエイン・イーグリング振付
2016/2017シーズンに上演された新国立劇場バレエ団の『眠れる森の美女』は、ウエイン・イーグリング振り付けによる新国立劇場バレエ団のオリジナル版です。
これは、2014/2015シーズンのオープニング公演として新製作されました。このシーズンから大原永子さんが新国立劇場の舞踊芸術監督に就任され、監督就任後、初めての上演演目に『眠れる森の美女』を選びました。今回の上演は2014年11月の初演以来、約2年半ぶりの上演です。新製作にあたり、振付を行ったウエイン・イーグリングは大原監督の要望に沿い、マリウス・プティパの現振付を基本的には守りながら、現代的な感覚を交えて新たな振付を行ったものです。
悪の精カラボスは、従来は男性がマイム役として演じるものだったところをイーグリング版では女性がポアントで踊る役柄とし、リラの精と同等のパワーを感じさせることを意図したとのことです。
また、目覚めのシーンにパ・ド・ドゥを挿入したのも新たな取り組みですが、多くの観客の感想は、ロミ・ジュリの寝室のパ・ド・ドゥを思わせる踊りで、好意をもって受け入れられているように感じました。
◆キャスティングの特徴
オーロラ姫のキャスティングについては、初演時には今回も踊られている小野絢子さん、米沢唯さんのほかに、今シーズン引退された長田佳世さんと貞松・浜田バレエ団からゲスト出演の瀬島五月さんの2名も踊られました。
今シーズンの公演では、池田理沙子さん、木村優里さんの2名がオーロラ姫デビューを果たし、話題となりました。
また、カラボス役として本島美和さんの圧倒的な演技と存在感が多くの観客を魅了しましたが、オーロラ姫役を踊られた米沢唯さんは、カラボス役にも挑戦し、全くキャラクターの異なる役を見事に演じ分け、注目を集めたことも印象的でした。
◆衣装の意見
衣装は、トゥール・ヴァン・シャイク氏デザインによるものですが、客席からは賛否両論に分かれた印象を受けました。妖精の衣装の違いが細かすぎてほとんど見分けがつかない、森の精の緑の衣装、リラの精の被り物等、厳しい意見も聞こえてきましたが、個人的には他の衣装を見たことがほとんどないため、よく分かりませんでした。今後の研究課題として肝に銘じたいと思います。( ..)φメモメモ
◆マエストロ
今回の公演は、いろいろな座席から鑑賞いたしましたが、2階席からは指揮者の動きがよく見えました。角度によってはその表情も確認することができました。
今回の指揮者は、新国でも常連のアレクセイ・バクラン氏でしたが、非常に情熱的、エネルギッシュな方で、その指揮はあたかもダンスを観ているかのようでした。あるときは激しく、あるときは何とも言えない甘く優美な動きで、素晴らしい演奏が引き出されたのだろうと感じました。
◆次の『眠り』上演(来シーズン)への期待
新国立劇場バレエ団における次の『眠れる森の美女』の上演は、2018年6月です。2シーズン連続は珍しいことですが、来年は新国立劇場の開場20周年にあたり、この記念すべき年にこの作品は外せないでしょう。ちなみに新国立劇場バレエ団の祈念すべき会場記念公演は『眠れる森の美女』です。
◆次の上演公演は『ジゼル』
今シーズンを締めくくる次の演目は6月24日(土)に開幕する『ジゼル』です。
『ジゼル』の上演は、前回2013年2月の公演から約4年ぶり。このときの公演は映像が記録され、DVDも発売されています。
前回の鑑賞時には作品の素晴らしさのみならず奥深さをあらためて知りました。個人的にも非常に関心が高い演目でもあり、公演に向けてしっかり予習をして望みたいと思っています。
このブログでもその勉強の成果を紹介したいと思っていますので、ぜひ楽しみにお待ちください。(‘◇’)ゞ