【公演情報】新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』主要キャスト決定(オーストラリア・バレエからのゲストも)

新国立劇場バレエ団の2018/2019シーズンの開幕を飾るクリストファー・ウィールドン『不思議の国のアリス』について、10月18日(木)に主要キャストの発表がありました!

新国立劇場バレエ団と『不思議の国のアリス』を共同制作するオーストラリア・バレエからゲストダンサーとしてエイミー・ハリスジャレッド・マドゥンが出演することが発表されました。

また、強烈な個性を発揮する《アリスの母/ハートの女王》には、予想通り本島美和さんがキャスティングされるとともに益田裕子さんが抜擢されるキャスティングでした!

主要キャストの発表を見た感想とともにゲストダンサーのプロフィールも紹介します!

新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』(2018/2019シーズン)主要キャスト

主要キャスト(10/18発表)

新国立劇場バレエ団が10月18日(木)に発表した主要キャストは次の通りです。

11/2(金)19:00開演

アリス:米沢 唯
ルイス・キャロル/白ウサギ:奥村康祐
庭師ジャック/ハートのジャック:渡邊峻郁
アリスの母/ハートの女王:エイミー・ハリス
手品師/マッドハッタ―:ジャレッド・マドゥン

11/3(土・祝)14:00開演

アリス:小野絢子
ルイス・キャロル/白ウサギ:木下嘉人
庭師ジャック/ハートのジャック:福岡雄大
アリスの母/ハートの女王:本島美和
手品師/マッドハッタ―:菅野英男

11/4(日)14:00開演

アリス:米沢 唯
ルイス・キャロル/白ウサギ:奥村康祐
庭師ジャック/ハートのジャック:渡邊峻郁
アリスの母/ハートの女王:エイミー・ハリス
手品師/マッドハッタ―:ジャレッド・マドゥン

11/7(水)13:00開演

アリス:小野絢子
ルイス・キャロル/白ウサギ:木下嘉人
庭師ジャック/ハートのジャック:福岡雄大
アリスの母/ハートの女王:本島美和
手品師/マッドハッタ―:菅野英男

11/8(木)13:00開演

アリス:米沢 唯
ルイス・キャロル/白ウサギ:奥村康祐
庭師ジャック/ハートのジャック:渡邊峻郁
アリスの母/ハートの女王:本島美和
手品師/マッドハッタ―:福岡雄大

11/10(土)13:00開演

アリス:小野絢子
ルイス・キャロル/白ウサギ:木下嘉人
庭師ジャック/ハートのジャック:福岡雄大
アリスの母/ハートの女王:益田裕子
手品師/マッドハッタ―:菅野英男

11/10(土)18:30開演

アリス:米沢 唯
ルイス・キャロル/白ウサギ:奥村康祐
庭師ジャック/ハートのジャック:渡邊峻郁
アリスの母/ハートの女王:本島美和
手品師/マッドハッタ―:菅野英男

11/11(日)14:00開演

アリス:小野絢子
ルイス・キャロル/白ウサギ:木下嘉人
庭師ジャック/ハートのジャック:福岡雄大
アリスの母/ハートの女王:益田裕子
手品師/マッドハッタ―:菅野英男

主要キャストを見た感想

まず、オーストラリア・バレエからの客演には驚きました!

共同制作するカンパニーですから、「客演があっても良いものだ」と過去のブログには書きましたが、正直言って本気ではありませんでした。

エイミー・ハリスさんとジャレッド・マドゥンさんは、すでにオーストラリア・バレエでの上演で実績がありますので、初演の新国ダンサーにとっては良き手本になるのではないでしょうか。

お二人のプロフィールについては、後ほど、ご紹介します。

アリスジャックについては既に発表済みで、ルイス・キャロル/白ウサギ、アリスの母/ハートの女王、手品師/マッドハッタ―が今回発表された主要キャストです。

ルイス・キャロル/白ウサギについては、9月24日(月・休)に行われた公開リハーサルにおいては木下嘉人さんが演じており、10月2日(火)のワールド・バレエ・デー2018関連企画として新国立劇場バレエ団のFacebook上でリハーサル動画が公開されたときには奥村康祐さんが演じていたので、既定路線でした。

奥村さんはチラシにも既に白ウサギとして写っていましたね。

アリスの母/ハートの女王は本島美和さんと益田裕子さんがキャスティングされました。

チラシなどのヴィジュアルでは本島さんがアリスの母/ハートの女王として登場していたのでこれまた既定路線ですが、益田さんの抜擢には驚いた人も多いのではないでしょうか。

筆者個人としては、『眠れる森の美女』でカラボスを演じた渡辺与布さんを予想していたので、これは見事に外れました!(予想屋ではありません)

英国ロイヤル・バレエのケビン・オヘア芸術監督が言う通り、クリストファー・ウィールドンの『不思議の国のアリス』第3幕はハートの女王の独壇場です。

第3幕で劇場全体を笑いの渦に巻き込むことができるのか否か、成否の鍵は、ハートの女王の演技がどこまで吹っ切れるのかにかかっています!!!

この役を演じるダンサーが美しけば美しいだけ、そのギャップに魅せられますので、この二人には大いに期待できそうです!

本島さんの役作りと演技には定評があり、ある意味ハマり役だと思います。

益田さんがこの種のキャラクターにキャスティングされるのは、初めてだと思いますので、その点では未知数ですが、彼女ならかなりイケると思います。

益田さんの吹っ切れ具合には大いに注目しましょう!

最後に手品師/マッドハッタ―ですが、この作品を印象づける存在であり、アイコン的な存在でもありますので、非常に重要な役どころとして、みんなが注目していたことと思います。

この役にキャスティングされるには、タップダンスが踊れなくてはいけません。

いや、タップが踊れるだけではなく、タップとバレエという異なる二つのテクニックが求められるダンスを起用に踊り分けることができる能力も必要です。

これは、本家である英国ロイヤル・バレエでマッドハッターを演じたプリンシパルのスティーブン・マックレーがダーシー・バッセルとのインタビューでも話しています。

そして、新国では、手品師/マッドハッタ―に菅野英男さんと福岡雄大さんがキャスティングされました。

菅野さんの実力からすれば驚きはしませんし、新国ダンサーの素顔を紹介した映像(『”off” ダンサー達の素顔|新国立劇場バレエ団』)でも、動画の最後の方にマッドハッター役の練習するダンサーの後ろ姿が小さく写っていて、シルエットから恐らく菅野さんであろうことは察することができました。

しかし、福岡雄大さんのキャスティングには驚きました。

ダンサーとしての実力からすれば驚くことではありませんが、主役が決まっていたので、まさか、マッドハッターも演じるとは想像もしませんでした。

また、新国のシーズン・オフの期間中もあちらこちらで客演されていましたので、福岡さんはいつ、どこで、何の練習をしているのでしょうか?!

頭が混乱しないのか、体力は持つのか、今さらながらに福岡さんの実力に感服いたします!!!

ゲストダンサーの略歴(プロフィール)

新国立劇場バレエ団と『不思議の国のアリス』を共同制作するオーストラリア・バレエからゲストとして出演するエイミー・ハリスさんとジャレッド・マドゥンさんについて略歴(プロフィール)を調べました。

ジャレッド・マドゥンさんは『不思議の国のアリス』では、ジャック/ハートのジャック、マッドハッター、イモ虫の主要な二役を含む、合計三役を演じられています。

なお、ゲストのお二人はご夫婦で、娘さんもいらっしゃいます。

また、オーストラリア・バレエでは、早くも2019シーズンに『不思議の国のアリス』の再演が決まっています。

ブリスベンでは2019年2月25日~3月2日、メルボルンでは6月8日~22日です。

エイミー・ハリス

【略歴】エイミー・ハリス(AMY HARRIS)

  • オーストラリア・バレエ プリンシパル・アーティスト。
  • オーストラリア ビクトリア州アララト出身。
  • 3才から地元のバレエ・スクールでジャズとタップを始める。
  • 10才からビクトリア州バララットのCarole Oliver School of Balletにてチェケッティ・メソッドによりバレエを習う。
  • 1999年、15才でオーストラリア・バレエ・スクールに入学し2002年にオーストラリア・バレエに入団。
  • 2007年にコリフェ、2011年にソリスト、2012年シニア・アーティスト、2018年にプリンシパル・アーティストに昇格。

【レパートリー】

  • クリストファー・ウィールドン『不思議の国のアリス』 ハートの女王
  • ウェイン・マクレガー『Infra』
  • デイヴィッド・マカリスター『眠れる森の美女』 オーロラ、リラの精
  • アレクセイ・ラトマンスキー『シンデレラ』 継母
  • グレアム・マーフィー『くるみ割り人形~クララの物語~』 ロットバルト男爵夫人
  • ウィリアム・フォーサイス 『イン・ザ・ミドル・サムホワット・ エレヴェイテッド』
  • ペギー・ヴァン・プラーグ『コッペリア』 スワニルダ
  • ジョン・ノイマイヤー『ニジンスキー』 ロモラ
  • トワイラ・サープ『イン・ジ・アッパー・ルーム』
  • 『The Merry Widow』 Hanna

バレエ用品 Bloch 公式チャンネルが提供している映像にエイミー・ハリスさんが出演していました。

プリンシパル・アーティストに昇格する前の映像です。

Warming up with Amy Harris, Senior Artist of The Australian Ballet

Ballet Warm Up with Amy Harris, Senior Artist of The Australian Ballet

(YouTube / BlochAU 公式チャンネル)

ジャレッド・マドゥン

【略歴】ジャレッド・マドゥン(JARRYD MADDEN)

  • オーストラリア・バレエ シニア・アーティスト。
  • 3才からニューサウスウェールズ州ウォーホープにある地元のダンス・スクールでダンスを始める。(母はダンス教師)
  • 2005年、16才でMelbourne’s National Theatre Ballet Schoolに入学。
  • オーストラリア・バレエには、2007シーズンのピーター・ライトの『くるみ割り人形』での有期契約を経て2008年に正式に入団。
  • 2011年にコリフェ、2015年にソリスト、2017年にシニア・アーティストに昇格。

【レパートリー】

  • クリストファー・ウィールドン『不思議の国のアリス』 ジャック/ハートのジャック、マッドハッター、イモ虫
  • グレアム・マーフィー『くるみ割り人形~クララの物語~』 医師/恋人の将校
  • ウェイン・マクレガー『Infra』
  • ペギー・ヴァン・プラーグ『コッペリア』 フランツ
  • ウィリアム・フォーサイス『イン・ザ・ミドル・サムホワット・ エレヴェイテッド』
  • トワイラ・サープ『イン・ジ・アッパー・ルーム』
  • イリ・キリアン『Bella Figura』
  • ウェイン・マクレガー『Dyad 1929』
  • ナチョ・ドゥアト『Por Vos Muero』
  • Nicolo Fonte『Possibility Space』

参考:オーストラリア・バレエ公式サイト(https://australianballet.com.au/)

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