2019年3月6日、文化庁は平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣賞の受賞者決定を発表しました。
舞踊部門では、小野絢子さんと篠原聖一さんの受賞が決定しました!
誠におめでとうございます!
芸術選奨文部科学大臣賞
芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞について
小野さんと篠原さんが受賞した「芸術選奨文部科学大臣賞」はどのようなものでしょうか。
文化庁のサイトでは賞の趣旨を次のように説明しています。
「芸術各分野において、優れた業績を挙げた者又はその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨し、芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞を贈ることによって芸術活動の奨励と振興に資するものです。」
小野絢子さんの贈賞理由
「芸術選奨文部科学大臣賞」には新人賞もありますが、小野さんは2011年に受賞しています。
8年の時を経て、さらなる業績が認められて今回の受賞につながった訳ですね。
今回の贈賞理由について文化庁は次のように説明しています。
「小野絢子氏は,新国立劇場バレエ団のプリンシパルであり,10年近く名実共に同団のトップダンサーである。バレエの美を体現する端正で精確な技量は,若い頃から高い評価を受けてきた。平成30年は,古典バレエを代表する「眠れる森の美女」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」の3作品に主演して貫禄ある美しい踊りを披露し,新制作「不思議の国のアリス」でも演技力を発揮して上演を成功に導いた。
年間を通じ,日本バレエの頂点に位置するダンサーとして存在感を発揮し続けたことは賞賛に値する。」
贈賞理由として個別の舞台はもちろんのこと、年間を通じた活躍が高く評価されています。
小野絢子さんは新国立劇場バレエ団にとってもはや空気のような存在ではないでしょうか。
小野さんが主演することは空気が存在しているのと同じくらい当たり前であり、ないと困る存在であり、その有り難みは感覚が麻痺してしまって気づかない。
もし、小野さんが主演しない新国のバレエ公演があったら、それはとても違和感を覚えることでしょう!
白鳥の湖-新国立劇場バレエ団3分でわかるバレエシリーズ
(YouTube / 新国立劇場 New National Theatre Tokyo 公式チャンネル)
(YouTube / 新国立劇場 New National Theatre Tokyo 公式チャンネル)
【3月12日追記】贈呈式の模様が新国立劇場公式サイトに掲載されました。
>>>小野絢子 平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣賞贈呈式が行われました
篠原聖一さんの贈賞理由
篠原さんの贈賞理由について文化庁は次のように説明しています。
「篠原聖一氏は,首都圏のみならず各地のバレエ団,スタジオで作品を精力的
に発表,幅広い世代のダンサーたちに上質な作品へ出演する機会を与え,日本
バレエ界に多大な影響を与えてきた。平成30年の作品「宿命」では,時代のうねりの中で生きる人間の姿を緻密な構成でドラマティックに描き出し,ダンス・音楽・美術からなる総合芸術としてのバレエの本質を捉えた。とりわけ時代が大きく転換していくときのエネルギーを描き出した群舞は圧巻であった。特定のカンパニーではなく,本作のために集結したダンサー40数名により,スケールの大きな舞台を作り上げたことも賞賛に値する。」
平成30年に「DANCE for Life 2018」として上演された「『’Á (アナンケ) 宿命』 ~ノートルダム・ド・パリより~ 全2幕」が高く評価され受賞に結びつきました。
作品そのものに加えて「特定のカンパニーではなく,本作のために集結したダンサー40数名により,スケールの大きな舞台を作り上げたこと」も評価されています。
特定のカンパニーではない、といえば、今年も2月9日(土)・10日(日)に上演された「日本バレエ協会『白鳥の湖』全幕」で演出・構成・再振付を手がけ、この公演も大きな話題となったのは記憶に新しいところですね。
DANCE for Life 2018 rehearsal vol. 1
(YouTube / Dance for Life制作 公式チャンネル)
DANCE for Life 2018_1110 Rehearsal
(YouTube / Dance for Life制作 公式チャンネル)
なお、贈賞理由にもなった「運命(DANCE for Life 2018)」の2019年度版は、6月7日(金) 練馬文化センター 小ホールにて、【篠原聖一 バレエ・リサイタル DANCE for Life 2019】として上演することが決まっています。
詳細が分かりましたらこのブログでも紹介したいと思います!