【TV視聴レポ】「バレエの王子になる!”世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」の感想と関連情報

2019年9月7日(土) 、ワガノワ・バレエ・アカデミーで学ぶ4人の男子生徒の卒業までの3か月間を追ったドキュメンタリー NHK BS1スペシャル「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」が放送されました。

生徒たちは卒業までの3か月の期間に国家試験、入団オーディション、卒業公演といったプロのバレエダンサーになるための大きな試練に挑みました。
個性の異なる4人の生徒と彼らを指導するニコライ・ツィスカリーゼ校長の奮闘を通して、ロシア・バレエの美しさと厳しさに迫った素晴らしい番組でした。

今回は、NHK BS1スペシャル「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」について感想を交えてレポートしたいと思います。

番組を見逃した方のために再放送情報についても分かり次第、お知らせします!

【9/15追記】ミーシャのインスタグラムを追記しました。(Special thanks to Ms. A.M.)
【9/21追記】9月22日(日)08:00~の再放送情報を追記しました。
【10/6追記】10月12日(土)17:10~「NHK BS 4K」の放送情報を追記しました。

「バレエの王子になる!”世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」

番組概要

プロのバレエ・ダンサーを夢見て世界最高峰のバレエ学校「ワガノワ・バレエ・アカデミー」で学ぶ最上級生の男子4人が卒業を間近に控え、様々な試練と向き合う姿を密着取材した番組です。
卒業まで残すところ90日となり、彼らにはプロのダンサーの資格を得るための国家試験やバレエ団に入団するための厳しいオーディション、卒業公演といった試練に挑みます。

国立ワガノワ・バレエ・アカデミー

番組の舞台は、ロシア・サンクトペテルブルクにあり、ロシア・バレエの礎を築いたロシア最古のバレエ学校「国立ワガノワ・バレエ・アカデミー」です。
1738年に創立され、かつてプロのバレリーナとして活躍し、現役引退後にはこの学校で教師を務め、バレエ教授法を確立したアグリッピナ・ワガノワ(1879~1951)の名前が冠されています。
取材時の生徒数は377人で、世界中から厳しい入学オーディションを勝ち抜いて集まった10~18歳の生徒たちが学ぶ、世界最高峰のプロのバレエ・ダンサー養成学校です。

ワガノワ・バレエ・アカデミーは、ルドルフ・ヌレエフやミハイル・バリシニコフ、ウリヤーナ・ロパートキナといった伝説的なスター・ダンサーを輩出し続けてきました。
その礎となっているのが「ワガノワ・メソッド」と呼ばれるワガノワが体系化したクラシックバレエの教育システムで、生徒の発育に合わせて授業計画を細かく定めているのが特徴です。

難関を突破して入学しても、進級試験が毎年行われ、合格できなければ即退学となります。
4年生の試験結果で、体型のために不合格となり学校を去った生徒の姿がありました。
学校関係者の説明は「わが校は美しく痩身の人しか教育を受けられません。バレエ芸術の求める人材は何よりも美が第一です。バレエに向かない子には早めに一般の学校へ転入する道を作ってあげます」というものです。
情けで卒業だけはさせたとしても、その後で困ることを考えれば、早めに軌道修正させることも重要なことだと納得します。
現実の厳しさと判断する立場の責任の重さを痛感します。

登場人物

ワガノワ最上級生のうち、成績上位クラスでニコライ・ツィスカリーゼ校長から直接指導を受けているミーシャ、アロン、キリル、マルコの男子生徒4人にスポットを当てて密着取材しています。

マイケル・バルキジヤミーシャ) Michael Barkidjija(Misha)
アメリカ出身。
父はクロアチア人で母はロシア人。
身長は188cmと長身で、成績は学内トップ。
校長は「才能だけならこの学校で並ぶものはいません。アーティストとして彼は10年に1人の逸材です」と大絶賛。
2019年3月、ロシア全土から若手ダンサーが集まるコンクールにワガノワ代表として出場。男性部門第1位を受賞。
「舞台上でも一切緊張せず踊る喜びを感じています」と語る、強い心臓の持ち主です。

大澤・ホロウィッツ・有論(アロン) Aaron Osawa-Horowitz
アメリカ生まれのイギリス育ち。
父はアメリカ人で母は日本人。
身長は175cmですが最近のダンサーとしては背が低く、校長からは背の低さをカバーするための動きをアドバイスされます。
11歳で英国ロイヤル・バレエ・スクールに入学しますが、ロシア・バレエに憧れ、16歳の時にワガノワの編入試験を受け合格。
2018年にはワガノワが主催する世界的コンクール「第8回ワガノワプリ」に出場し、上位3人に入ることはできなかったものの、観客からの拍手が最も大きかった者に贈られる観客賞を受賞。

校長は「頭が良く私の言葉を注意深く聴く」と評し、
この一年で急激な成長を見せたアロンに大きな期待を寄せています。
祖父・大澤徳城は大学相撲の名力士で日本相撲連盟の副会長も務め、大相撲第46代横綱の朝潮太郎はアロンの親戚にあたるそうです。( ゚Д゚)

キリル・ソコロフスキー Kirill Sokolovski
ベラルーシ出身。
189センチの高身長、長い手脚に美しい顔と外見は理想的なバレエ・ダンサー。
美貌を生かして週末や授業がない日にはモデルのアルバイトをしています。
しかし、熱心さが足りないことを
校長は心配しています。
そんなキリルは国家試験の直前にひどい風邪をひいてしまいます。
国家試験に合格することはできるのか、バレエ団のオーディションに合格することはできのでしょうか。

マルコ・ユーセラ Marko Juusela
フィンランド出身。
パッチリとした目と笑顔が魅力的。
国際コンクールでの入賞歴もあり、バランスの取れたオールマイティーのダンサー。
クラスでの成績はミーシャに次ぐ二番手ですが、入団オーディションでは一転して苦戦します。
ロシア・バレエに憧れてフィンランドからワガノワにやってきたマルコですが、ロシアのバレエ団に入団することはできるのでしょうか。

ニコライ・ツィスカリーゼ(校長) Nikolay Tsiskaridze
ロシアのボリショイ・バレエで18年にわたりプリンシパルを務めました。
指導は
厳しくとも、生徒への愛情に満ち、独特の存在感があります。
プリンシパル・ダンサーとしての経験に裏打ちされた含蓄のある言葉、指導法は見どころの一つです。
少しお下品な表現も…(;’∀’)

第一の試練:国家試験

ロシアにおいてバレエダンサーは国家公務員の扱い。
5段階評価の国家試験で3以上を取らなければバレエ団で働くことはできません。
技術の正確性や芸術性、音楽性が審査され、校長にとってはワガノワの教育の素晴らしさを証明する場であり、試験の成績は就職活動にも影響するため、失敗は許されません。

試験で審査員の前で披露する4種類のステップ、6種類のジャンプなど12のプログラムを振り付けたのはツィスカリーゼ校長自身で、「彼らを素晴らしいダンサーだと証明するため、一人一人の欠点は隠します」と笑います。
「生徒それぞれに必ず欠点があり、そのまま踊れば審査員に分かってしまう。国家試験では生徒の欠点を隠すことも私の仕事です」という言葉に思わず納得し、校長には生徒の欠点を隠すために振付の才能も必要なんだと感じました。(笑)

そんな重要な国家試験目前に事件が起こりました!
校長が心配していた生徒のキリルが、ひどい風邪をひいてしまったのです。
キリルはこの試練を乗り越えられるのでしょうか?!

試験に臨む生徒たちを前に校長は「私が君たちを愛していることを覚えてるね。君たちは世界で一番美しいぞ」と声をかけます。
あれだけ厳しい指導をしていた校長からの激励を受け、生徒たちは一層奮起したに違いありません。
そんな校長も生徒たちが試験を受けているのを「立ってられないくらい怖い」と語っていました。

試験は1時間の長丁場で、体力的にも非常にハードで、控えに戻ってきた生徒たちは汗だくになり、息も上がっています。
ベンチで介抱を受けるキリルは限界のようですが、「キリル、さぁ立ち上がれ」と校長からは試験続行の檄が飛びました。
諦めてしまっては今までの努力はすべて水泡に帰してしまいます。

ハードな国家試験を何とか乗り切り、ミーシャとアロンは5点満点で見事合格です!
心配されたキリルも4点で合格です。
最初の試練を何とか乗り越えました!
マルコの点数は放送されていません。
何点だったのでしょうか?

国家試験が無事に終わり、校長は安堵したのか『ラ・バヤデール(ロシアではバヤデルカですね)』のニキヤのバリエーションを上機嫌に踊り、生徒から拍手を受けていました。(´▽`)
それにしても何故ニキヤ(女性の役)だったのでしょうか???
とてもお茶目だと思いました。(´▽`)

第二の試練:バレエ団の入団オーディション

卒業が近づくこの時期には、ロシア全国のバレエ団で入団オーディションが実施されます。
「スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ団」のオーディションにはワガノワから男女16人が参加しました。
フィンランド出身のマルコは、ミーシャに次ぐ二番の成績ですが、別のバレエ団のオーディションではマルコだけ落ちてしまいました。

国立モスクワ音楽劇場バレエ芸術監督のローラン・イレールは、「若いのに劇場の関係者の前で踊るのは大変なことだと同情します。就職は人生の一大イベント。僕は選ばないといけないので悩ましい」と難しい立場に伴う心情を吐露していました。

オーディションの結果、ワガノワから合格したのはわずか二人でマルコの名前はありませんでした。
結果の出ないマルコは、就職活動に憔悴していました。
ツィスカリーゼ校長によると、故郷フィンランドのバレエ団からオファーがあったそうですが、マルコはロシアでの就職を希望しており、校長も見守るしかないとのこと。

一方、心配されていたキリルは、ボリショイ・バレエのオーディションに合格していました!
ボリショイの関係者に直接連絡してオーディションを受け、
将来性を見込まれて入団を約束してもらったというのです。
校長からは厳しい評価を受け、番組スタッフからも就職について心配されていたキリルがあっさりと就職活動を終えていました。
しかも、世界最高峰のボリショイ・バレエ!
これには取材スタッフも驚いていましたが、視聴者もビックリでは!( ゚Д゚)

おどけてみせるキリルですが、「こんなに早く決まると思わなかった。自分の今の実力はよく分かってる。ソロを踊る準備ができてないし、僕にはまだ時間が必要。けど時間がかかっても苦じゃないよ。学校でも出番はくなかったし。だからボリショイでも耐えられる」と語るところからは、自分自身を意外と冷静に見つめているように感じます。

主要なバレエ団の中で最後にオーディションを行うのは、ワガノワと同じサンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場。
ボリショイ劇場と並びロシア・バレエの双璧をなす世界屈指のバレエ団で、校長も「私が考える真の劇場はロシアのボリショイとマリインスキー、パリのオペラ座 3つのみ!」と語るほど。
ワガノワ・メソッドを確立したアグリッピナ・ワガノワもこの舞台で踊り、トップダンサーのほとんどがワガノワの卒業生というバレエ団です。

マリインスキーは、ミーシャ、アロン、どこにも受かっていないマルコの第一志望です。
ワガノワからオーディションに参加した男子生徒は15人。
共に学んできた級友と争います。

マリインスキー・バレエ団長代行のユーリー・ファテーエフは、オーディション前に「ようこそマリインスキー劇場へ。ここは君たちが生涯をかけるのにふさわしい場所です。しっかり踊って楽しんでください。健闘を祈ります」を言葉をかけていました。
「生涯をかけるのにふさわしい場所」という言葉に胸が熱くなります!

オーディションが終わると受験生は一人ずつ呼ばれて合否を告げられます。
ミーシャ、アロン、マルコの三人は揃って合格!!!

ファテーエフ団長代行は、合格のポイントを次のようにコメントしました。
「マルコは目がパッチリしていて、笑顔が大きくて舞台映えする子でした。将来が楽しみです」

「様々な役があるため、バレエ団では背の低いアーティストも必要です。そのためアロンを選びました。高いジャンプ力と努力家であることが決め手。まだ先の話だが彼に任せたい役がある」

もちろん、3人はマリインスキーに入団することを決めました!

第三の試練:卒業公演

卒業公演は4日間行われます。

一つ目の演目は『パキータ』。
毎年、成績トップの男女が主役を務める卒業公演には欠かせない演目。

もう一つの演目は『イワンと仔馬』。
主役に選ばれたのはマルコとアロンで、4日間の公演を交代で踊ります。
舞台は海底の世界で、二人は海の王様を演じます。

一方、キリルは、一度は任された役を降ろされてしまい、卒業公演には出られないことになりました。
他の三人が卒業公演の練習に励んでいるとき、キリルは「あんまり興味は無いよ。どうでもいいんだ。ボリショイに入団すれば踊るチャンスはいくらでもあるさ」とコメントし、強がっているようでした。
ツィスカリーゼ校長から告げられた言葉は「君は卒業公演の舞台に立つことはない」というものだけだったそうです。
校長は、インタビューでは、
キリルについて次のようにコメントしました。
「バレエは無理です。バレエに必要な体の使い方、それを発展させる努力もしない、最後まで役柄を踊り通す執念もなくそれが足りないことに気づかない。それでは女性とは踊れないし、どんな小さな役も無理。男子に必要なジャンプも満足にできない」
「他のバレエ団(ボリショイ・バレエのことだと思います)のコーチは、私がキリルの教育を放棄し、自分ならキリルを育てられると考え、トップダンサーにできると思っている」
嘲笑し「あっかんべー😝」の仕草をする校長。
「審判を待ちましょう。ただ私は自分の予想が外れた方が本当は良いのですが、他の人がキリルを素晴らしいダンサーに出来たら自分としては喜びです。そうはならないでしょうが」。

役を降ろしたのは、卒業後のキリルを考えたからこその校長の決断ということです。
キリルが「校長がキリルにして上げられる最後のレッスン」を真摯に受け止め、プロのバレエダンサーとしての自覚を持ちこれからのバレエ人生を歩んでいくことを切に願います。

卒業公演で主役を任せられたミーシャ、アロン、マルコの3人は、校長の厳しい指導を乗り越え、ワガノワ生活最後の舞台を踊り切りました。
公演に出演できずに舞台袖で見守っていたキリルは、どのような気持ちで彼らの晴れ舞台を見つめていたのか、心中を察すると穏やかではいられませんでした。

「バレエの王子になる!”世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」番組放送概要

放送概要

■番組名:BS1スペシャル「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」
■放送日時:2019年9月7日(土) 22:00~23:50(110分)
■チャンネル:NHK BS1

再放送情報

■番組名:BS1スペシャル「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」
■放送日時:
2019年9月16日(月)15:00~16:50(110分)【NHK BS1】
2019年9月22日(日)08:00~(ラグビー・ワールドカップから変更のようです)【NHK BS1】
2019年10月12日(土)17:10~18:50【NHK BS4K】
■番組ホームページ:https://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2019-09-16/11/26982/2625258/
■番組紹介ページ:https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2625258/
■BS4Kホームページ:https://www4.nhk.or.jp/P6071/

見逃した方は「NHKオンデマンド」(有料動画配信サービス)でご視聴ください。
(基本的には有料ですが、ときどき無料で配信する番組もあります)

NHK PR サイト

実際にロシアで密着取材をした髙橋泰一ディレクターが、番組制作した意図や取材中の苦労話、番組の見どころなどについて説明しています。
→ プロを目指す4人の男子たち、華麗な舞台の裏側

主人公たちの参考情報

SNS

ミーシャ
Instagram → mishabark
【9/15追記】ミーシャのインスタグラムを追記しました。(Special thanks to Ms. A.M.)

アロン
Instagram → aaron__oh
Facebook → Aaron Osawa-Horowitz (大澤ホロウィッツ有論)

マルコ
Instagram → markojuusela

キリル
Instagram → kirill_sokolovski

ミーシャはSNSをしていないのか、見つけることができませんでした(>_<)
ご存じの方がいらっしゃれば、教えていただけると嬉しいです。
【9/15追記】A.M.さんが見つけてくださいました!有り難うございます<m(__)m>

ワガノワ・バレエ・アカデミー日本公演(2019年1~2月)

ワガノワ・バレエ・アカデミーは、2019年1~2月にかけて東京、栃木、福岡、兵庫、福井、大阪、愛知、岩手、宮城、群馬を訪れ、『人形の精』組曲、『パキータ』、『くるみ割り人形』を上演しています。
ミーシャは『パキータ』でリュシアン役、アロンとマルコは『くるみ割り人形』で王子役を演じたようですが、キリルの舞台出演状況は不明です。

ロシア国営テレビRTR Japanのニュース動画では、そのときの取材映像を公開しています。
ツィスカリーゼ校長とともに渋谷の街を散策するミーシャとマルコの姿や舞台リハーサルで校長の指導を受けるアロンの姿も写っています。

Цискаридзе в Японии – русского балета никогда не бывает много / Tsiskaridze in Japan

(YouTube / RTR Japan 公式チャンネル)

最後に

番組では世界最高峰のバレエ学校「ワガノワ・バレエ・アカデミー」で学ぶ、卒業を間近に控えた成績上位の4人の奮闘ぶりを密着取材しました。
主人公の4人たちは、ミーシャ、アロン、マルコがマリインスキー、キリルがボリショイとそれぞれ世界最高峰のバレエ団への入団を決めた訳ですが、ここに至る道のりは決し平坦な道のりではありませんでした。
難関を突破して入学しても成績が悪ければ進級できずに落第させられ、卒業までには役半数が脱落し、バレエ団の入団オーディションも容赦なく落とされてしまう現実がありました。

9月からは、めでたくプロのバレエダンサーにる訳ですが、ワガノワ時代にも増して厳しい世界が待ち受けているはずです。
ツィスカリーゼ校長が「彼らはここからが始まり。未来を見守りましょう」と言うように、彼らのこれからのバレエダンサーとしての成長を見守りたいですね!

ミーシャは、ツィスカリーゼ校長をして「10年に1人の逸材」を言わしめたダンサーです。
マリインスキーで順調にキャリアを積めば、早晩王子役を踊ることになるのは間違いないでしょう。
安心して見守っていられます!

アロンは、英国時代にロイヤル・オペラ・ハウスで『白鳥の湖』に子役として出演したときに、いつか自分も王子役を踊りたいと思ったことがプロのダンサーを目指したキッカケだと語っていました。
しかし、ツィスカリーゼ校長も背の低さを指摘し、また、入団が決まったマリインスキーのファーテーエフ団長代行も「様々な役があるため、バレエ団では背の低いアーティストも必要です。そのためアロンを選びました」と語っていることから、ロシアで王子役を踊るという夢を叶えることはとても難しいでしょう。
卒業公演で王子役を任せた校長ですが、その裏では背の低さを理由に「はっきり言ってロシアではアロンに王子の役はありません」と明言していました。
自分の権限で配役を決められる今くらいはと思い王子役を与えたのだ、と考えることもできるでしょう。
しかし、ワガノワでのアロンの努力を知っている校長は「アロンは全てのハンデを自分の努力で跳び越えていく」とも語っていました。
努力に努力を重ねてこの状況を跳び越えて王子役をつかみ取るんだぞ!という校長からのエールのようにも感じます。
「努力家」という最大の武器とともに全てのハンデを跳び越えていくアロンに期待しています!

マルコは、クラスでの成績はミーシャに次ぐ二番手で、オールマイティなダンサーです。
アロンが背の低さをカバーするために取り組んだことでジャンプ力などの武器を手に入れた半面、マルコはオールマイティさが個性を伸ばすことを邪魔していると言えるかもしれません。
しかし、マリインスキーのファーテーエフ団長代行は、「マルコは目がパッチリしていて、笑顔が大きくて舞台映えする子でした。将来が楽しみです」と語り、短いオーディションの時間でマルコの魅力を見抜いていました。
ファテーエフ芸術監督のもとで個性を大きく開花させ、華やかなダンサーへと成長する可能性を感じさせます。

キリルは、抜群の容姿を武器に、番組視聴者からも人気が高かったことと思います。
しかし、ツィスカリーゼ校長のみならず視聴者からも最も先行きを心配されているのではないでしょうか。

モデルのアルバイトをしていることからチャラチャラしている印象は否めず、番組で見せた素振りからもダンサーとしての努力に欠ける印象を受けます。
故郷のベラルーシには兄弟が3人もいて親に頼ることができずに、アルバイトは仕方のないことだと理解できますが、ツィスカリーゼ校長の「バレエは無理です」という言葉は、最も近くで見ていた人の言葉だけに頷けます。
しかし、キリルのコメントを聞いていると、意外と冷静にそして客観的に自分を認識しているように感じるのも事実です。
キリルは、ワガノワでやり残したことがたくさんあり、他人の何十倍も努力すべきだったことに気づくのが遅かったことを後悔していました。
「今後は狂ったように努力する。僕にはバレエしかない。覚悟を決めた。誓うよ。僕は必ずナンバーワンのダンサーになる」。
そう語ったキリルの最後の言葉を信じ、彼の未来を見守りましょう!