ドイツのゼンパー・オーパー・バレエ(ドレスデン国立歌劇場バレエ)は、2021/22シーズンの昇格者を発表し、ファースト・ソリストの藤本佳那子さんがプリンシパルに、コリフェの綱木彩葉さんがセカンド・ソリストに、それぞれ昇格することを発表しました!👏👏👏
藤本佳那子
Kanako Fujimoto
藤本佳那子さんは、大阪のソウダバレエスクールで学び、ドイツのジョン・クランコ・バレエ・スクールへの留学を経て、2008年にゼンパー・オーパー・バレエ(ドレスデン国立歌劇場バレエ)に入団しました。
2017年にセカンド・ソリストに昇格し、2018年にファースト・ソリストに昇格し、2021年にはついにプリンシパルへの昇格が決まりました。
YAGP 2004 – NEW YORK CITY FINALS では、ジュニア部門女性ゴールドメダルを獲得しています。
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アーロン・S・ワトキン&ジェイソン・ビーチェイ版『くるみ割り人形』より 金平糖の精のバリエーションを踊る藤本佳那子さん。
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藤本佳那子さんがプティパ版『パキータ』のバリエーションを踊り、2020年10月に収録された映像です。
参考
2021年は藤本佳那子さんも学んだソウダバレエスクール出身者の活躍が目立ちました。
ヒューストン・バレエ プリンシパルだった飯島望未さんは活動拠点を日本に移しK-BALLET COMPANYの舞台に立ち、8月には正式に入団することが決まっています。
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同じくK-BALLET COMPANYの毛利実沙子さんは5月に上演された『ドン・キホーテ』終演後に2021-2022シーズンからプリンシパル・ソリストに昇格することが発表されました。
【関連記事】K-BALLET COMPANY 毛利実沙子さんと杉野 慧さん、2021-2022シーズンからプリンシパル・ソリストに昇格!
チェコ国立バレエの藤井彩嘉さんは4月1日からプリンシパルに昇格しています。
綱木彩葉
Ayaha Tsunaki
綱木彩葉さんは、広島県出身で、ドイツのハンブルク・バレエ・スクールに留学し、ドイツのパルッカ・シューレ・ドレスデンを卒業しています。
ゼンパー・オーパー・バレエには2014年に入団し、2018にコリフェに昇格し、2021年にセカンド・ソリストへの昇格が決まりました!
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綱木彩葉さんが、アーロン・S・ワトキン版『白鳥の湖』よりパ・ド・セット(7人の踊り)に出演している映像です。
ゼンパー・オーパー・バレエ(ドレスデン国立歌劇場バレエ)
Semperoper Ballett
ドイツ東部のザクセン州の州都ドレスデンを拠点に活動するゼンパー・オーパー・バレエ(ドレスデン国立歌劇場バレエ)は、ドイツの他のカンパニーに比べると日本のバレエファンにはなじみがないかも知れません。
拠点となる劇場は、ゴットフリート・ゼンパーの設計により、ザクセン王国の首都ドレスデンの旧市街に宮廷歌劇場として建設され、ゼンパー・オーパーと呼ばれています。(オーパー Oper はドイツ語でオペラの意)
リヒャルト・ワーグナーが指揮者を務めたこともあり、リヒャルト・シュトラウスのオペラの多くがここで初演された名門歌劇場です。
ドレスデンはエルベ川を挟んで旧市街と新市街に分かれ、旧市街にはバロック様式の聖母教会やツヴィンガー宮殿などの古典建築が立ち並びます。
2006年8月にアーロン・S・ワトキン(Aaron S. Watkin)さんが芸術監督に就任し、古典とコンテンポラリーのバランスの良いプログラムを強みに躍進を続けています。
アーロン・S・ワトキン芸術監督はカナダ出身で、カナダ国立バレエ・スクール、スクール・オブ・アメリカン・バレエなどで学び、ワガノワ、ブルノンヴィル、バランシン、フレンチ、イングリッシュなどの多様なスタイルを経験しています。
カナダ国立バレエ、イングリッシュ・ナショナル・バレエ、オランダ国立バレエを経て世界的に著名な振付家でもあるウィリアム・フォーサイスさんにフランクフルト・バレエのプリンシルとして招かれ、その後、ナチョ・ドゥアトさん率いるスペイン国立ダンス・カンパニーに入団しています。
現代を代表する振付家とのクリエイションも経験し、古典からコンテンポラリーまで造詣が深く、振り付けも手がけています。
ゼンパー・オーパー・バレエは、綱木彩葉さんが卒業したパルッカ・シューレ・ドレスデンとの繋がりが深く、パルッカ・シューレを卒業した山田夏生(やまだ・なつき)さんもコリフェとして活躍しています。
ちなみに、パルッカ・シューレは、ローザンヌ国際バレエコンクールでもおなじみのジェイソン・ビーチェイさんが校長を務め、バレエ、コンテンポラリー、インプロビゼーションが学べる大学です。
また、ゼンパー・オーパー・バレエには世界的に活躍しているデヴィッド・ドウソン(David Dawson)さんも振付家として参加し、バレエ・マスターにはマルセロ・ゴメスさんも参加しています。
デヴィッド・ドウソンさんの作品は日本ではなかなか見る機会がないかもしれませんが、世界的に活躍している振付家で、吉田都さんが新国立劇場バレエ団の芸術監督としての最初のシーズンである2020/2021シーズンのラインアップにも当初はドウソン作品が含まれていました。(新型コロナウイルス感染症の影響により変更)
今回、昇格が発表された藤本佳那子さんと綱木彩葉さんもデヴィッド・ドウソンさんとのクリエイションに参加しています。
ドレスデンは、意外と観光客の満足度も高い古都ですので、新型コロナウイルス感染症収束後には是非、ゼンパー・オーパー・バレエで活躍している日本人ダンサーの応援と観光に訪れていただきたい都市です!