【コンクール結果】YAGP2018(YAGPニューヨーク・ファイナル)

2018年4月に開催されたユース・アメリカ・グランプリ ニューヨーク・ファイナルで松浦祐磨さんがシニア部門男性1位を獲得するなど、日本人が大活躍しました。

この結果はメディアでも大きく取り上げられ、ご存知の方も多いかと思いますが、上位入賞者について少し調べてみました。

ユース・アメリカ・グランプリとは

ユース・アメリカ・グランプリ 日本事務局のサイトの説明によると以下のように説明されています。

「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)は、アメリカをはじめ世界有数のダンススクールで奨学生として学ぶ機会を与える、アメリカで唯一のバレエコンクールです。このコンクールは、毎年ニューヨークで開催され、国籍を問わず9~19才のダンスを学ぶ生徒を対象としています。」

この場でのアピールが世界で活躍するための足がかりになる、そんなコンクールでしょうか。

ユース・アメリカ・グランプリ2018 ニューヨーク・ファイナル結果(抜粋)

YAGP 2018 NYC FINALS – Top Winners – Pre Competitive, Juniors, Seniors

YAGP 2018 NYC FINALS – Top Winners – Pre Competitive, Juniors, Seniors

(YouTube / vamproductions 公式チャンネル)

シニア部門男性1位:松浦祐磨(まつうら・ゆうま)【9:25】

ジュニア部門女性2位:中島 耀(なかじま・よう)【4:02】

ジュニア部門男性2位:末次正樹(すえつぐ・まさき)【4:26】

ジュニア部門女性トップ12:澤野 葵(さわの・あおい)【映像なし】

プリコンペティティブ部門ホープ賞:梨木玲斗(なしき・れいと)【2:25】

上位入賞者

松浦祐磨(シニア部門男性1位)

シニア部門男性1位を獲得した松浦祐磨さんは、東京都立川市出身の15才。

シニア部門の対象が15~19才ということですから、部門内では最年少の快挙です。

松浦さんは決戦の地ニューヨークへ行く直前に足を怪我していたそうですが、怪我を乗り越えてのこの結果は立派なものです。

松浦さんは、現在、東京都立川市のEndo Ballet(エンドウ・バレエ)に在籍し、国内外で活躍する遠藤康行さんに師事されているようです。

バレエ雑誌の『クララ』では、2017年6月号「がんばる人のリアルを調査!みんなのバレエLIFE」のなかで見開き2ページにわたり松浦さんのバレエライフの様子が紹介されています。

取材時は、アサノバレエアート所属になっているようです。

9月からは英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学する予定だそうです。

15才にしてすでにバレエの技術の完成度は非常に高く、甘いマスクとあいまって将来が非常に有望なダンサーではないでしょうか。

中島 耀(ジュニア部門女性2位)

ジュニア部門女性2位を獲得した中島耀さんは、東京都墨田区出身の13才。

中島さんは、2018年3月26日(月)、新宿文化センターにおいて『Ballet Rose in Love Stories(バレエで綴るバレエの恋の物語)』にもプロローグとフィナーレに花売り娘として登場しました。

そのときの記事は ⇒ 【鑑賞レポ】Ballet Rose in Love Stories(バラで綴るバレエの恋の物語)

新国立劇場バレエ団の小野絢子さん、福岡雄大さんをはじめ、第一線で活躍するプロダンサーと一緒に踊られていたわけですが、恐ろしいくらいの実力に驚きました。

中島さんは、東京都墨田区のシンフォニーバレエスタジオに所属されています。

シンフォニーバレエスタジオは、元K-BALLET COMPANYの副智美さん、同じく元K-BALLET COMPANYの浅田良和さんが主催されています。

お二人とも英国・ロイヤル・バレエ・スクールへの留学経験をお持ちです。

中島さんは、モナコ 年間フルスカラシップ、ロイヤルバレエスクール インターナショナルスカラシップ延長を獲得されたそうです。

若干13才ですが、『Ballet Rose in Love Stories』の舞台で拝見し際、技術的にはすでにプロ級だと感じました。

留学を経てすぐにでもプロダンサーとして活躍されることは間違いないでしょう。

中島さんは、バレエ雑誌『Clara(2018年1月号)』でインタビュー記事が掲載されています。

シンフォニーバレエスタジオでは、2018年8月22日(水)にシンフォニーバレエスタジオ 第1回公演(5周年記念公演)「白鳥の湖 全幕」、9月2日(日)にシンフォニーバレエスタジオ 第3回発表会が予定されています。

いずれも会場は、かつしかシンフォニーヒルズ(最寄駅:京成線青戸駅)です。

詳細・最新情報は、シンフォニーバレエスタジオの公式サイトをご確認ください。

⇒ https://symphony-ballet.com/

末次正樹(ジュニア部門男性2位)

ジュニア部門男性2位を獲得した末次正樹さんは、東京都豊島区出身の14才。

元新国立劇場バレエ団の小笠原一真さんと高橋有里さんが主宰するAristo BALLET STUDIO(アリスト バレエスタジオ)に所属しています。

小笠原さんと高橋さんは新国入団前は、海外でも活躍されていた実力はで、現在は、アリスト バレエスタジオを設立し後進の指導にあたっています。

スタジオは2013年の設立以来わずか5年で多くのコンクールでの入賞実績を誇ります。

指導者としても輝かしい活躍をされています。

昨年(2017年)の『第4回Aristo BALLET STUDIO 発表会』では、人気ダンサーの井澤諒さんがゲスト出演されました。

井澤諒さんはK-BALLET COMPANYを退団後、新国立劇場バレエ団入団前というタイミングであり、井澤駿さんとの兄弟出演ということもあり、多くのバレエファンを喜ばせました。

今年の『第5回Aristo BALLET STUDIO 発表会』は、2018年8月11日(土)に武蔵野市民文化会館で開催することが決定しています。

詳細・最新情報は、アリストバレエスタジオの公式サイトでご確認ください。

⇒ http://aristoballetstudio.com/studio/index.html

白雪姫、バヤデール2幕、コンサート、コンクール入賞者によるエキシビジョンなどを予定していますので、今回、YAGP2018で入賞した末次正樹さんも出演するのかが気になるところです。

末次さんは、9月からドイツのジョン・クランコ・バレエ・スクールへの留学が決定したそうです。

ジョン・クランコ・バレエ・スクールといば、シュツットガルト・バレエを世界的バレエ団に押し上げたジョン・クランコ氏が設立した名門校です。

シュツットガルト・バレエは、先月、BSプレミアムシアターで『オネーギン』が放送され、11月には来日公演が予定され、注目が高まっていますが、ジョン・クランコ・バレエ・スクールとももちろん関係が深く、末次さんも将来的にはシュツットガルト・バレエに入団し活躍されることになるのかもしれませんね。

師である小笠原さんは、ベルリン国立バレエスクールに学び、ベルリン国立歌劇場、ハノーファ州立劇場でも活躍されていたこともあります。

そこで培った語学力を活かし、末次さんの入学先であるジョン・クランコ・バレエ・スクールのタデウス・マタッチ校長との交渉でも役立ったようです。

澤野 葵(シニア部門女性トップ12)

ジュニア部門TOP12に入った澤野葵さんは、梨木バレエスタジオに所属しています。

今回の入賞によりモナコ短期スカラーを獲得されています。

澤野さんもシニア部門男性1位を獲得した松浦祐磨さんの記事が掲載された『クララ』2017年6月号の特集ページ(「がんばる人のリアルを調査!みんなのバレエLIFE」)で同じく見開き2ページで紹介されています。

所属する梨木バレエスタジオは、第4回発表会が2018年7月15日(日)に、かつしかシンフォニーヒルズ(最寄駅:京成線青戸駅)で開催されることが決まっていますが、詳細は未定のようです。

詳細・最新情報は、梨木バレエスタジオの公式サイトをご確認ください。

⇒ https://nashikiballet.com/

梨木玲斗(プリコンペティティブ部門ホープ賞)

プリコンペティティブ部門ホープ賞の梨木玲斗くん(11才)は、ジュニア部門TOP12に入った澤野葵さんと同じ梨木バレエスタジオに所属し、今回の入賞によりジョン・クランコ・バレエ・スクール年間スカラシップを獲得されたそうです。

ほかにも多くの方がスカラシップを獲得されています。

今回、上位入賞を果たした方はもちろん、上位に食い込むことができなかった方もさらに精進し、今後、プロのバレエダンサーとして活躍できるよう、頑張っていただきたいと思います。

また、上位入賞者の所属先の情報を見てみると若く優秀な指導者が続々と出てきている印象も受けます。

良い指導者が増え、コンクールでの上位入賞という結果を残し、それに刺激されてバレエを習う子どもたちがさらに熱心に稽古に励み、新たにバレエを習い始める子どもが増えるというような、良い流れがこれからも続いていくことと頼もしく思います。