【TV放送】ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』(プレミアムシアター 2018/10/15)

2018年10月15日(月)【10月14日(日)深夜】放送のNHK BSプレミアムシアターでは、ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』を放送します。

『海賊』はガラ公演やバレエ・コンクールなどで、とくに人気の高い演目であることは間違いありませんが、全幕作品として鑑賞したことのある方は意外と少ないのではないでしょうか。

今回のプレミアムシアターは、そんな『海賊』の全幕を名門ミラノ・スカラ座バレエの上演により鑑賞できる有り難い機会です。

NHK様、有り難うございます!

ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』について

バレエ『海賊』について

バレエ作品『海賊』は、よく知られているようで本当は知られていない演目のように感じます。

「良く知られている」というのは、冒頭でも触れたように、ガラ公演やコンクールで非常に人気のある演目という意味です。

しかし、全幕バレエとしての『海賊』となると、鑑賞したことがある人は少ないのではないでしょうか。

そこでまずは、バレエ『海賊』について、少し振り返ってみたいと思います。

『海賊』は1856年、バイロンの物語詩を題材にジョゼフ・マジリエの振付によりパリ・オペラ座で初演されました。

その後、改訂され、現在上演されている『海賊』の原形は1899年にマリウス・プティパの振付によりマリインスキー・バレエが初演した作品です。

登場人物が多くストーリー展開が複雑で、正しくあらすじを話せる人も少ないほど捉えにくい作品になっているようです。

そういったことが原因の一つなのでしょうか、独自の解釈により新しい演出による作品が多く登場しています。

日本では2007年に初演された熊川哲也版がありますが、ご自身が得意としていたこともあってか跳躍や回転など超絶技巧を駆使し、本来は脇役であるアリが大活躍する演出になっているようです。

今年(2018年)、日本では、独自の解釈による『海賊』が二つ上演されました。

一つは3月に上演された久保綋一芸術監督率いるNBAバレエ団による新制作版であり、もう一つは5月に来日したマニュエル・ルグリ芸術監督率いるウィーン国立バレエ団によるルグリ版です。

久保版『海賊』はオリジナルのシナリオを書き上げ、新たな取り組みがいくつも試みられた意欲作でした。

佐村河内氏のゴーストライターとして一躍有名になった新垣隆さんが作曲した曲も追加されています。

音楽監修・指揮には、新国立劇場バレエ団で指揮もする冨田実里さんを起用し、久保さん、新垣さん、冨田さんの連携により音楽も刷新されました。

また、若手振付家として大きな期待を背負う宝満直也さんは新国立劇場バレエ団から移籍早々、この作品で振付助手を任せられています。

こうした熱意が実を結び、舞台は大成功を収め、高い評価を得ました。

ウィーン国立バレエが上演した『海賊は、芸術監督マニュエル・ルグリさんが初めて手掛けた全幕作品として2016年3月に初演されたものです。

この作品は、アリが登場さえしない、驚きの演出で、その他の登場人物もルグリさんの新たな解釈により従来とは異なる人物設定がなされ、新たな『海賊』として生まれ変わっています。

ガラ公演やコンクールで上演されるメドーラとアリのパ・ド・ドゥしか見たことのない方にとって、今回放送されるプレミアムシアターは、全幕バレエとしての『海賊』を鑑賞する有益な機会です。

新たな演出による作品も魅力的ではありますが、やはり、それらの元となったプティパによる作品にも立ち戻る必要はあると思います。

(なお、放送されるのは純粋なブティパ版ではなく、プティパ版、セルゲイエフ版を原振付とするアンナ・マリー・ホームズ版です)←ややこしいですね。

『海賊』のみどころ

『海賊』はギリシャとトルコ(オスマン帝国)の対立という構図のもとに舞台が展開するためエキゾチックな作品となり異国情緒を楽しめる作品ではないかと思います。

踊りの面では、なんといってもガラ公演などで上演されるメドーラとアリのパ・ド・ドゥが有名ですが、本来の全幕では、コンラッドとメドーラが主でアリはあくまでも脇役のパ・ド・トロワだそうです。

概して、見慣れているパ・ド・ドゥの方がしっくりきそうですが、本来の姿であるパ・ド・トロワがいかなるものか、見比べるのも興味深い気がします。

その他、奴隷商人とギュリナーラのパ・ド・ドゥ、「生ける花園」の女性群舞なども有名な場面のようです。

ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』について

ミラノ・スカラ座バレエが歴史ある名門カンパニーといえども、日本においてはあまりなじみがないように感じます。

しかし、今回コンラッドの友人ビルバントを演じるアントニーノ・ステラさんは小林紀子バレエシアターへの客演も多く、直近では、今年(2018年)の夏に上演されたフレデリック・アシュトン『二羽の鳩』に出演しているので、ご覧になった方も少なくないのでは。

また、メドーラ演じるニコレッタ・マンニさんは、2016年のミラノ・スカラ座バレエ来日公演の際には『ドン・キホーテ』でキトリを踊っています。

Le Corsaire – Trailer (Teatro alla Scala)

(YouTube / Teatro alla Scala 公式チャンネル)

NHK BS プレミアムシアター 放送概要(2018年10月15日)

10月15日のNHK BS プレミアムシアターは、歌劇、バレエ、コンテンポラリーダンスと三つの異なる舞台芸術が放送されます。

モニュメント・アンド・ムーブメント『イン・ワン・コンティニュアス・ビート』の詳細は不明ですが、収録されたフランスのピエールフォン城は、12世紀に建造され、その後、修復された、いかにも中世ヨーロッパらしい城郭で、このお城を見るだけでもワクワクします。

ピエールフォン城公式サイト(英語版) ⇒ http://www.chateau-pierrefonds.fr/en/

残念ながら、それぞれの公演の放送時間は不明です。

◆ 放送日 10月15日(月)【10月14日(日)深夜】午前0時00分~

◆ チャンネル NHK BS プレミアム

◆ 番組名 プレミアムシアター

シャンゼリゼ劇場公演 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」

【演目】 シャンゼリゼ劇場公演 歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』(全3幕)
【作曲】 グルック
【出演】

オルフェオ:フィリップ・ジャルスキー
エウリディーチェ:パトリシア・プティボン
アモーレ:エメケ・・バラート

【合唱】 フランス放送合唱団
【管弦楽】 イ・バロッキスティ
【指揮】 ディエゴ・ファソリス
【演出】 ロバート・カーセン
【収録】 2018年5月28、31日  シャンゼリゼ劇場(パリ)

ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』

【演目】 ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』(全2幕)
【振付】 アンナ・マリー・ホームズ
【原振付】 マリウス・プティパ/コンスタンチン・セルゲイエフ
【音楽】 アドルフ・アダン ほか
【構成】 アンナ・マリー・ホームズ
【編曲】 ケヴィン・ガリエ
【出演】

メドーラ(ギリシャの娘):ニコレッタ・マンニ
ギュリナーラ(メドーラの友人):マルティナ・アルドゥイーノ
コンラッド(海賊の首領):ティモフェイ・アンドリヤシェンコ
ランケデム(奴隷商人):マルコ・アゴスティーノ
ビルバント(コンラッドの友人):アントニーノ・ステラ
アリ(奴隷):マッティア・センペルボーニ ほか

【管弦楽】 ミラノ・スカラ座管弦楽団
【指揮】 パトリック・フルニリエ
【収録】 2018年4月11、16、19日 ミラノ・スカラ座(イタリア)

【追記(2018/10/12)】

NHKの公式サイトには「全2幕」と記載されていますが、ミラノ・スカラ座の公式サイトでは「全3幕(プロローグ、エピローグ付)」と記載されています。

モニュメント・アンド・ムーブメント『イン・ワン・コンティニュアス・ビート』

モニュメント・アンド・ムーブメント『イン・ワン・コンティニュアス・ビート』

【振付】 マリレン・イグレシアス・ブロイカー/リュック・ペットン
【出演】 ル・ゲトゥール・・カンパニー
【収録】 ピエールフォン城(フランス)