【鑑賞レポ】新国立劇場 ステージ・オン・スクリーン『白鳥の湖』(2018年12月5日)

新国立劇場は、2018年12月5日(水)、新国立劇場・中劇場にて「ステージ・オン・スクリーン」を開催し、バレエ『白鳥の湖』オペラ『蝶々夫人』を上映しました。

昨今の流れであるオペラやバレエを映画館で上映する企画を意識したものではないかと思います。

今回のブログでは、上映された2演目のうち筆者が鑑賞したバレエ『白鳥の湖』について感想や今後の期待などを記したいと思います。

新国立劇場はクリスマスの装飾を施し、気分が盛り上がります!

舞台公演映像凱旋上映会「新国立劇場 ステージ・オン・スクリーン」について

2018年7月、日本-スペイン外交関係樹立150周年記念として、新国立劇場とマドリードのテアトロ・レアル(王立劇場)とが連携し、互いの舞台公演映像を上映する企画を実施しました。

この企画が成功したことから、「凱旋上映」としてスペインで上演された新国立劇場の舞台映像のうち2作品、バレエ『白鳥の湖』(2014年2月16日収録)、オペラ『蝶々夫人』(2017年2月5日収録)が上映されました。

「新国立劇場 ステージ・オン・スクリーン」の詳細は、新国立劇場公式サイトをご確認ください。

>>> 「新国立劇場 ステージ・オン・スクリーン」開催のお知らせ

「新国立劇場 ステージ・オン・スクリーン バレエ『白鳥の湖』」鑑賞の感想

今回、上映された『白鳥の湖』は、2014年2月16日に収録された舞台でした。

主演は、オデット/オディール米沢 唯さん、ジークフリート王子菅野英男さんです。

最近は、指導者としての仕事が増え、主演する機会がほとんどなくなった菅野さんの主役の踊りを久し振りに拝見できる機会となったことは有り難いことでした。

約4年半前ということで、その他にも新国を去られたダンサーの踊りも観ることができ、少し懐かしさも感じる上映会でした。

ステージ・オン・スクリーン『白鳥の湖』タイムテーブル感想は舞台映像の感想というよりも「ステージ・オン・スクリーン」という舞台映像を上映する企画について書きたいと思います。

上映は2部構成で、最初に新国立劇場の紹介映像と第Ⅰ・Ⅱ幕の上映があり、次に第Ⅲ・Ⅳ幕の上映がありました。

新国立劇場の紹介映像はYouTubeなどでも公開されている映像です。(新国立劇場の紹介とバレエ団の紹介)

新国立劇場バレエ団プロモーション映像

新国立劇場バレエ団プロモーション映像

(YouTube / 新国立劇場 New National Theatre Tokyo 公式チャンネル)

舞台映像の上映については、舞台そのものの上映のみでした。

よく、DVDやBlu-rayにあるような関係者のインタビューなどの特典映像はありません。

舞台は素晴らしいものでしたが、やはり出演者が実際に目の前にいる訳ではないので、物足りなさ、寂しさといったような気持ちがしました。

それは、カーテンコールのときに、より一層感じました。

やはり、実際に出演者がいない分を補う「何か」が必要なのだと思います。

舞台は素晴らしいものですが、もう一工夫、何かが欲しい、というのが率直な感想です。

【まとめ】「新国立劇場 ステージ・オン・スクリーン」今後の期待について

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」など、最近は、オペラやバレエを映画館で上映する企画が増えていますね。

そのような流れを受けて、新国立劇場でも今後の実施について検討しているようです。

来場者アンケートが実施され、質問項目には新国立劇場の舞台映像を映画館や劇場などで上映することについて問うものもあったことからも実施の検討は間違いないと思います。

感想にも書きましたが、上映内容にもう一手間加えて付加価値を高めないと、映画館で鑑賞するモチベーションを上げるのは少し難しい気がします。

例えば、「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」では、レポーター役を用意し、関係者インタビューなどにより舞台の理解を深め興味をひく工夫がなされていました。

具体的にはダーシー・バッセルという元ロイヤルのプリンシパルなどがレポーターとなり、幕間には舞台袖で実況していました。

リハーサルを取材した映像を流したり、舞台袖にロイヤルの芸術監督であるケビン・オヘアなどの部隊関係者を呼んでインタビューしたりすることにより、舞台への理解が深まることに加えて臨場感を増す効果も実感しました。

とくに、ダーシーの現役時代を思い出し、感情を抑えきれずに興奮気味に話す様子は臨場感を増すことに効果絶大に感じます!

新国立劇場でもこのよう一手間を加えていただけると、非常に魅力的な企画になるかと思います。

英国ロイヤル・バレエには元プリンシパルのダーシー・バッセルという最適なタレントがいます。

新国ではどうでしょうか?

筆者の個人的な意見では小野絢子さんが適役ではないかと考えます。

カンパニーを代表するダンサーであり、ほとんどの舞台で主役を務めて作品に対する知識と経験が抱負であり、なんといってもクレバーな方なので気の利いたコメントができます。

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」の場合は元がライブなので主役がレポートすることはできません。

新国で実施する場合、ライブでなければ後で編集することもできるかと思いますので、その点、小野さんが主役でありレポーターでもあることも可能です。

もちろん、その他にもレポーターとして適役な方はいらっしゃるかと思いますので、是非、新国ダンサー自らが新国立劇場バレエ団の素晴らしさを紹介する取り組みを実施していただきたいと期待しています!!!

新国ダンサー(現役・元)からレポーターを選ぶとしたら、皆さんは誰が適任だと思いますか?

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