英国ロイヤル・バレエ団の日本公演が2019年6月末に上演されますが、高田 茜さんとスティーブン・マックレーさんの怪我による降板を受け、キャスト変更の必要性が生じていました。
東京文化会館で上演される『ドン・キホーテ』のキャスト変更については既に発表されていましたが、6月13日には神奈川県民ホールで上演される〈ロイヤル・ガラ〉についても変更内容が発表されました。
今回は、英国ロイヤル・バレエ団の日本公演のうち、6月29日(土)・6月30日(日)に神奈川県民ホールで上演される〈ロイヤル・ガラ〉の上演作品とキャスト変更後の配役についてお知らせします。
英国ロイヤル・バレエ団〈ロイヤル・ガラ〉上演作品とキャスト変更について
英国ロイヤル・バレエ団の日本公演のうち、6月29日(土)・6月30日(日)に神奈川県民ホールで上演される〈ロイヤル・ガラ〉については、一部の上演作品とキャストしか公表されていませんでしたが、高田 茜さんとスティーブン・マックレーさんの怪我による降板を受け、当初発表されていた内容についても変更する必要性が生じていました。
英国ロイヤル・バレエ団のケヴィン・オヘア芸術監督は、芸術的な観点から熟考を重ね、パートナーシップの問題、他の上演作品との兼ね合いから今回発表された上演内容に変更されました。
演目としては、『三人姉妹』が全編上演に変更され、3つのパ・ド・ドゥが予定されていた『マノン』からは第1幕のパ・ド・ドゥのみの上演に変更され、『白鳥の湖』のパ・ド・ドゥから『オンディーヌ』の パ・ド・ドゥに変更されています。
『白鳥の湖』のパ・ド・ドゥを見ることができなくなり、残念に思っている方も多いかと思います。
しかし、フレデリック・アシュトンがマーゴ・フォンテインのために振り付けたという『オンディーヌ』は日本では鑑賞する機会が少なく、貴重な機会だといえます。
また、バレエ界も国際化が進み、英国ロイヤル・バレエ団にも様々な国籍のダンサーが所属するようになりましたが、フランチェスカ・ヘイワード、エドワード・ワトソンといった英国人プリンシパルのペアが英国人振付家フレデリック・アシュトン振付の『オンディーヌ』を踊るということは、今回の日本公演の中でも英国ロイヤル・バレエ団らしさを最も感じさせるパフォーマンスだとも言えるのだと思うのです。
英国ロイヤル・バレエ団〈ロイヤル・ガラ〉上演作品とキャスト変更後の配役
『三人姉妹(Winter Dreams)』 ※全編上演に変更
■振付:ケネス・マクミラン(Kenneth MacMillan)
■音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Il’yich Tchaikovsky)
■編曲:フィリップ・ギャモン(Phillip Gammon)
■出演:
【6月29日(土)】
サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ、ヤスミン・ナグディ、イツィアール・メンディザバル
【6月30日(日)】
ラウラ・モレーラ、平野亮一、ヤスミン・ナグディ、クレア・カルヴァート
〈マーゴ・フォンテインに捧ぐ〉より
『眠れる森の美女』”ローズ・アダージオ”
■振付:マリウス・プティパ(Marius Petipa)
■音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Il’yich Tchaikovsky)
■出演:【6月29日(土)・6月30日(日)共通】
マリアネラ・ヌニェス
ギャリー・エイヴィス、ニーアマイア・キッシュ、トーマス・ホワイトヘッド、ニコル・エドモンズ
『マノン』より 第1幕のパ・ド・ドゥ ※『マノン』からはこの曲のみの上演に変更
■振付:ケネス・マクミラン(Kenneth MacMillan)
■音楽:ジュール・マスネ(Jules Massenet)
■出演:
【6月29日(土)】ラウラ・モレーラ、平野亮一
【6月30日(日)】ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンタギロフ
『オンディーヌ』より パ・ド・ドゥ ※『白鳥の湖』に代わり本作の上演が決定
■振付:フレデリック・アシュトン(Frederick Ashton)
■音楽:ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(Hans Werner Henze)
■出演:【6月29日(土)・6月30日(日)共通】フランチェスカ・ヘイワード、エドワード・ワトソン
『ロミオとジュリエット』より 第1幕のパ・ド・ドゥ
■振付:ケネス・マクミラン(Kenneth MacMillan)
■音楽:セルゲイ・プロコフィエフ(Sergey Prokofiev)
■出演:【6月29日(土)・6月30日(日)共通】ナターリヤ・オシポワ、セザール・コラレス
『シンフォニー・イン・C』(ジョージ・バランシン振付)
■振付:ジョージ・バランシン(George Balanchine)
■音楽:ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet)
■出演:
【6月29日(土)】
金子扶生、マリアネラ・ヌニェス、崔由姫、ヤスミン・ナグディ
マシュー・ボール、平野亮一、アレクサンダー・キャンベル、ヴァレンティノ・ズッケッティ
【6月30日(日)】
金子扶生、サラ・ラム、マヤラ・マグリ、フランチェスカ・ヘイワード
マシュー・ボール、リース・クラーク、マルセリーノ・サンベ、アクリ瑠嘉
英国ロイヤル・バレエ団2019年日本公演~平野亮一からのメッセージ~
(YouTube / NBS/日本舞台芸術振興会 公式チャンネル)
〈マーゴ・フォンテインに捧ぐ〉について
英国ロイヤル・バレエ団は、プリマ・バレリーナ・アッソルータ*(Prima Ballerina Assoluta)マーゴ・フォンテイン(Margot Fonteyn)の生誕100周年を記念するガラ公演『Margot Fonteyn: A Celebration』を2019年6月8日(土)に上演しました。
*プリマ・バレリーナ・アッソルータはバレリーナ最上位の称号
マーゴ・フォンテインは、英国ロイヤル・バレエ団を代表する伝説的なバレリーナで、『眠れる森の美女』のオーロラ姫などを当たり役としていました。
フレデリック・アシュトンは『オンディーヌ』『シルヴィア』『シンフォニック・バリエーション』を含め、多くの作品をマーゴ・フォンテインのために振り付けています。
ソ連から西側に亡命したルドルフ・ヌレエフとのパートナーシップは伝説として語り継がれています。
英国ロイヤル・バレエ団の日本公演においてもマーゴ・フォンテイン生誕100周年記念ガラ公演で上演された演目から抜粋して上演するようです。