パリ・オペラ座バレエ団の「20/21シーズン プログラム」が発表されました。
コンテンポラリー・ダンスに比重が置かれたラインナップ構成となっているようです。
また、2021年は、パリ・オペラ座バレエ学校出身でパリ・オペラ座バレエ団にも在籍したローラン・プティの死から10周年となることから、プティの功績に敬意を表した公演が用意されています。
パリ・オペラ座バレエ団に振り付けた最初の作品である『ノートルダム・ド・パリ』や「ローラン・プティ へのオマージュ」と題したトリプル・ビルのほか、「パリ・オペラ座・バレエ学校 デモンストレーション」で上演される演目の中にもプティの作品が見受けられます。
【6/28追記】
パリ・オペラ座は、2021年に予定していた舞台設備の改修作業の日程を早めて2020年7月から開始することを発表しました。
20/21シーズンの開幕は、オペラ・バスティーユでは2020年11月、ガルニエ宮では2021年1月に延期されることになりました。
この変更に伴うプログラムの変更については、あらためて発表される予定です。
パリ・オペラ座バレエ団 20/21シーズン プログラム
パリ・オペラ座バレエ団 20/21シーズン プログラムのラインナップは次の通りです。
■シェクター/ロビンズ/パイト(ガルニエ宮/2020年9月21日〜10月17日)
■開幕ガラ公演(ガルニエ宮/2020年9月22日) → 延期(詳細未定)
■シェルカウイ/エイアル/アシュトン(ガルニエ宮/2020年10月26日〜11月14日)
■イリ・キリアン(ガルニエ宮/2020年12月2日〜2021年1月1日)
■パリ・オペラ座・バレエ学校 デモンストレーション(ガルニエ宮/2020年12月5日〜19日)
■『ラ・バヤデール』(オペラ・バスティーユ/2020年12月10日〜2021年1月2日)
■ピーピング・トム《招聘公演》(ガルニエ宮/2021年1月6日〜10日)
■オハッド・ナハリン『Sadeh21』(ガルニエ宮/2021年2月3日〜27日)
■アンジュラン・プレルジョカージュ『ル・パルク』(ガルニエ宮/2021年3月8日〜4月27日)
■パリ・オペラ座バレエ団の若手ダンサー(ガルニエ宮/2021年3月16日〜4月13日)
■『ノートルダム・ド・パリ』(オペラ・バスティーユ/2021年3月26日〜)
■パリ・オペラ座・バレエ学校 デモンストレーション(ガルニエ宮/2021年4月25日〜28日)
■パリ・オペラ座・バレエ学校 ガラ公演(ガルニエ宮/2021年4月29日)
■ローラン・プティ へのオマージュ(ガルニエ宮/2021年5月29日〜6月26日)
■『ロミオとジュリエット』(オペラ・バスティーユ/2021年6月9日〜30日)
パリ・オペラ座バレエ団の 20/21シーズン プログラム 各演目紹介
シェクター/ロビンズ/パイト
SHECHTER / ROBBINS / PITE
■日程:2020年9月21日(月)〜10月17日(土)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間15分(休憩なし)
『ザ・アート・オブ・ナット・ ルッキング・バック』The Art of Not Looking Back
【音楽】ホフェッシュ・シェクター(Hofesh Shechter)、ジョン・ゾーン(John Zorn)、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johan Sebastian Bach)、ニティン・ソーニー(Nitin Sawhney)
【振付】ホフェッシュ・シェクター(Hofesh Shechter)
【衣装】ベックス・アンドリュース(Becs Andrews)
【照明】リー・クラン(Lee Curran)
『イン・ザ・ナイト』In the Night
【音楽】フレデリック・ショパン(Frédéric Chopin)
【振付】ジェローム・ロビンズ(Jerome Robbins)
【衣装】アンソニー・ダウエル(Anthony Dowell)
【照明】ジェニファー・ティプトン(Jennifer Tipton)
『ザ・シーズンズ・カノン』The Seasons’ Canon
【音楽】マックス・リヒター(Max Richter)(ヴィヴァルディ「四季」を編曲)
【振付】クリスタル・パイト(Crystal Pite)
【美術】ジェイ・ゴーワー・テイラー(Jay Gower Taylor)
【衣装】ナンシー・ブライアント(Nancy Bryant)
【照明】トム・フィサー(Tom Visser)
開幕ガラ公演
GALA
■日程:2020年9月22日(火) → 延期(詳細未定)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間30分(休憩2回)
『イン・ザ・ナイト』In the Night
【音楽】フレデリック・ショパン(Frédéric Chopin)
【振付】ジェローム・ロビンズ(Jerome Robbins)
『ザ・シーズンズ・カノン』The Seasons’ Canon
【音楽】マックス・リヒター(Max Richter)
【振付】クリスタル・パイト(Crystal Pite)
『グラン・パ・クラシック』Grand pas classique
【音楽】ダニエル=フランソワ=エスプリ・オベール(Daniel-François E. Auber)
シェルカウイ/エイアル/アシュトン
Cherkaoui / EYAL / ASHTON
■日程:2020年10月26日(月)〜11月14日(土)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間30分(休憩2回)
『シェヘラザード』Shéhérazade
【音楽】ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Nikolaï Rimski-Korsakov)
【振付】シディ・ラルビ・シェルカウイ(Sidi Larbi Cherkaoui)
『牧神の午後』L’Après-midi d’un faune
【音楽】クロード・ドビュッシー(Claude Debussy)
【振付】シャロン・エイアル(Sharon Eyal)
『ラプソディ』Rhapsody
【音楽】セルゲイ・ラフマニノフ(Serguei Rachmaninov)
【振付】Frederick Ashton(フレデリック・アシュトン)
イリ・キリアン
Jiří Kylián
■日程:2020年12月2日(水)〜2021年1月1日(金)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間(休憩なし)
『小さな死』Petite Mort【新制作】
【音楽】ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)
【振付】イリ・キリアン(Jiří Kylián)
『優しい嘘』Doux mensonges
【音楽】ジョージアの伝統音楽、カルロ・ジェズアルド(Carlo Gesualdo)、クラウディオ・モンテヴェルディ(Claudio Monteverdi)
【振付】イリ・キリアン(Jiří Kylián)
『ステッピング・ストーン』Stepping Stones
【音楽】ジョン・ケージ(John Cage)、アントン・ヴェーベルン(Anton Webern)
【振付】イリ・キリアン(Jiří Kylián)
『6つの踊り』Sechs Tänze【新制作】
【音楽】ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)
【振付】イリ・キリアン(Jiří Kylián)
パリ・オペラ座・バレエ学校 デモンストレーション
BALLET SCHOOL DEMONSTRATIONS
■日程:2020年12月5日(土)〜19日(土)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間(休憩なし)
『ラ・バヤデール』(全3幕)
LA BAYADÈRE
■日程:2020年12月10日(木)〜2021年1月2日(土)
■会場:オペラ・バスティーユ
■上演時間:2時間50分(休憩2回)
【音楽】ルートヴィヒ・ミンクス(Ludwig Minkus)
【台本】マリウス・プティパ(Marius Petipa)、セルゲイ・フデコフ(Serguei Khoudekov)
【振付】ルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Noureev)
【編曲】ジョン・ランチベリー(John Lanchbery)
ピーピング・トム(招聘公演)
PEEPING TOM
■日程:2021年1月6日(水)〜10日(日)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:1時間45分(休憩なし)
Diptych: The missing door, The lost room
【芸術監督】フランク・シャルティエ(Franck Chartier)、ガブリエラ・カリーソ(Gabriela Carrizo)
【コンセプト・ステージング】ガブリエラ・カリーソ(Gabriela Carrizo)、フランク・シャルティエ(Franck Chartier)
オハッド・ナハリン『サデ21』
Ohad Naharin Sadeh21
■日程:2021年2月3日(水)〜27日(土)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:1時間50分(休憩なし)
【音楽】
Maxim Waratt
Autechre & The Hafler Trio
Angelo Badalamenti
Gavin Bryars
David Darling
Ohad Fishof
Junko
Jacob Kirkegaard
Jun Miyake
Tomoko Sauvage
【振付】オハッド・ナハリン(Ohad Naharin)
アンジュラン・プレルジョカージュ『ル・パルク』
Angelin Preljocaj LE PARC
■日程:2021年3月8日(月)〜4月27日(火)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:1時間40分(休憩なし)
【音楽】ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)
【振付】アンジュラン・プレルジョカージュ(Angelin Preljocaj)
パリ・オペラ座バレエ団の若手ダンサー
JEUNES DANSEURS DE L’OPÉRA
■日程:2021年3月16日(火)〜4月13日(火)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:未定
『ノートルダム・ド・パリ』(全2幕)
NOTRE-DAME DE PARIS
■日程:2021年3月26日(金)~5月7日(金)
■会場:オペラ・バスティーユ
■上演時間:1時間50分(休憩1回)
【音楽】モーリス・ジャール(Maurice Jarre)
【台本】ローラン・プティ(Roland Petit)
【振付】ローラン・プティ(Roland Petit)
パリ・オペラ座・バレエ学校 デモンストレーション
BALLET SCHOOL DEMONSTRATIONS
■日程:2021年4月25日(日)〜28日(水)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間(休憩なし)
『旅芸人』Les Forains
【台本】ボリス・コフノ(Boris Kochno)
【音楽】アンリ・ソーゲ(Henri Sauguet)
【振付】ローラン・プティ(Roland Petit)
『スカラムーシュ』Scaramouche
【音楽】ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud)
【振付】ジョゼ・マルティネス(José Martinez)
『3楽章の交響曲』SYMPHONIE EN TROIS MOUVEMENTS
【音楽】イーゴリ・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)
【振付】ニルス・ クリステ(Nils Christe)
パリ・オペラ座・バレエ学校 ガラ公演
GALA DE L’ÉCOLE DE DANSE
■日程:2021年4月29日(木)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間(休憩なし)
ローラン・プティ へのオマージュ
HOMMAGE À ROLAND PETIT
■日程:2021年5月29日(土)〜6月26日(土)
■会場:ガルニエ宮
■上演時間:2時間30分(休憩なし)
『若者と死』Le Jeune homme et la Mort
【音楽】ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johan Sebastian Bach)
【台本】ジャン・コクトー(Jean Cocteau)
【振付】ローラン・プティ (Roland Petit)
『カルメン』Carmen
【音楽】ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet)
【振付】ローラン・プティ (Roland Petit)
『ランデヴー』Le rendez-vous
【音楽】ジョゼフ・コズマ(Joseph Kosma)
【振付】ローラン・プティ (Roland Petit)
『ロミオとジュリエット』(全3幕)
ROMEO AND JULIET
■日程:2021年6月9日(水)〜30日(水)
■会場:オペラ・バスティーユ
■上演時間:3時間5分(休憩2回)
【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ(Serguei Prokofiev)
【振付】ルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Noureev)
最後に
今回は、パリ・オペラ座バレエ団 20/21シーズン プログラムのラインナップを紹介しました。
短い予告編動画を見ているだけでもパリ・オペラ座バレエ団の素晴らしさに引き込まれてしまいますね。
パリ・オペラ座バレエ団の20/21シーズンは、2020年12月から始まった年金制度改革に抗議する大規模ストライキが続く中、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大するなど、本拠地パリでは上演できない状況が続いています。
そういった状況下で行われた2〜3月の日本公演は奇跡のような出来事でした。
これは、日本の観客のみならず、パリ・オペラ座バレエ団のダンサーやスタッフにとってもかけがえのない時間だったのではないでしょうか。
一刻も早く新型コロナウイルスによる問題が収束し、フランスの年金制度改革の問題も解決し、パリ・オペラ座バレエ団が素晴らしい舞台を上演できる平和な日常の訪れが待ち望まれます。