2022年4月17日(日)午後11時20分から放送されるNHK BS プレミアムの「プレミアムシアター」では、クラシック・バレエの不朽の名作『白鳥の湖』を基にした作品が一挙に放送されます。
世界的に著名な振付家たちが『白鳥の湖』を独自に解釈し、全く新たな作品として生み出しています。
NHK BS プレミアム
プレミアムシアター
放送概要 |
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2022年4月17日(日)午後11時20分~午前4時22分 ◇本日の番組紹介(午後11時20分~午後11時24分) ◇ゴーティエ・ダンス「スワン・レイクス」(午後11時24分~午前0時36分) ◇マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(2018年版)【再放送】(午前0時36分~午前2時45分) ◇モナコ公国モンテカルロ・バレエ「LAC~白鳥の湖~」【再放送】(午前2時46分30秒~午前4時22分) |
ゴーティエ・ダンス
「スワン・レイクス」
「ゴーティエ・ダンス // ダンス・カンパニー・シアターハウス・シュトゥットガルト」が、ホフェッシュ・シェクター、カイェターノ・ソト、マルコ・ゲッケという現代を代表する振付家3人にバレエ『白鳥の湖』を基とした創作を委嘱しました。
ゴーティエ・ダンスの芸術監督エリック・ゴーティエは、元シュトゥットガルト・バレエのソリストで、振付家としても彼の作品がベルリン国立バレエ、マリインスキー・バレエ、シュトゥットガルト・バレエ、オランダ国立バレエといった世界的なカンパニーのレパートリーとなるなど、高く評価されています。
「スワン・ケイク」振付・音楽のホフェッシュ・シェクターはイスラエル出身の振付家で、バットシェバ舞踊団等を経て、ホフェッシュ・シェクター・カンパニーを設立し、英国・ロンドンを拠点に活動しています。
2015年には英国ロイヤル・バレエの委嘱により『Untouchable』を振り付けています。
「7人のダンサーのための無題」を振り付けたカイェターノ・ソトは、スペイン・バルセロナ出身で、シュトゥットガルト・バレエ、ネザーランド・ダンス・シアター、王立フランダース・バレエ団、チューリッヒ・バレエ等から創作を委嘱されている注目の振付家です。
2021年8月に「バレエ・アステラス2021」において新国立劇場バレエ研修所の研修生たちが『Conrazoncorazon』を上演してソト作品日本初上陸となり、2022年3月にはスターダンサーズ・バレエ団と貞松・浜田バレエ団とが『Malasangre』を共同制作しており、日本でも注目され始めています。
日本の公演の際に振付指導を行った新井美紀子さんは、カイェターノ・ソトのアシスタントとして活躍していることもあり、今後、日本でもソト作品の上演機会が増えるのではないでしょうか。
「シャラ・ヌール」を振り付けたマルコ・ゲッケは、オランダのハーグ王立コンセルヴァトワールで学び、べルリンのシアター・ハーゲンでダンサーとして活動した後、シュトゥットガルト・バレエの常任振付家となり、シュトゥットガルト・バレエの他、ハンブルク・バレエ、ネザーランド・ダンス・シアター、チューリヒ・バレエ等に振り付けています。
世界的な評価の割には日本での上演機会は少ないように感じます。
なお、ゴーティエ・ダンスには山本勝利さんも参加しており、この収録映像にも登場するかもしれません。
ゴーティエ・ダンス 「スワン・レイクス」 |
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「スワン・ケイク」 Swan Cake 【振付・音楽】ホフェッシュ・シェクター 「7人のダンサーのための無題」 UNTITLED FOR 7 DANCERS 【振付】カイェターノ・ソト 【音楽】ピーター・レクソン 「シャラ・ヌール」 SHARA NUR 【振付】マルコ・ゲッケ 【音楽】ビョーク 【出演】ゴーティエ・ダンス 【収録】2021年6月27・28日 シアターハウス・シュトゥットガルト(ドイツ・シュトゥットガルト) |
マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(全3幕)(2018年版)【再放送】
1995年に初演された「マシュー・ボーンの『白鳥の湖』」は、白鳥を男性が演じるという斬新な演出で話題を呼び、当時の英国ロイヤル・バレエ・プリンシパル、アダム・クーパーが主役のスワン/ストレンジャーを演じたこともあり、世界中で大ヒットしました。
クラシック・バレエの『白鳥の湖』では、女性ダンサーが白鳥(オデット)と黒鳥(オディール)を演じますが、「マシュー・ボーンの『白鳥の湖』」では、独自の演出で、男性ダンサーが眼光鋭い荒々しい白鳥とレザーパンツの謎めいた黒鳥を力強く演じます。
母の愛を知らずに育った王子が絶望して命を絶とうとしたとき、一羽の雄々しい白鳥が現れ、救いを見出します。
ロットバルトは女王の執事(秘書)という設定となり、王子にプレッシャーをかけて追い込んでいきます。
1995年の初演から20年以上が経ち、2018年には新演出版が公開されました。
新演出版は、古くからのファンにも配慮したということで大きな変更は加えられていませんが、レズ・ブラザーストンによる舞台装置や衣装は手直され、照明にポール・コンスタブルを迎えて新鮮なアプローチが施されるなど、リフレッシュされています。
1995年の初演時にはアダム・クーパーが主演し話題となりましたが、新演出版では英国ロイヤル・バレエでプリンシパルに昇格したばかりのマシュー・ボールも主演し大きな話題となりました。
今回放送される映像では、2014年にニュー・アドベンチャーズ加入し、『シンデレラ』でも主役のパイロット、ハリー演じたウィル・ボジアーがスワン/ストレンジャーを演じています。
マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(全3幕)(2018年版) |
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【音楽】チャイコフスキー 【演出・振付】マシュー・ボーン 【出演】 スワン/ストレンジャー:ウィル・ボジアー 王子:リアム・ムアー 女王:ニコル・カベラ ガールフレンド:カトリーナ・リンドン 秘書:グレン・グラハム ほか ニュー・アドベンチャーズ 【管弦楽】ニュー・アドベンチャーズ管弦楽団 【指揮】ブレット・モリス 【収録】2019年1月10日 サドラーズ・ウェルズ劇場(英国・ロンドン) |
モナコ公国モンテカルロ・バレエ
「LAC~白鳥の湖~」(全3幕)【再放送】
モナコ公国モンテカルロ・バレエ「LAC~白鳥の湖~」は、同カンパニーの芸術監督であり鬼才の振付家としても名高いジャン・クリストフ・マイヨーが、クラシック・バレエ『白鳥の湖』を基に創作し、2011年に初演されました。
白鳥を愛する王子が黒鳥に騙されて愛を誓ってしまい悲劇を迎えるというバレエ『白鳥の湖』のストーリーを踏襲しながらも、白鳥と王子とによる愛の構図に加えて、悪魔ロットバルトの代わりに登場させる夜の女王と王妃とによるネガティブな関係性の構図も持ち込まれています。
本作はジャン・クリストフ・マイヨーによる女性へのトリビュートであり、女性の持つ、鋭敏さ、美しさ、恐怖等といったものを描いており、登場する男性のキャラクターは王、王子、王子の友人(相談役)の3人のみとなっています。
ジャン・クリストフ・マイヨー自身はクラシック・バレエ出身で『白鳥の湖』の王子も踊ったことがあり作品を熟知していますが、全く異なる解釈で創作するため、台本は、あえてバレエ『白鳥の湖』のことを全く知らなかったという作家のジャン・ルオー(フランスで権威のある文学賞のゴンクール賞受賞作家)に依頼したそうです。
モナコ公国モンテカルロ・バレエ 「LAC~白鳥の湖~」(全3幕) |
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【音楽】チャイコフスキー 【振付】ジャン・クリストフ・マイヨー 【台本】ジャン・ルオー 【出演】 夜の女王:ベルニス・コピエテルス 白鳥:アニヤ・ベーレント 黒鳥:エープリル・バール 王子:ステファン・ボルゴン 王:アルバロ・プリエト 王妃:小池ミモザ 王子の友人(相談役):イェルン・フェアブルッヘン ほか モンテカルロ・バレエ 【管弦楽】セントルイス交響楽団 【指揮】レナード・スラットキン 【収録】2013年1月 グリマルディ・フォーラム(モナコ公国・モンテカルロ) |