2019年9月16日(月)【9月15日(日)深夜】の NHK BS プレミアムシアターは、2019年7月に日本公演で上演されたエイフマン・バレエ「『ロダン』~魂を捧げた幻想」を放送します。
「考える人」で有名な彫刻家ロダンと彼の弟子であり、愛人、ミューズであるカミーユ・クローデルの物語を男性は184cm以上、女性は173cm以上という長身ダンサーたちが感情表現豊かに演じる圧巻の舞台です!
また、現在開催中(9月23日まで)でロダンの作品も数多く展示されている「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」についても紹介します。
エイフマン・バレエ「『ロダン』~魂を捧げた幻想」/プレミアムシアター
プレミアムシアター 2019年9月16日(月)【9月15日(日)深夜】放送概要
■放送日時:2019年9月16日(月)【9月15日(日)深夜】00:00~
■放送チャンネル:NHK BS プレミアム
■放送内容:
◇本日の番組紹介(0:00:00~0:04:00)
◇バレエ 『ロダン』~魂を捧げた幻想(全2幕)(0:04:00~1:36:00)
◇マドリード・レアル劇場公演 歌劇『イドメネオ』(1:38:00~4:35:00)
エイフマン・バレエ「『ロダン』~魂を捧げた幻想」(全2幕)放送概要
■音楽:
ジョゼフ=モーリス・ラヴェル Joseph-Maurice Ravel
シャルル・カミーユ・サン=サーンス Charles Camille Saint-Saëns
ジュール・エミール・フレデリック・マスネ Jules Emile Frédéric Massenet
クロード・アシル・ドビュッシー Claude Achille Debussy
エリック・アルフレッド・レスリ・サティ Érik Alfred Leslie Satie
■台本・振付・演出:ボリス・エイフマン Boris Eifman
■出演:
ロダン:オレグ・ガブィシェフ Oleg Gabyshev
カミーユ:リュボーフィ・アンドレーエワ Lyubov Andreyeva
ローズ・ブーレ:リリア・リシュク Lilia Lishchuk
ほか エイフマン・バレエ団 St. Petersburg Eifman Ballet
■収録:2019年7月18・19日 東京文化会館 大ホール
エイフマン・バレエ「『ロダン』~魂を捧げた幻想」について
エイフマン・バレエ「『ロダン』~魂を捧げた幻想」(全2幕)
(原題:Rodin, Her Eternal Idol)
エイフマン・バレエ「『ロダン』~魂を捧げた幻想」は、「地獄の門」「考える人」などの作品で知られるフランスの彫刻家フランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン François-Auguste-René Rodin と彼の弟子であり、愛人、ミューズであるカミーユ・クローデル(Camille Claudel)という二人の偉大な彫刻家を描いた作品です。
ロダンにとって才能豊かで若く美しいカミーユの存在は非常に大きいものの、二人の関係は破局を迎え、ロダンは妻ローズのもとへと戻り、カミーユは精神を病み精神病院で最期を迎えます。
「『ロダン』~魂を捧げた幻想」は2011年に初演されました。
カミーユ役のリュボーフィ・アンドレーエワは、すでに振付がはじまっていた2011年に入団しますが、残りの部分は彼女に振り付けられ、以降、エイフマンのミューズとなっています。
そのためもあってか、「『ロダン』~魂を捧げた幻想」再演時にはあらためて振付を行い、初演時とは全く異なる作品のようになっているそうです。
エイフマン作品は豊かな感情表現が求められますが、リュボーフィ・アンドレーエワの印象的な「目」の表現に注目です。
広い劇場では、目による表現までつぶさに鑑賞できる席は限られていますので、ダンサーの顔の表情までアップで捉えられるテレビ放送では、細かい感情表現までしっかりと鑑賞したいところですね。
タイトルロールを演じるオレグ・ガブィシェフは、2010年3月に新国立劇場バレエ団がボリス・エイフマンの『アンナ・カレーニナ』を上演したときに客演しています。
彼もエイフマンの創作には欠かせないダンサーです。
直接的な動きではなく踊りで表現したという彫刻家ロダンの創作過程も見どころではないでしょうか。
ロダンという彫刻家と彼の作品は広く知られていますが、彼の弟子、愛人、ミューズとしてカミーユ・クローデルという才能ある彫刻家の存在はほとんど知られていません。
この作品を見終えたとき、カミーユ・クローデルの存在に思いを馳せ、ロダンの人間性と芸術作品の創造という問題を考えさせられそうです。
Boris Eifman’s Rodin – Official Trailer (2014)
(YouTube / eifmanballetspb 公式チャンネル)
エイフマン・バレエについて
エイフマン・バレエ(St. Petersburg Eifman Ballet)は1977年にボリス・エイフマンにより設立されました。(設立当初の名称は Leningrad New Ballet)
一般的には取り扱われないテーマを取り上げ、「心理的バレエ(“psychological ballet”)」と呼ばれる心理描写を特徴とした作品を創作しレパートリーにしています。
ダンサーには豊かな表現のために高身長であることが求められ、男性は184cm以上、女性は173cm以上の身長が必要です。
2013年にはボリス・エイフマン・ダンス・アカデミー(Boris Eifman Dance Academy)が創立され、ダンサー育成にも力を入れます。
また、エイフマンが新たな舞踊芸術の中心地として構想した劇場(Boris Eifman Dance Palace)も近い将来開館予定です。
ロダン作品について
「ロダン~魂を捧げた幻想」を鑑賞し、ロダンとカミーユの作品について興味を持った方も少なくないのでは。
来日公演の主催者「ジャパン・アーツ」公式サイトでは、舞踊鑑賞ライター西原朋未先生が舞台に登場するロダンとカミーユの彫刻作品について紹介しています。
→ エイフマン・バレエ「ロダン」の世界をもっと楽しむ ロダンとカミーユの彫刻
「『ロダン』~魂を捧げた幻想」の作品中にも登場するロダンの代表作「地獄の門」は、ダンテの『神曲』に想を得て制作され、有名な「考える人」はこの作品の一部分です。
当初、新たに建設される美術館入口の門扉の制作をフランス政府からの依頼により制作されましたが、実際には使用されず、ロダンの死後に鋳造が実現され、世界に7つのブロンズが存在し、東京・上野の国立西洋美術館(松方コレクション)にも所蔵されています。
(参考サイト:国立西洋美術館 作品紹介 オーギュスト・ロダン 地獄の門)
【参考】国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展
2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝)の期間、国立西洋美術館では、松方コレクション展を開催しており、ロダン作品も数多く展示されています。
■会期:2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝)開館時間:9:30~17:30
・毎週金・土曜日:9:30~21:00
・入館は閉館の30分前まで
■会場:国立西洋美術館 企画展示室
■観覧料金:一般1,600円/大学生1,200円/高校生800円
■展示されているロダンの作品(○印:バレエに登場する作品)
○「地獄の門」
「《地獄の門》のマケット(第三構想)」
○「考える人」
「接吻」
「私は美しい」
「瞑想」
「フギット・アモール」
「円柱の上のスフィンクス」
「緑の女」
「裸の女」
「裸の女たち」
「立つ女」
■公式サイト:国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展