新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』開幕直前 木村優里さんに注目!

新国立劇場バレエ団では2017年5月5日(金・祝)から、チャイコフスキー作曲による3大バレエの一つである『眠れる森の美女』を上演します。

全5公演のうち、唯一、2公演で主役を踊るのは、先日、平成28年度(第67回)芸術選奨を受賞された米沢唯さんと、英国ロイヤルバレエ プリンシパルのスーパースター ワディム・ムンタギロフさんのペアです。

16/17シーズンからソリストとして入団し、昨年(2016年)末に『シンデレラ』で全幕主役デビューを果たし、これからの活躍が期待されている池田理沙子さんは、奥村康祐さんと組み7日(日)に出演します。

小野絢子さんと福岡雄大さんは千秋楽の13日(土)に出演します。この組み合わせは1公演のみですが、新国立劇場バレエ団の看板ペアとして安定した貫禄の舞台を見せてくれることでしょう。

そして、第48回舞踊批評家協会新人賞を受賞された新国立劇場バレエ研修所 第10期修了生の木村優里さんは井澤駿さんと組んで、ついに新国でのオーロラ姫デビューを果たします。

木村さんは、研修所を修了したばかりの2015年6月新国公演『白鳥の湖』においてルースカヤを踊り、その見事な踊りで多くのバレエファンを魅了しました。

感慨深いのは、木村優里さんは今から10年前の2007年2月に新国が上演したセルゲーエフ版の『眠れる森の美女』にも子供時代に出演していて、10年の時を経て今度はオーロラ姫として新国の舞台に立つことです。

10年前に舞台に立ったときの木村さんは、きれいな衣装を身にまとい華麗に舞うプロダンサーの踊りを憧れの眼差しで見つめ、自分もいつか新国立劇場バレエ団に入団してプロとしてこの舞台に立ちたい、と子供ごころに決意を新たにしていたのではないでしょうか。

そしてときは流れ、セルゲーエフ版でこそありませんが、ウェイン・イーグリング版『眠れる森の美女』に主役として新国立劇場の舞台に立つのです。

木村さんはどのような気持ちで舞台に上がるのでしょうか。そんな心境を想像しながら舞台を観ると、少し違った視点から感情移入して舞台を観てしまいそうな気がします。

今回、舞台が近づいてきたため予習のつもりで過去の公演パンフレットを見ていたら、偶然にもこんな事実を発見しました。驚きとともに長く舞台を観ているとこうした歴史の証人になる機会に恵まれるものだと嬉しく思いました。

皆さんも是非、劇場に足を運んでみてください。そして歴史が作られる瞬間に立ち会ってください。あなたが見た子役が数年後には、主役として輝いているかも知れませんよ。