英国ロイヤル・バレエ団2019/20シーズン ラインアップを紹介

日本でも不動の人気を誇り、2019年6月には日本公演を控えている英国ロイヤル・バレエ団2019/20シーズンラインアップが発表されています。

2018年に新制作され、ブノワ賞で男性ダンサー部門、美術部門を受賞したリアム・スカーレット版『白鳥の湖』が早くも再演され、英国ロイヤル・バレエ団創設者ニネット・ド・ヴァロア版『コッペリア』がクリスマスに上演されレパートリーに復活することなどが気になります。

また、常任振付家ウェイン・マクレガーの新作『ダンテ・プロジェクト』リアム・スカーレット新作をはじめ、内外の振付家による新作の発表が予定されているほか、英国ロイヤル・バレエ団の多様性を実感させるプログラムが用意され、伝統と革新、国際的な広がりを持った構成が印象的です。

(注)Live Cinema Season(映画館上映)の日程は英国などでの日程です。日本での上映演目・日程は配給元の東宝東和により発表されます。
(注)人物名、作品名などの日本語表記は一般的と思われる呼称を使用するように心がけました。

英国ロイヤル・バレエ団 2019/20シーズン ラインアップ

『マノン(Manon)』

マクミランのバレエ『マノン』は、マスネ(Massenet)やプッチーニ(Puccini)によりオペラが制作されていた18世紀のフランス人作家アベ・プレヴォ(Abbé Prévost)の小説『マノン・レスコー』を元にしています。
バレエは1974年3月7日に初演され、主役のマノンとデ・グリューは、アントワネット・シブリー(Antoinette Sibley)とアンソニー・ダウエル(Anthony Dowell)によって踊られ、すぐさま主要なレパートリーになり、大人のドラマティックバレエの試金石となりました。

■日程:2019年10月2日~11月7日
■会場:メイン・ステージ

■上演時間:2時間50分(休憩2回)
■振付:ケネス・マクミラン(Kenneth MacMillan)
■音楽:ジュール・マスネ(Jules Massenet)
■指揮:マーティン・イェーツ(Martin Yates)

Manon trailer (The Royal Ballet)

(YouTube / Royal Opera House 公式チャンネル)

『クロス・カレント(Cross Currents)』
『モノトーンII(Monotones II)』
タノヴィッツ新作(New Tanowitz)

身体と動作と音楽の関係性を再構築した伝説的なアメリカ人振付家マース・カニングハム(カニンガム)生誕100年記念を祝い、タノヴィッツ新作、アシュトン作品、カニングハム自身の作品を上演します。

■日程:2019年10月11日~12日
■会場:リンバリー・シアター

■上演時間:約45分(休憩なし)

『クロス・カレント(Cross Currents)』
■振付:マース・カニンガム( Merce Cunningham)
■音楽:コンロン・ナンカロウ(Conlon Nancarrow)

『モノトーンII(Monotones II)』
■振付:フレデリック・アシュトン
■音楽:エリック・サティ

タノヴィッツ新作(New Tanowitz)
■振付:パム・タノヴィッツ(Pam Tanowitz)

Monotones II – Pas de trois (The Royal Ballet)

(YouTube / Royal Opera House  公式チャンネル)

『コンチェルト(Concerto)』
『エニグマ・ヴァリエーション(Enigma Variations)』
『ライモンダ』第3幕(Raymonda Act III)

英国ロイヤル・バレエ団の古典作品の原点から英国バレエを世界の舞台に押し上げたロイヤル出身の振付家まで、バレエ団の多様性を浮かび上がらせるミックス・プログラムです。
プティパの『ライモンダ』第3幕はロシア古典バレエを代表し、アシュトンの『エニグマ・ヴァリエーション』はあらゆる点において典型的な英国流バレエの神髄を表し、マクミランの古典的な技術と現代的な精神の融合によって
英国ロイヤル・バレエ団の遺産の幅広さを完成させます

■日程:2019年10月23日~11月21日
■会場:メイン・ステージ
■Live Cinema Season(
映画館上映):2019年11月5日(火)

『コンチェルト(Concerto)』
■振付:ケネス・マクミラン
■音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ

『エニグマ・ヴァリエーション(Enigma Variations)』
■振付:フレデリック・アシュトン
■音楽:エドワード・エルガー

『ライモンダ』第3幕(Raymonda Act III)
■振付:ルドルフ・ヌレエフ
■音楽:アレクサンドル・グラズノフ

『眠れる森の美女』(The Sleeping Beauty)

第二次世界大戦後の1946年、ロイヤル・オペラ・ハウスが再開して最初に上演したバレエ『眠れる森の美女』は、英国ロイヤル・バレエ団にとって特別なレパートリーです。
マーゴ・フォンテイン(Margot Fonteyn)がオーロラ姫を踊り、ロバート・ヘルプマン(Robert Helpmann)がフロリムント王子を踊りました。
60年後の2006年に当時の芸術監督モニカ・メイスン(Monica Mason)とクリストファー・ニュートン(Christopher Newton)が1946年の舞台を復活させました。

■日程:2019年11月8日~2020年1月17日
■会場:メイン・ステージ
■Live Cinema Season(映画館上映):2020年1月16日(木)
■上映時間:約3時間(休憩2回)
■振付:マリウス・プティパ
■追加振付:フレデリック・アシュトン、アンソニー・ダウエル、クリストファー・ウィールドン
■音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
■オリジナル・デザイン:オリヴァー・メッセル(Oliver Messel)
■追加デザイン:ピーター・ファーマー(Peter Farmer)

The Sleeping Beauty trailer (The Royal Ballet)

(YouTube / Royal Opera House  公式チャンネル)

『コッペリア(Coppélia)』

英国ロイヤル・バレエ団(前身はヴィック・ウェルズ・バレエ/サドラーズ・ウェルズ・バレエ)を設立したニネット・ド・ヴァロアが振り付けた『コッペリア』がレパートリーに復活し、クリスマスシーズンに上演されます。

■日程:2019年11月28日~2020年1月8日
■会場:メイン・ステージ
■Live Cinema Season(映画館上映):2020年12月10日(火)
■振付:ニネット・ド・ヴァロア(Ninette de Valois)(レフ・イワーノフ〈Lev Ivanov〉/エンリコ・チェケッティ〈Enrico Cecchetti〉版に基づく)
■音楽:レオ・ドリーブ(Léo Delibes)
■台本:
シャルル・ニュイッテル(Charles Nuitter )/アルテュール・サン=レオン(Arthur Saint-Léon)

『オネーギン(Onegin)』

ジョン・クランコは1952年に、アレクサンドル・プーシキンの韻文小説を題材としたチャイコフスキーのオペラ『エフゲニー・オネーギン(エフゲニ・オネーギン)』のバレエの部分を振り付けた経験があります。
1965年には、ドイツ・シュツットガルト・バレエ団にバレエ『オネーギン』(全3幕)を振り付けましたが、音楽はクルト=ハインツ・シュトルツェに依頼しチャイコフスキーの他の楽曲を編曲して使用しています。
『オネーギン』は物語バレエの傑作としてクランコの代表作となっています。

■日程:2020年1月18日~3月1日
■会場:メイン・ステージ
■上演時間:約2時間30分(休憩2回)
■振付:ジョン・クランコ
■音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
■編曲:クルト=ハインツ・シュトルツェ
■美術:ユルゲン・ローゼ(Jürgen Rose)

Thiago Soares and Valeri Hristov on why Onegin is a masterpiece (The Royal Ballet)

(YouTube / Royal Opera House  公式チャンネル)

マーストン新作(New Marston)
スカーレット新作(New Scarlett)

マーストンとスカーレットによる世界初演作品です。
キャシー・マーストンは、1975年、英国ニューカッスル生まれの振付家で、英国ロイヤル・バレエ・スクール・アッパースクールなどで学び、2002年から2007までは、ロイヤル・オペラ・ハウスのアソシエイト・アーティストを務めました。
スイス・ベルン・バレエで
芸術監督を務めるなど、国際的に活躍しています。
彼女の英国ロイヤル・バレエ団メイン・ステージでの作品は、
英国の夭折の天才チェリストであり、世界的な指揮者・ピアニストのダニエル・バレンボイムの妻でもあったジャクリーヌ・デュ・プレ(Jacqueline du Pré)の人生に想を得ています。
スカーレットの新作の内容は明らかになっていません。

■日程:2020年2月18日~3月5日
■会場:メイン・ステージ
■Live Cinema Season(映画館上映):2020年2月5日(火)

マーストン新作(New Marston)
■振付:キャシー・マーストン(Cathy Marston)
■台本:キャシー・マーストン/エドワード・ケンプ(Edward Kemp)
■音楽:フィリップ・フィーニー(Philip Feeney)
■出演予定:
ローレン・カスバートソン(Lauren Cuthbertson)
マシュー・ボール(Matthew Ball)
カルヴァン・リチャードソン( Calvin Richardson)

スカーレット新作(New Scarlett)
■振付:リアム・スカーレット(Liam Scarlett)
■出演予定:
マリアネラ・ヌニェス(Marianela Nuñez)
ラウラ・モレーラ(Laura Morera)
スティーヴン・マックレー(Steven McRae)
ウィリアム・ブレイス ウェル(William Bracewell)

『白鳥の湖(Swan Lake)』

2018年に新制作されたリアム・スカーレットの『白鳥の湖』は、マリウス・プティパ/レフ・イワーノフの振付に忠実でありながらも独自の解釈により新たな息が吹き込まれました。
この作品でワディム・ムンタギロフとジョン・マクファーレンはブノワ賞を受賞しています。

■日程:2020年3月6日~5月17日
■会場:メイン・ステージ
■Live Cinema Season(映画館上映):2020年4月1日(水)
■上演時間:約3時間(休憩2回)
■振付:リアム・スカーレット(マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ版に基づく)
■追加振付:フレデリック・アシュトン
■制作:リアム・スカーレット
■美術:ジョン・マクファーレン

Swan Lake trailer (The Royal Ballet)

(YouTube / Royal Opera House  公式チャンネル)

『ライブ・ファイアー・エクササイズ(Live Fire Exercise)』
演目名未定
『コリュバンテスの遊戯(Corybantic Games)』

ウェイン・マクレガー、クリストファー・ウィールドン及び今後予定による3つのコンテンポラリー作品によるミックス・プログラムです。
音楽はマイケル・ティペットとレナード・バーンスタインです。
■日程:2020年4月3日~4月21日
■会場:メイン・ステージ

『ライブ・ファイアー・エクササイズ(Live Fire Exercise)』
■振付:ウェイン・マクレガー(Wayne McGregor)
■音楽:マイケル・ティペット(Michael Tippett)

『コリュバンテスの遊戯(Corybantic Games)』
■振付:クリストファー・ウィールドン(Christopher Wheeldon)
■音楽:レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)
■衣装:アーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)

How Erdem Moralioglu and Christopher Wheeldon created Corybantic Games for The Royal Ballet

(YouTube / Royal Opera House  公式チャンネル)

 

『ダンテ・プロジェクト(The Dante Project)』

ウェイン・マクレガーの新作は、受賞歴のある制作陣とのコラボにより、イタリアの詩人ダンテの代表作『神曲』に挑みます。
制作陣は、世界的に活躍する英国人作曲家・指揮者・ピアニストのトーマス・アデス、美術家タシタ・ディーン、ウェイン・マクレガー代表作『クロマ(Chroma)』『インフラ(Infra)』『ウルフ・ワークス(Woolf Works)』などを含むマクレガー作品を多く担当している照明のルーシー・カーター、『ウルフ・ワークス』の脚本でロイヤル・バレエにデビューした脚本家ウズマ・ハミードらです。

■日程:2020年5月7日~6月2日
■会場:メイン・ステージ
■Live Cinema Season(映画館上映):2020年5月28日(木)
■振付:ウェイン・マクレガー(Wayne McGregor)
■音楽:トーマス・アデス(Thomas Adès)
■美術:タシタ・ディーン(Tacita Dean)
■照明:ルーシー・カーター(Lucy Carter)、サイモン・ベニソン(Simon Bennison)
■脚本:ウズマ・ハミード(Uzma Hameed)

 

『トンボー(Tombeaux)』
『プレリュード(Preludes)』
『シンフォニック・ダンス(Symphonic Dances)』

英国ロイヤル・バレエ団のために作られらたデヴィッド・ビントレー、アレクセイ・ラトマンスキー、リアム・スカーレットによる3つの現代作品です。

■日程:2020年6月4日~6月13日
■会場:メイン・ステージ

『トンボー(Tombeaux)』
『トンボー』は、ビントレーがフレデリック・アシュトンと英国バレエの伝統に対するトリビュートとして、彼がバーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督に就任前に制作された重要な作品です。
英国ロイヤル・バレエ団は、デヴィッド・ビントレー氏がバーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督退任に際し、感謝の気持ちを込めて復活上演します。

■振付:デヴィッド・ビントレー(David Bintley)
■音楽:ウィリアム・ウォルトン(William Walton)

『プレリュード(Preludes)』
アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のアーティスト・イン・レジデンス アレクセイ・ラトマンスキーは、元ボリショイ・バレエ芸術監督で、多くの古典バレエを改訂・再演していますが、英国のバレエ団としては2013年に初めて英国ロイヤル・バレエ団に振り付けています。
■振付:アレクセイ・ラトマンスキー(Alexei Osipovich Ratmansky)
■音楽:フレデリック・ショパン(Fryderyk Chopin)

『シンフォニック・ダンス(Symphonic Dances)』
リアム・スカーレットは、英国ロイヤル・バレエ・スクールに学び、英国ロイヤル・バレエ団に入団しますが、2012年に振付家へと転身し、イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)、ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)、サンフランシスコ・バレエ、マイアミシティ・バレエ、K-BALLET COMPANYなど世界中の著名なバレエ団に作品を提供しています。
英国ロイヤル・バレエ団へは多くの小品を振り付けていますが、『フランケンシュタイン』『白鳥の湖』といった全幕作品も手がけています。
■振付:リアム・スカーレット(Liam Scarlett)
■音楽:セルゲイ・ラフマニノフ(Sergey Rachmaninoff)

最後に

今回は、英国ロイヤル・バレエ団 2019/20シーズン ラインアップを紹介しました。

英国ロイヤル・バレエ団は、もともと日本でも不動の人気を誇りますが、2019年6月には日本公演が予定され、また、「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」が映画館で上映されていることもあり、ファンの関心は高いのではないでしょうか。

今回紹介したラインアップには詳細が未定の内容も含まれておりますが、最新情報は随時、追記していく予定です。

この記事が皆さまの英国ロイヤル・バレエ団の舞台鑑賞、シネマシーズン鑑賞、ビデオ鑑賞などのお役に立てば幸いです。

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