2023年1月22日(日)午後11:20からのNHK BS プレミアムシアターでは、トルストイの小説を基にノイマイヤーが振り付けたハンブルク・バレエ『アンナ・カレーニナ』とレハールのオペレッタをロナルド・ハインドがバレエ作品に仕立てたオーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』の2公演が放送されます。
なお、当初放送予定だった「ミラノ・スカラ座バレエ ガラ公演」は放送されないことになりました。
プレミアムシアター
2023年1月22日(日)の放送内容
■日程2023年1月22日(日)午後11:20~23日(月)午前3:52
■チャンネル:NHK BSプレミアム
■内容:
◇本日の番組紹介(午後11時20分00秒~午後11時23分00秒)
◇ハンブルク・バレエ『アンナ・カレーニナ』(午後11時23分00秒~午前2時12分00秒)
◇オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』【再放送】(午前2時13分00秒~午前3時52分00秒)◇ミラノ・スカラ座バレエ ガラ公演【再放送】
■公式サイト:https://www.nhk.jp/p/premium/ts/MRQZZMYKMW/blog/bl/p1EGmp948z/bp/pzQPXbxpPm/
ハンブルク・バレエ『アンナ・カレーニナ』
今回、プレミアムシアターで放送されるバレエ『アンナ・カレーニナ』は、小説『戦争と平和』でも有名な帝政ロシアの文豪レフ・トルストイの同名小説を基にジョン・ノイマイヤーが演出・振付を行い、2017年7月にハンブルク・バレエにより初演された作品です。
映画や演劇作品も多く作られていますが、バレエではマイヤ・プリセツカヤ、アンドレ・プロコフスキー、アレクセイ・ラトマンスキー、ボリス・エイフマンらの作品があります。
原作は、1870年代のロシアを舞台に、政府高官カレーニンの妻アンナが、青年貴族の将校ヴロンスキーと道ならぬ恋に落ちて破滅へと向かう物語ですが、ノイマイヤーの作品では舞台を現代のロシアに置き換え、3つの家族の物語がドラマティックに描かれます。
サンクトペテルブルクの高名な政治家の夫アレクセイ・カレーニンと息子とともに暮らし、表面的には幸せそうに見えるものの、夫の愛情を感じられずに運命的に出会ったラクロスの名プレーヤー、アレクセイ・ヴロンスキーと恋に落ちるアンナ・カレーニナ。
アンナの兄スティーヴァと結婚して子供に恵まれたものの、夫の浮気に悩まされ深刻な家族の問題を抱えているドリー。
地方の地主リョーヴィンから好かれているものの、本人はヴロンスキーに憧れている、ドリーの妹キティ。
誰もがうらやむ環境にいる者が道を踏み外してしまったり、自分の思い通りにならなかった者が、その後、楽しい人生を過ごしたり、さまざまな登場人物のそれぞれの人生を通して、幸福というものについて考えさせられます。
2017年の初演時には、当時ハンブルク・バレエに所属していた有井舞耀さん(現デンマーク・ロイヤル・バレエ)が Lydia Ivanovna 役のオリジナル・キャストとしてクリエーションに参加し、作品作りに貢献しています。
YouTubeのハンブルク・バレエ公式チャンネルで公開されている『アンナ・カレーニナ』の紹介動画では、有井舞耀さんが演じている姿を見ることができます。
【動画】Anna Karenina – Ballet by John Neumeier(YouTube「Hamburg Ballett – John Neumeier」チャンネル)
ハンブルク・バレエ『アンナ・カレーニナ』(全2幕) |
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■原作:レフ・トルストイ ■振付:ジョン・ノイマイヤー ■音楽: ピョートル・チャイコフスキー アルフレート・シュニトケ キャット・スティーブンス/ユスフ・イスラム ■出演 【アンナ・カレーニナ】アンナ・ラウデール 【アレクセイ・ヴロンスキー】エドウィン・レヴァツォフ 【アレクセイ・カレーニン】イヴァン・ウルバン 【リョーヴィン】アレイズ・マルティネス 【キティ】エミリー・マゾン 【セリョージャ】マリア・ウゲツ 【労働者】カレン・アザチャン 【ドリー】パトリシア・フリザ 【スティーヴァ】フロリアン・ポール ほか ハンブルク・バレエ団 ■演奏: 【指揮】ネイサン・ブロック 【管弦楽】ハンブルク国立歌劇場管弦楽団 ■収録:2022年5月13・15日 ハンブルク国立歌劇場(ドイツ) |
【参考】ハンブルク・バレエ 日本公演(2023年3月)
2023年3月、ハンブルク・バレエの5年ぶり9度目となる日本公演が東京文化会館(東京・上野)で開催され、〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉と「シルヴィア」が上演されます。
ノイマイヤーの名作のハイライトをまとめたガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉では『アンナ・カレーニナ』も上演リストに入っており、ラウデール、レヴァツォフ、マゾン、マルティネス、アザチャンらが出演予定です。
また、「シルヴィア」では菅井円加さんが主演し、ゲスト・アーティストを務めるアリーナ・コジョカルの出演も決まりました!
ハンブルク・バレエ 日本公演については下の記事にまとめています。
オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』
バレエ『メリー・ウィドー』は、フランツ・レハール作曲の同名オペレッタを基に、英国の振付家ロナルド・ハインドがオーストラリア・バレエに振り付けたバレエ作品で、1975年に初演されました。
莫大な資産を相続した寡婦(未亡人)のハンナ・グラヴァリとハンナの元恋人ダニロ・ダニロヴィチ伯爵の恋の行方を描いた明るく楽しい演目で、米国のアメリカン・バレエ・シアター(ABT)やヒューストン・バレエなどもレパートリーに取り入れた人気演目です。
物語は、1905年、パリにある架空の国ポンテヴェドロの在仏大使館から始まります。
莫大な資産を相続した寡婦ハンナ・グラヴァリが、もし外国人と結婚してしまえば、資産が流出して国は破産してしまうことから、公使ツェータ男爵は彼女のかつての恋人だったダニロ・ダニロヴィチ伯爵と再婚させようと画策します。
ふたりは再び思いを募らせますが、ある事件がきっかけで険悪な関係に陥ってしまいます。
財政難にあえぐポンテヴェドロの破産を防ぐことはできるのでしょうか、ハンナとダニロの関係はどうなるのでしょうか・・・
主演は、ハンナ・グラヴァリをプリンシパルのアンバー・スコットが演じ、ダニロ・ダニロヴィチ伯爵をプリンシパルのアダム・ブルが演じています。
また、舞台収録当時の芸術監督デーヴィッド・マカリスターがニェーグシュ役で出演し、日本人ダンサーの根本里菜さんはパーティーのゲストや踊るカップルとして、渡邊 綾さんはポンテヴェドロ人として、それぞれ出演しています。
音楽は、英国ロイヤル・バレエなどで活躍したジョン・ランチベリーが編曲を行い、バーミンガム・ロイヤル・バレエの首席指揮者で英国ロイヤル・バレエやニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)、日本の新国立劇場バレエでも指揮しているポール・マーフィーがオペラ・オーストラリア交響楽団を指揮しています。
【動画】The Story of The Merry Widow(YouTube「The Australian Ballet」チャンネル)
バレエ『メリー・ウィドー』のストーリー紹介動画です。
【動画】The Australian Ballet presents The Merry Widow(YouTube「The Australian Ballet」チャンネル)
2018年に上演された新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』に客演したこともあるエイミー・ハリスが作品を紹介しています。
【動画】Costumes of The Merry Widow(YouTube「The Australian Ballet」チャンネル)
デズモンド・ヒーリーが手がけた衣装を紹介した動画です。
オーストラリア・バレエ『メリー・ウィドー』(全3幕) |
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■振付:ロナルド・ハインド ■音楽:フランツ・レハール ■出演 【ハンナ・グラヴァリ(裕福な寡婦)】アンバー・スコット 【ダニロ・ダニロヴィチ伯爵(ハンナの元恋人)】アダム・ブル 【ヴァランシエンヌ(ツェータ男爵の妻)】リアン・ストイメノフ 【カミーユ・ド・ロシヨン(フランス人大使館員・ヴァランシエンヌの浮気相手)】アンドリュー・キリアン 【ミルコ・ツェータ男爵(ポンテヴェドロ国公使)】スティーヴン・ヒースコート 【ニェーグシュ(大使館の書記官)】デーヴィッド・マカリスター ほか オーストラリア・バレエ ■演奏: 【指揮】ポール・マーフィー 【管弦楽】オペラ・オーストラリア交響楽団 ■収録:2018年5月9日 シドニー・オペラ・ハウス ジョーン・サザーランド劇場(オーストラリア) |